キッチンカウンターの丁度良い高さは?
2023.1.15
「キッチンカウンター」。
言わずもがな、「対面キッチンとダイニングを仕切る台」のことを指します。
対面式のキッチンが多くの家庭や住まいで採用されているなかで、そのデザインや大きさはともかく、ダイニングスペースに目線を向けながら調理ができることは家族とのコミュニケーションがとりやすくなるなど、多くのメリットを享受できるものです。
対面キッチンは多々ありますが、付随するカウンターの高さによってその印象はずいぶんと変化します。
今回はキッチンカウンターの高さについてお話しします。
キッチンカウンターの「高さ」の考え方
キッチン本体のワークトップ(作業台)の高さは現代の国内においては一般的に85cmが最も多くみられます。
これは「身長÷2+5cm」という計算式で割り出された、女性の平均的な身長と男性が使うことも考慮された寸法に由来するものです。
このワークトップと同じフラットな高さでキッチンカウンターを設置する、あるいはキッチン本体の奥行きが広く、ワークトップがそのままカウンターも兼ねるようなものもあります。
このようなワークトップと同じ高さのカウンター、あるいはワークトップがそのままカウンター的な役割を兼ねるものの場合、非常に見た目はスッキリとします。
一方で、ダイニングスペースやリビングスペースから作業の過程や後始末、シンクの中まで見えてしまうため「手元が見える」状態を嫌う人もいます。
そこでキッチン前に「立ち上がり」と呼ばれる段差を付け、手元が見えないように隠してしまうデザインもよく見られます。
ワークトップからキッチンカウンターの立ち上がりまでの高さの設定は人それぞれでもありますが、十分に手元を隠すのであれば「25cm」程度の高さにすると十分な目隠しになります。
仮にワークトップからの立ち上がり部を25cmとするとキッチンカウンターの高さは床から110cmとなります。
これは比較的多いキッチンカウンターの高さとなります。
立ち上がりをつくることで例えば洗い物がシンクに残っていても目につかないので便利ですが、あまり高くしすぎるとカウンター越しに配膳の受け渡しが難しくなったり、圧迫感を感じたりするので注意が必要です。
ペニンシュラキッチンとアイランドキッチン
対面キッチンの代表格と言えるのが「ペニンシュラキッチン」と「アイランドキッチン」でしょう。
ペニンシュラは「半島(Peninsula)」という意味で、左右のいずれかが壁に接している=半島のように飛び出しているところからそのように名づけられました。
一方、アイランドキッチンはその名のとおり、「島(Island)」のように四方が壁に接していないスタイルの独立したキッチンです。
日本の住宅で採用されているもので割合の大小を計るならペニンシュラキッチンが優勢でしょう。
排気が採りやすく、キッチンの出入りに関する動線が左右どちらかに限定できることで省スペースながら開放感のあるキッチンを選べるためです。
アイランドキッチンは左右両側に動線が必要なので空間自体に「幅」が必要となります。
また、キッチン自体の広さを確保したうえでは実際の導入が現実的でないこともあります。
ペニンシュラキッチン・アイランドキッチンともにワークトップの奥行きを広くとる=リビングダイニング側にカウンターチェアを入れるスペースを作ったり、収納をつくるようなことがあれば自然とカウンターの高さ=キッチンのワークトップの高さとなります。
その場合はカウンター(部)の高さは85cm前後となります。
I型キッチンを採用する場合のカウンターの高さ
いわゆる通常のベーシックなキッチンをペニンシュラ、もしくはアイランド上に設置し、その前方に造作を取付けて対面式とするスタイルも多くみられます。
この場合、造作部分を空間全体の内装や家具とテイストを合わせることでキッチンスペースそのものを含めて統一感あるLDKを作りやすくなるのでリノベーションなどでも人気です。
キッチン背面を造作で隠すとともに、そこに意匠性を持たせた立ち上がり部をつくるも良し、ダイニングテーブルと同じような高さのカウンター(70cm程度)を取付けて食事スペースとするも良し。
その発想は自由です。
キッチンカウンターの最適な高さとは
キッチンカウンターの高さは大まかに3種類「110cm」「85cm」「70cm」に分類できます。
更に、一般的なダイニングテーブルの高さ70cmとそれ以外(110cm、85cm)といった具合に分けて考えてみましょう。
高さ110cmと85cmのキッチンカウンター。
これらをテーブルとして使おうとする場合、カウンターチェアやカウンタースツールのような座面の高い椅子を使うことになります。
バーカウンターや軽食用のテーブルとしては非常にスタイリッシュですが、普段の食事を常にこの場所でとろうとすると、椅子の選択肢が狭まり、また床に脚が届かないので疲れやすくなってしまうなどのデメリットもありえます。
このような高さのあるカウンターは軽食用もしくは天板下のスペースを有効活用したカウンター下収納などを設置すると大きな収納スペースが確保できるのでお勧めとなります。
70cmの場合は一般的なダイニングチェアがそのまま使えます。
普段の食事やリモートワーク用のデスク、お子さんの勉強机としても活用することが可能です。
どちらが正解というものではありません。
それぞれが思い描く理想の暮らしや住まいにどちらが相応しいのかを考えてみると良いでしょう。
家具蔵のスタッフは全員がインテリアの豊富な知識を持ったプロフェッショナルです。
家具蔵各店にお越しの際は、皆様の住まいのお悩みをスタッフにお聞かせください。
きっと答えが見つかるはずです。
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