2016.07.24
「『木』と暮らす心地よいインテリアを考える 第一回」

皆さん、こんにちは。

毎日のように「各地で真夏日」というニュースがあるように、たいへんな暑さが続きます。

雨が降ると気温が下がる日もあったりして、そんな日は少しだけホッとしますよね。

ただ、こうした寒暖の差があると風邪をひきやすいのもまた事実。

皆さんも体調管理には是非お気を付け下さい。

 

今回のブログは、木の家具をうまくコーディネートするには?というテーマです。

住まいづくりにインテリアの悩みは尽きないものです。

家具蔵はただ家具を製作してお届けするだけではなく、これまで約2万件以上のインテリア・コンサルティングと納品によって、木の家具と心地よく暮らす生活の提案をしてきました。

そういった観点から、『木』と暮らす心地よいインテリアをつくるヒントになればと考えております。

 

 

木が見えすぎる生活は?

 

以前のブログで「木視率・木材率」のお話をしました。

(詳しくは弊社ブログ「日常を変える木のある生活」http://www.kagura.co.jp/blog/entry-000323.htmlをご参照下さい)

木を内装に使うことで快適性を増進することができますが、単に木を多く使えば心地よい空間になる訳ではありません。

もし床も壁も天井も、家具も調度品も、「全てが木!」の空間があったとします。

例えばログハウスやサウナこそが完璧な木の空間。

でも、サウナは気(木)のせいか少し暑苦しい印象も。

では、木視率・木材率が高すぎることは良くないのでしょうか?

 

木という素材に囲まれた空間の心地よさは、「木視率」などの単純な数値では表せない部分がたくさんあります。

それぞれにきっぱりと個性がありながら、繊細さも併せ持つ木で構成されるインテリアには、人間が心地よいと感じるバランス、調和させるための「コツ」が必要になります。

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素晴らしい木視率のバランスを誇る室内

 

そしてそのコツのヒントは皆さんもよく御存知の「雑木林」にあるのです。

 

雑木林からヒントをもらう

 

いま、雑木林をモチーフにした雑木の庭は専用の指南書がたくさん出版される程の人気です。

ではなぜ人気があるのでしょうか?

木というものの本来持つ力とは別に、その生態や形態に人間の五感が気持ち良い、と感じる要素を多く含んでいるから、と考える事ができます。

現代の私たちが木のインテリア、木のある暮らしを考えるとき、雑木林の気持ち良さ、調和を参考にするのはどうでしょうか。

そんな視点に立って、木のインテリアのことを考えてみると、木のある心地よい暮らしが見えてきます。

植林された林には整然とした美しさと厳しさを感じますが、雑木林には自然体の柔らかさが生んだ優しさを感じることができます。

この雑木林には室内のインテリアに応用できる要素が3つ程あります。

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雑木林にはたくさんのヒントが

 

インテリアに応用できる3つの要素

 

要素?

「自然の生態がつくった無理のない配置」

木の性格によって、それぞれの居場所を見つけ共存している状態。

要素?

「天然色の自然な交じり合い」

様々な樹種が交じり合い生まれる葉や幹の色、新緑や紅葉など季節による色の変化。

要素?

「自然界に存在する光の効果」

四季や一日の中での光環境の変化、明暗のバランスを持った状態。

 

これらはそれぞれ、

?インテリアの配置計画

見た目の美しさではなく、生活動線や人間心理に沿った居心地のつくり方

?インテリアの色彩計画

色を揃えることだけではなく、人が感じる「気持ちの良い調和」を考える

?インテリアの照明計画

光が人に与える心理的効果と、光の特性を利用した空間づくりのテクニック

という部分で応用が可能です。

詳しいお話はまた次回。

是非、楽しみにしていてくださいね!

