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木の家具と暮らす ~私たちのKAGURA STYLE~ #05

2022.4.18

 


 

建築家 × KAGURA コラボレーション実例 【その2】


 

 

建築家の作る空間。

それは閃きやセンスだけではなく、膨大に積み重ねられた個人的な体験や、ノウハウに裏付けられた手作りの作業によって生まれるものづくりに他なりません。

ここでは、それと同様に「丁寧な手作業による上質なものづくり」を標榜し、行っている私ども家具蔵の仕事が建築家の感性や手掛けた空間と響き合い、見事に形となった個性豊かなインテリア実例をご紹介します。

 

鶴崎智也建築設計事務所


 

 

鶴崎智也(つるさき ともや)さんは建設会社勤務を経て、2001年に有限会社鶴崎智也建築設計事務所を設立。

住宅設計・監理、共同住宅設計・監理、店舗設計を手がけています。

建築ジャーナル「東京の建築家とつくる家」「LiVES」他、メディアにも多数掲載されています。

 

本物の家具にも負けない豊かな建築を


 

奥に見える離れのような和室との間に屋外デッキが入り込んだ形になっています。テーブルの向こう側に渡り廊下が続いています。

 

いかに自然を生かして住宅にとり込むか


 

 

―鶴崎さんはいかに自然を生かし住宅にとり込むかをひとつのテーマとされていますが、ご自宅は3つの離れから成り立っているそうですね。

はい。

自分の家なので、とにかく好きなように作ろうということで。

周りに緑がある場合は借景としたりしますが、うちの場合はそれを自己完結させたような形です。

住み始めた頃は自分でも「なんていうものを作ったのだろう」と思いましたよ。

雨の日も雪の日も、一度外を通らないと寝室へ行くことができないですからね(笑)。

でも今となっては割と慣れてしまって、苦痛どころかかえって幸せを感じています。

 

―離れを行き来するなんて、毎日が旅館のようですね。多少の不便よりも、自然から得ることのできる感覚は大きいということでしょうか。

他の物件でも離れを作っていますが、5年住んでも「いい家だ」と言ってもらえます。

日々体感する生活の時間を大切に考えることができるのではないでしょうか。

完全な離れにしなくても、たとえば堀川さんのお宅のように渡り廊下で一部だけを繋げる形でも、視覚的に外を感じられますよね。

以前あった家はこの土地をめいっぱい使って建てられていたのですが、堀川さんにはこの形を提案しました。

贅沢な土地の使い方ですが、ウッドデッキ部分に部屋を増やすより、豊かな広がりを感じます。

家づくりに正解はありません。住まい方がそれを導き、決めるのかもしれません。

堀川さんの場合は、家具が決まっていたのも大きなポイントでした。

家具と比べたら、大きな建築は精密さからしてまったくもって敵いません。

ただ、器としては負けないように。

家具もそうですが、建築も細部が大事です。

本物のものづくりは、ちょっと触ったり、裏側を見るだけですぐにわかってしまいますからね。

この土地の豊かな自然をテーマに、「家具に見合う家をつくりたい」というご主人の熱い想いにも応えた建築になったと思います。

 

リビングは「モデルノシリーズ」を中心に。チーク材の床とチェリー材の家具が自然に馴染み、どこまでも心地よい空間。ウッドデッキの先は深い緑の遊歩道が広がっています。

 

家具と空間が響き合うモダンな木の家 (H邸/東京都)


 

 

家づくりは家具蔵のダイニングテーブルから始まったという堀川さん。

無垢材の家具に魅せられ、それに見合う自然と一体感のある家を建てたいと、長年温めてきた思いを鶴崎さんにぶつけました。

「放っておくと汚くなるものは嫌い。

手を入れるほど味わいや深みが増すものが好きです。

家で一番いる場所は食卓やソファですから、家具はとても重要な存在です。

いい家具は思い出が刻まれていきますよね。

家族皆でダイニングテーブルを囲んで育っていく、それが理想です」

鶴崎さんは、そのような堀川さんのこだわりを形にしていきました。

太陽の光と心地良い風、清々しい緑に包まれ、朝は鳥の声で目覚めるという、まさに夢のような緑の中の一軒家は、このようにして誕生したのです。

 

手前の椅子が奥様の特等席。視線の先にあるモミジの紅葉は圧巻とのことです。奥に見える薪ストーブはバーモントキャスティングの印象的なレッドを選びました。

 

 

 

 


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