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2016.07.17
「神様の棲む木・ホワイトアッシュ」

皆さん、こんにちは。

空梅雨などと言われていながら、通勤時や帰宅時に雨が多いイメージのある今年の梅雨。

早く梅雨も明け、夏本番を迎えたいところですが、関東の梅雨明け時期は年々遅くなっているそうです。
ちなみに今年の関東の梅雨明け時期は7月下旬とのこと。

青く晴れた空と燦々と輝く太陽が待ち遠しいところですね。

数回に分けてお届けしてきた、家具蔵で扱う銘木のご紹介も今回でひとまず一区切り。

最後を飾るのは北米産の広葉樹の中でも、安定した高い人気を誇るホワイトアッシュ。

オーク、マホガニー、ウォールナットと並ぶ四大銘木としても知られています。

 

清潔感のある白系の色合いは、爽やかなインテリア空間を演出するにもってこい。

外国生まれの木材でありながら、和の雰囲気にも良く合う万能性を持ち合わせています。

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古来より人間の暮らしと関係が深く、北方系の民族であるネイティヴ・アメリカンやアイヌ民族、スカンジナビアの各種族は樹皮の繊維から衣類を、材から弓や矢などの道具を作り出して、苛酷な環境を生き抜いてきました。

河川や渓谷に沿った湿潤な土壌に、他の広葉樹を圧倒するほど大きく聳え立っているのがホワイトアッシュの特徴です。

決して土壌の安定性が良くはない、どちらかというとぬかるみがちな土壌の地にしっかりと深く深く根を張り、ほぼ真っ直ぐに天を目指して生長するその立ち姿は見る者を圧倒し、生命の力強さと偉大さを実感させてくれます。

そのことからでしょうか。

精神面においても、深い恩恵を授けてくれる「心の拠り所」として敬われてきた歴史があります。

 

北欧神話を題材にした、有名なワーグナーの「ニーベルングの指輪」の中ではホワイトアッシュの仲間であるトネリコの大木がシンボルとして描かれているように、北方民族にとってアッシュの仲間は、自分たちの世界の他に地下の世界・天上の世界をも合わせ持っている大きな世界を作り上げる樹であると信じていました。

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また、ネイティヴ・アメリカン達は、ホワイトアッシュを四方に残して森を開墾し、村を作り上げていたそうです。

他の樹より大きく育つアッシュの大木を周囲に残すことで、見張り番を立てたり、枝打ちした枝を弓などの武器にしたり、畑仕事の鍬の柄にしたりと様々な用途でアッシュを活用していました。

更には夜になると森の守り神として崇められていたミミヅクがアッシュのてっぺんに留まり、ホーホーという泣き声で魔物や外敵の侵入を防いでいたと信じられています。

家具材や生活道具以外にも野球のバットやテニスのラケットなどにも他分野で使用されるホワイトアッシュ。

材としての機能性もさることながら、我々も本能的にその神棲性を精神的な拠り所にしているのかもしれませんね。

 

ホワイトアッシュにまつわるお話し、いかがでしたか?

インテリアである以上、見た目の相性やその組み合わせはとても大事です。

しかし、見た目だけではない、それぞれの木や素材にまつわる、こうしたよもやま話を知ることでその家具に愛着が湧き、やがてその空間そのものが掛け替えのないものになっていくと私たちは考えます。

 

木の家具を使いたくなったら、是非こうした話を聞きにお店へお立ち寄りになってみてください。

スタッフ一同、お待ち申し上げております。

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2016.07.10
建築家住宅の会 + 家具蔵 共同企画第7弾

建築家住宅の会 + 家具蔵  共同企画第7弾

建築家 佐久間徹 展 開催

 

建築家住宅の会が提唱する建築家住宅とは、住む人、建築家、施工を担当する工務店の現場監督さんから、実際に工事をする職人さんまで、家づくりに関わるすべての人が生活者の目線に立ち、一丸となってつくりあげる住宅です。

家具蔵の家具作りもそうした家づくりの一環として、これまでにも多くのコラボレーションによる暮らし作りが行われてきました。

建て主と共に歩む建築家をより多くの方々に知って頂く機会を作るべく、昨年から家具蔵ハウススタジオにおいて、建築家住宅の会の建築家の個展を開催しております。

今年は隔月で佐久間徹氏(7月)、奥野公章氏(9月)、荒木毅氏(11月)、瀬野 和広氏(11月)の個展を開催して参ります。

トップバッターの佐久間氏の住宅展は、7月23日(土)・24日(日の2日間、

家具蔵表参道店 ハウススタジオにて開催致します。

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設計にあたって大切にしていること

 

コミュニケーションを大切にしています。
言葉にしやすい思いも、言葉にしにくい思いも、感じとることが出発点です。

気持ちよく暮らすことを大切にしています。
かたちを考えることより、暮らしを考えることを、優先しています。

敷地や周辺の環境を活かすことを大切にしています。
光や風、緑との関係を考え、家族や近所の方との関係を考えます。
できれば、地域や社会にも貢献したいと思っています。

 

進め方はさまざまです。お気軽にご相談ください。

規模や用途に関わらず、それぞれの状況にあわせて進め方を考えていきます。
具体的な状況が固まっていない段階でも、是非一度ご連絡ください。
状況を整理していくことも私たちの得意とするところです。

こんなこと出来ますか?得意ですか?といった連絡も大歓迎です。
前向きに、誠意を持って、対応させていただきます。

 

佐久間 徹

 

建築家 佐久間徹 展 

■ 会 場 : 家具蔵表参道店 ハウススタジオ

       東京都港区南青山5-9-5(東京メトロ「表参道駅」B1出口徒歩1分)

■ 日 時 : 7月 23(土) 24(日)11時?18時

■ 参加費 : 無料

 

詳細情報は

佐久間徹設計事務所

URL : www.sakumastudio.com

E-MAIL : info@sakumastudio.com

TEL 0422-27-7121

FAX 0422-27-7123 

 

建築家住宅の会 HP  http://kenchikuka-jutaku.org/

家具蔵 HP      http://www.kagura.co.jp/

をご参照ください。

 

 

【佐久間 徹】                   

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経歴

1977年 東京都生まれ

2002年 東京理科大学工学部第一部建築学科卒業

2002年 有限会社アパートメント勤務

2007年 佐久間徹設計事務所設立

 

受賞

第1回 AICA BeforeAfter施工例コンテスト 優秀賞
オーストラリア・ハウス 設計提案公募 入選

 

 

東京建築士会 会員   武蔵野商工会議所 評議員
ザ・ハウス登録建築家   OZONE登録建築家
ASJ登録建築家      中央線ケンチク会

 

 

<一言コメント>

事務所設立から、早いもので、9年目を迎えました。
勤めていたときからずっと、吉祥寺で活動しています。
少しづつ、地域に根ざしてきたように思っています。
一昨年、郊外に小さな自宅を建てました。
季節や、地域を感じて、暮らし、改めて、家の大切さを感じています。

趣味:料理/酒/仕事/子供と遊ぶ

 

                                     

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2016.07.03
「人の生活に寄り添う木・ウォールナット」

皆さん、こんにちは。

梅雨の時期から夏の始まりにかけては、じつに多くの花々が道を彩ります。

ブログ担当の自宅の近くには、ホオズキがたくさん生けてあるお住まいがあり、道行く人の視線を集めています。

ただ「綺麗な花」として見るのと「ホオズキが綺麗」として見るのでは楽しみ方がまるで違うことがありますね。

知識を身に付けることで、違った楽しみ方が生まれるという点で、我々のブログなども皆様の日々の暮らしを豊かにするものになればと考えております。

 

今回のブログは「ウォールナット(黒胡桃)」についてご紹介します。

クルミ科には9属約60種、主にブラックウォールナット・ペルシャウォールナット・ヒッコリー・オニグルミ・ピーカン・バターナットなどがあり、ヨーロッパ南東部から東南アジア及び日本、南北アメリカにかけて広く分布しています。

その総数約200種類の頂点であり、北半球のあらゆる樹木の中でも不動の存在として君臨しているのが、銘木「アメリカン・ブラック・ウォールナット(以下ウォールナット)」です。

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大きな枝っぷりは、見ているだけで安心感が湧いてくるウォールナット。

世界のクルミの木の流れは、中央アジアが原産で世界に渡ったとされていますが、ウォールナットは生粋のアメリカ原産のアメリカ育ち。

改良や挿し木の無い純粋なクルミの木なのです。

そのクルミの実は、太古のネイティヴ・アメリカンの人々やリスなどの小動物にとっても貴重な栄養分でした。

また、防風林や街路樹としても非常に有用で、人をはじめとした動物の生命にまで直結してきた歴史があります。

アメリカではその恩恵にあやかる意味で、結婚式の際に子孫繁栄の意味を込めてクルミを撒く習慣があるほど、人の生活にとって非常に関わりの強い木です。

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材としても、適度な粘りからくる耐久性の高さや軽めで狂いの少ない硬質感などから、建材・家具をはじめ生活全般に広く使用されてきました。

しかし、ウォールナットの材としての最大の価値は、北半球の樹木の中で南方の樹木に特徴的な紫の色素を持ち、それらの樹木の材の特徴である「艶っぽさ」を醸し出すと言った、その妖しいまでの魅力です。

1660年頃?1720年頃のヨーロッパのロココ文化の中心にクルミの家具が一時代を築いてから、北米においても権力者が挙ってウォールナットを使い続けてきたという事は、やはり彼らもその魅力に取り憑かれたと言うことでしょう。

その希少性・素材としての優秀性からその価値は不動のものとなっており、「家具材のロールスロイス」とも呼ばれ、人々の憧れの的となっています。

このウォールナット、他にも様々な面白い特性をたくさん持っており、その中には思わずシンパシーを感じてしまう方もいるかもしれません。

とても賢く、それでいてある意味、非常に人間らしいエピソードを併せ持つ名樹「ウォールナット」。

 

皆様もその魅力の一端を味わいに、是非お店へもお立ち寄りになってみてください。

是非、お待ちしています。

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2016.06.24
楽しい暮らし研究所 @ 家具蔵 『楽しい暮らし』展 開催

楽しい暮らし研究所 @ 家具蔵

楽しい暮らし』展 開催

 

昨年9月に発足した新しい建築家グループ、「楽しい暮らし研究所」。

メンバー全員、楽しい暮らしの拠点となる家を作る、女性建築家。

家づくりの仕事、生活を楽しむ女性としての目線など様々な経験を活かして、いろいろな「楽しい暮らし」を考える、今まであるようでなかったテーマを実践する建築家集団です。

この度家具蔵とのタイアップがまとまり、グループとしての対外的な活動の一環として、7月9日(土)・10日(日)の2日間

5名の建築家による建築家展を、家具蔵表参道店ハウススタジオにて開催致します。

 

メンバー建築家は、

〇 石川直子建築設計事務所・アトリエきんぎょばちの石川直子氏

〇 一級建築士事務所 まんぼうの一條美賀氏
〇 後藤武建築設計事務所の佐藤千恵氏
〇 光風舎一級建築士事務所の宮本恵美子氏
〇 株式会社加藤建築設計事務所の与倉亜紀子氏

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2日間共に建築家は待機しておりますので、個別相談会も適時行います。

建築家との家づくりの醍醐味を丁寧に解説致します。

また、両日とも14時から15時の1時間、『茶話会』を企画しております。

 

7/9(土)「住まいを楽しむ暮らし」その1 石川氏・一條氏

7/10(日)「住まいを楽しむ暮らし」その2 佐藤氏・宮本氏・与倉氏


家具蔵のダイニングテーブルを囲んで、ざっくばらんな座談会を予定しております。

 

共に当日直接問い合わせや参加も大歓迎ですが、事前にご予約を頂ければスムーズです。

是非お問い合わせください。

(左から)与倉亜紀子氏、石川直子氏、宮本恵美子氏、佐藤千恵氏、一條美賀氏

各建築家のプロフィールなどは、各設計事務所HPでご参照ください。

 

【一言メッセージ】

研究所のメンバーは5人ともそれぞれ違う個性的な?建築家。

いつもは住宅を設計していて、作風も5人それぞれ違います。

住まいや暮らしの楽しみ方、趣味もそれぞれ違うので、暮らしの中の「楽しい」もきっと5通りの視点があるはず。

今回の建築家展では、住宅や趣味の写真・模型などを通して、暮らしを楽しむためのヒントがお伝え出来れば幸いです。

是非私たちと共に暮らしの中の「楽しい」を一緒に感じてみましょう。

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楽しい暮らし研究所 @ 家具蔵楽しい暮らし』展

 

■ 会 場 : 家具蔵表参道店 ハウススタジオ
      東京都港区南青山5-9-5 (東京メトロ「表参道駅」B1出口徒歩1分)
■ 日 時 :7月9日(土)・10日(日) 11:00 ? 18:00
■ 参 加 費 : 住宅設計展・住宅設計相談会、茶話会 共に無料
■ 担当建築家 :与倉亜紀子、石川直子、宮本恵美子、佐藤千恵、一條美賀

 

楽しい暮らし研究所 http://tanoshii-kurashi.com        

 

■ 茶話会前申込先 :光風舎一級建築士事務所 宮本恵美子(TEL:03-6677-7370)

若しくは 家具蔵 営業部 三上 j.mikami@kagura.co.jp

お名前・連絡先(住所・電話番号)・参加人数を添えてお申込みください。 

 

尚 事前申込みがない場合でも当日は参加可能です。

 

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2016.06.19
「タモ・女神と呼ばれし名樹」

皆さん、こんにちは。

 

街を歩いていると、小さなお子さんが道端の紫陽花に「あじさいさん、いつもきれいだねえ」とにこやかにかわいらしく話しかけていました。

小さなお子さんの目線を通すと季節の移り変わりや、ふと見落としがちな事に気づかされることも多いですね。

日本だから味わう事の出来る季節の機微、大事にしたいものです。

 

さて、好評を頂いている「家具蔵で扱う広葉樹シリーズ」ですが、今回は「タモ」をとりあげます。

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家具蔵で扱うタモはナラやニレ、センノキと共に非常に

重要且つ有用な樹木として太古の昔から人々に愛されてきました。

ケヤキやクスノキなどの大木も見る者を圧倒させる威厳さを持っていますが、タモの場合はそれにプラスして品位と優しさを醸し出し、観音像のような包容力すら感じ取れます。

その優美な姿と、材にした際の美しく凛とした木目から「白木の女王」はたまた「女神」と称されます。

 

そう、タモは様々な理由から神様や王様に例えられる木なのです。

 

力を加えても折れずに「たわむ」木の性質からその名が付いたように、タモは強さとしなやかさを兼ね備えており、加工性にも優れています。

そのため、家具だけではなく、農耕具などの生活道具、屋根材や楽器、あるいはホッケーのスティックのような運動器具などにも、幅広く使われています。

人の生活には欠かせない木であり、その存在は守り神とも例えることができた、ということです。

また、湿った土壌は場合によって土砂崩れの危険性を孕んでいますが、タモはそうした場所の地下奥深くに幅広い根を張り、斜面の土砂崩れを防いでくれています。

タモはナラやブナなどのように群生はせず、川などに沿った位置に配列して生長しているので、一層そうした災害を防いでいると言えるでしょう。

 

つまり人々の生活を陽となり影となり、守る。

それを昔の人は母性に例えたのかもしれません。

実は仲間の木であるトネリコやアッシュにも同じ属性があります。

総じて神様が宿る、あるいはそのものという人々の感謝の念や畏敬の念も共通であることをみると興味深いものがありますね。

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人が生き抜く為に、気の遠くなるような長い年月をかけて得た知恵と工夫を結集して、それぞれの木の活用を見出したこと。

それはまさしく適材適所であり、すべての木に言えることです。

そして、その木に守られていることを知り、それが長く続くように畏敬の念を持って接すること。

タモという名樹を通して、古代の人々と自然が教えてくれることはこういった大事なことなのかもしれませんね。

 

いかがでしたか?

素材の見た目や空間での映え方といった部分も重要ですが、こういったあまり語られない面について知ると、その素材にもっと愛着が湧いてきます。

各スタッフが今日もとっておきのエピソードをご用意してお待ちしています!

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2016.06.13
「木の真珠・ハードメープル」

 

皆さん、こんにちは。

梅雨の季節を実感するような空模様の日も多くなっていますが、街にはだいぶ半袖姿の方も増えてきて、少しずつ夏へ向かっていることを実感します。

抜けるような青空と、降り注ぐ太陽が待ち遠しいですね。

 

ここ数回のブログでは家具蔵で扱う広葉樹を紹介していますが、今回は美しい木肌から真珠にも例えられる「ハードメープル」についてご紹介します。

 

日本では「カエデ」や「モミジ」として親しまれているメープル。

その種類はとても多く、全世界で200種類以上といわれています。

そのほとんどが北半球に生息し、産地として有名なのが国旗にも象徴されるカナダです。

同じカエデ科に属するメープルでも、日本と北米のものでは主に高さが異なります。

北米に自生するメープルは25mから30mにもなる背の高いものが多く、それに対して日本や中国のカエデは15m以下のものがほとんどです。

日本のカエデで最も大きくなる「イタヤカエデ」でも20mほどですから、北米のメープルがどれほど大きいかがわかります。

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家具蔵で扱うのはシュガーメープル、ブラックメープル、ロックメープルに代表される硬質なハードメープルです。

北米では、ホワイトアッシュと同様に、生活道具や建物などに盛んに使用されてきました。

 

シュガーメープルといえば真っ先に思い浮かぶのが、樹液から作るメープルシロップではないでしょうか。

低力ロリーでミネラル豊富なメープルシロップは、古くはネイティヴ・アメリカンの人々、現在においては全世界の人々に親しまれているなど、人間の生活に切っても切れない樹である事はご承知の通りです。

 

その木肌は絹のような光沢感があり、光を受けるとキラキラと美しい輝きを放ちます。

独特の木肌は、称して「木の真珠」と喩えられ、他の樹種にはない美しさと透明感を醸し出します。

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清潔感と爽やかさを併せ持つメープルは手触りもスベスベ。まさしく「真珠」。

 

この白く輝く美しい木肌の秘密は伐採の時期にも大きく関わってきています。

伐採時期はマイナス30℃もの極寒の真冬。

これほどの寒い時期に伐採が行われる理由には、生長期を迎える春になると樹液の糖分の影響を受けて、木肌が黄色くなってしまうからです。

厳冬の森の中、厳しい環境で切り出されるからこそ得られる美しさ、というわけです。

 

太古の昔から重要な材として様々な用途に使われ続けているメープルは、人間にとって多大な恩恵を授かっている生命の恩人的存在です。

また、美しい木肌と経年による上品な飴色の優しい表情とは裏腹な高密度の細胞構造が抜群の耐久性をもたらします。

更に衝撃に対する強度は他に比類がなく、強いて言えばブラジリアンローズやホンジュラスマホガニーなど世界最高峰の銘木に匹敵する程の高耐久性が人との深い関わり合いの由縁となっています。

 

メープルは北の大地が生んだ奇跡の樹といっても過言では無いのです。

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2016.06.04
家づくりの会 + 家具蔵  共同企画第7弾

アトリエフルカワの住宅展 + トークイべント + ミニライブ

みんなの木の家 - アトリエフルカワの家づくり18年

 

今年34周年を迎える建築家集団・家づくりの会との共同企画の建築家展は、多くの方々の来場により常に好評を博しており、これからの家づくりのバイブル的なイベントとして定着して参りました。

その共同企画も7回目を迎え、6月11日(土)・12日(日)の2日間、建主と設計者、そして作り手である工務店の三者の信頼関係を何よりも大切にしている、アトリエフルカワ一級建築士事務所の古川 泰司(ふるかわ やすし)氏の住宅展を、家具蔵表参道店ハウススタジオにて開催致します。

古川氏の建築は、木の持つ力や魅力を活かし切った、イキイキとした住宅設計で高い評価を得ています。また、住宅医の資格を持ち、中古住宅の診断、耐震改修、断熱改修、生活改善の提案を行っています。

 

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2日間共に古川氏は待機しておりますので、個別相談会も適時行います。

建築家との家づくりの醍醐味を丁寧に解説致します。

予め予約をしておくと、スムーズ且つ入念な無料相談となります。

是非お問い合わせください。

 

建築家 古川 泰司

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■  経歴

1963年5月13日 新潟県生まれ
1981年3月 新潟県立高田高校卒業
1985年3月 武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業
1988年3月 筑波大学院芸術学系

デザイン専攻建築コース修了

1988年4月 株式会社パルフィ総合建築計画入社
1990年3月 有限会社長谷川敬アトリエ入所
1991年12月 一級建築士資格取得(国土交通大臣239555号)

1995年8月-10月 シルクロードとチベットへの旅行

1995年11月 株式会社内田工務店入社
1996年3月 ホームページ開設(この時はチベット旅行記だけのHPとしてオープン)
1997年11月 株式会社内田工務店退社 事務所設立の準備を始める

1998年5月 アトリエフルカワ一級建築士事務所設立(東京都知事43130号)

 

武蔵野美術大学建築学科 特別講師(2003年5月)

一級建築士 森林インストラクター

 

NPO法人家づくりの会  東京建築士会

東京都木造住宅耐震診断事務所(第124号) 

CASBEE評価員(戸建-03107-15)

武蔵野美術大学校友会広報部長

 

■  著作

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・プロのスゴ技でつくる楽々DIYインテリア (エクスナレッジムック)

・木の家に住みたくなったら。 (エクスナレッジムック)

・ローコストで 最高の家を建てる方法(エクスナレッジムック)   その他

 

■  住宅設計コンセプト

アトリエフルカワ一級建築士事務所は、一級建築士 古川泰司が主宰する木造の個人住宅の設計監理を中心に活動している設計事務所です。

 

1,無垢の木、地域の木材を使った家、左官など自然素材の家を得意としています。

2,太陽の恵みをいかす、風を取り込む、といった自然ネルギーを利用する家を得意としています。

3,都心部の狭小地や、小さな家を得意としています。(大きな家も得意ですよ)

4,住まい手参加の家づくりを応援しています。

 

 

【一言メッセージ】

 

家づくり、ってなんでしょう?

事務所をはじめた時に家づくりとは建主さんと一緒に畑を耕すことなんだと書いたことがあります。

アトリエフルカワがいままでお手伝いさせていただいた家はすべてが建主さんと一緒になって土を作り、種をまき、芽が出るように水を上げて、育て上げてきた思い出の仕事ばかりです。

そして、一つとして同じものがない家ができあがり、建主さんの生活を今も育んでくれています。

ある家の建主さんは、ご自分でドライバーを持ちコテを握り刷毛を握って作り上げた家も一緒に伴走させていただきました。

アトリエフルカワはさまざまな家づくりをサポートしてきました。

そして18年。

家づくりは建主さんの人生そのものではないかと思います。

今回の展示では、そんなさまざまな家をみなさんにご紹介してゆきたいと思っています。お気軽にご来場ください。

12日(日)14時半からは声楽家である住まい手さんをお招きしての

トークイベントとミニライブも行いますのでコチラもおたのしみに。

 

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アトリエフルカワの住宅展 + トークイべント + ミニライブ

みんなの木の家 - アトリエフルカワの家づくり18年

 

■ 会 場 : 家具蔵表参道店 ハウススタジオ
       東京都港区南青山5-9-5 (東京メトロ「表参道駅」B1出口徒歩1分)
■ 日 時 : 6月11日(土)・12日(日) 11:00 ? 18:00
■ 参 加 費 : 住宅設計展・住宅設計相談会共に無料
■ 担当建築家 :古川 泰司

        アトリエフルカワ一級建築士事務所  URL:http://a-furukawa.com

 

相談会事前申込先 : NPO法人 家づくりの会事務局

TEL.03-6261-2185  FAX.03-6261-2186
URL:http://www.npo-iezukurinokai.jp/


mail:info@npo-iezukurinokai.jp
お名前・連絡先(住所・電話番号)・参加人数を添えてお申込みください。  

 尚 事前申込みがない場合でも当日はお気軽にご相談ください。

         

☆  6/12(日)のトークイベントとミニライブの詳細内容・参加予約等も、アトリエフルカワ、若しくは家づくりの会事務局にお問い合わせください。

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2016.05.29
「偉大なる賢樹・ナラ」

皆さん、こんにちは。

気が付けばもうすぐ梅雨の時期。今年の関東の梅雨入り予測は、6月4日?6月11日の間くらいということです。

この時期はじめじめして嫌だ!という方も多くありますが、来る夏に備え、雨が草木に力を与える時期でもあります。

鮮やかな瑞々しい緑を待ちわびながら、梅雨の時期も楽しみたいものですよね。

 

さて、前回「チェリー」についてお話しさせていただきましたが、今回も家具蔵で扱う広葉樹のお話を。

チェリーに負けず劣らずの人気樹種でもある「ナラ」についてお話し致します。

 

ナラの木についてお話をする際に「いわゆるドングリが成る木ですよ」という御説明をすることがあります。

秋になるとドングリをたわわに実らせ、小動物や小鳥たちにたっぷりとご馳走を振舞うナラ。

このご馳走を求めて、ナラの周りには多くの動物たちが集まり、その恩恵を受けているのです。

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ナラ材で製作した「アームチェア   リーベン」

 

実は、私たち人間もナラの恩恵を多大に受けています。

ナラは広葉樹の中でも、多くの葉を落葉します。

その落ち葉が豊な土壌を作り、豊富な鉄分やミネラルなどの養分が森から川へと流れ、海へと運ばれていきます。

この養分をプランクトンが摂取し、これを食べに多くの魚たちが集まります。

私たちは、この魚たちを食べて生活しています。

ナラはこういった食物連鎖の根源にあり、私たちが生きてく上での根本を司っているといっても過言ではないのです。

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ナラのダイニングは家族が食事を楽しむにはもってこいの意味合いが

 

こうしたメカニズムから洋の東西を問わず、ナラやその仲間のオークは、神聖なものとして畏敬の対象でした。

また、ナラは中群生といって群生するのが特徴で、「森を作り上げる樹」といわれています。

大きな森を作る程の圧倒的な生命力があり、成長過程で数百種類もの菌根菌との共同作業で土壌改良を行いながら、ひとつの山を生命の住む森へと変貌させていきます。

森を支配するほどに群生する生命力の強さ、大きいものでは30mを超える巨大な姿は、森の中でもひときわ目を惹き、まさに「森の王様」にふさわしい雄姿です。

また、独特の放射組織から生まれる虎の斑紋を思わせる「虎斑(とらふ)紋」は、日本にも馴染みの深い著名な建築家フランク・ロイド・ライトがその虜になり、好んで使用していたことは有名です。

 

他の樹種では味わえない豊かな木理や繊細かつ雄大な風合い、そしてなによりもその生命力を存分に味わいに、是非店舗へも足を運んでみてください。

このブログ以上にナラの素敵な逸話をご用意して、お待ちしております!

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2016.05.22
「チェリーの秘密」

皆さん、こんにちは。

ふと見上げると、桜の木がすっかりと新緑へと姿を変えて、街の景色をまた違った表情で彩ります。

鮮やかに咲いた花の色がまるで嘘だったかのようで、そうした景色を見るたびに「ああ、夏が来るなあ」と感じる毎年です。

 

今回はその桜に関連して、家具蔵でも大いに人気のある樹種「アメリカンブラックチェリー」についてお話しします。

 

アメリカンブラックチェリー(以下「チェリー」)は、北米産のサクラの中では最も有名で、属するバラ科は約100属3000種を超える樹種が含まれています。

サクラ属に含まれるウメ、サクランボ、モモ、プラム、アンズなどの果物はさまざまな品種があり、これだけでもかなりの数に上がります。

 

チェリーの木は高さ15?30mほどにもなるので、森の中でも実に堂々とした雰囲気を漂わせています。

もともとチェリーは、ネイティヴ・アメリカンたちにとって家具などの加工用というよりは、食料としての実を重要視したり、樹皮を薬として活用したりと、生活に密着した樹であったようです。

その後は、その加工性の良さにより工芸細工に使用され、中でもその手触り感・艶の美しさからパイプ材として世界各国の愛好家から絶賛されている時代もありました。

 

製材したての心材は淡い桃色をしていますが、年月の経過の中で紫外線などの影響により最終的には濃い赤褐色になり、その劇的な変化から「使い込むほどに風合いを増す」という無垢材ならではの特性を実感することができます。

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右が製作後すぐ、左が約5年を経過して表情が変化したチェリー材

 

また、緻密で手触りの良い木肌は、気品さを感じさせる一方で、自分自身の樹液を詰まらせてしまうといったような多少「おてんば」ともいえる一面もあり、大人っぽさと子供っぽさの両面を持つ女の子としての好感度が人気の要因かもしれません。

そのおてんばな一面の証として、よく小さな褐色の斑点や筋が見られますが、それは一般的に「ガムポケット」や「ビスフレックス」と呼ばれる樹液が硬質化して木の性質の一部になった現象です。

他にも、木の表面に濡れ出た樹液に集まった虫や鳥(特にチェリーの樹液は好まれるようです)が樹液を吸うために付けたキズ跡を、樹木自身の長い成長過程の間に表皮で巻き込み、自己再生した跡である「バークポケット」と呼ばれる箇所もよく見受けられます。

これら全ては、木の表情であり自然素材の証しなので、流通上は欠点とならないのがチェリーならではのことです。

有名な「さざなみ紋(リップルマーク)」と呼ばれる湖の湖面の漣を見ているような、立体的で大変美しい表情はまさしく独特で、世界中の多くの人々を魅了し続けています。

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世界の樹の中でも、華やかな色気・艶やかさを醸し出す樹は稀で、チェリーはそのなかでも頂点に君臨するといっても過言ではありません。

空間に華やかな色彩を与え、触感や視覚に官能性を与えるチェリー材。

今や世界最高の家具材の仲間入りを堂々と果たしたその名樹の魅力に皆様も是非、家具蔵の各店で触れてみてください。

スタッフ一同、お待ちしております。

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艶やかな上品な表情と、どことなく暖かみのある佇まいはどのような空間でもマッチします

 

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