子育て世代のインテリアアドバイザーが考える「子供部屋の作り方」
2019.2.5
少しずつ日差しが暖かくなり、お店の観葉植物たちも新しい芽が出てきたりと、春を意識し始めるこの頃です。
お子様をお持ちの方は、新入園・入学に向け準備を始められている方も多いのではないでしょうか。
同時にそういった皆さんの多くが悩まれるのが「子供部屋」についてです。
たいていの場合、いずれ必要となるものの、あまり早くから準備して一人で居る時間に慣れてしまうと家族で過ごす時間が減ってしまいます。
また、持ち家を持つタイミングで間取りを初めから細かく区切りすぎても、お子様が自立したのちに使い勝手に困ってしまいます。
長く愛着を持って過ごす住まい。
せっかくなので「失敗しない子供部屋作り」も一緒に考えていきましょう。
触り心地の良い無垢材デスクと座り心地の良いチェアなら勉強もはかどる
1.子供部屋はいつから必要なのか
子供部屋を作る理由の一つとして挙げられるのは「自立心を養う」ことではないでしょうか。
両親と一緒でないと眠れなかった子供が自分の部屋を用意してもらった途端、一人で寝るようになった、というのはよくある話です。
では、いつ頃から子供部屋は必要なのでしょうか?
まだ目の離せない未就園の頃は必要ないですが、1つとして幼稚園に入園したタイミングが考えられます。
幼稚園に入ると身支度を自分で整えたり、自分で何かとやりたがる時期になってきます。
とはいえ、一人にしておくのはまだ心配ではある時期。
この時期は「自分のものをお片づけする場所」として位置づけてあげると良いでしょう。
●初めは共同子供部屋でもOK
また兄弟のいるご家庭なら、最初は一緒に遊び就寝をする「共同子供部屋」として一つの部屋にすると、子供にとっても夜も安心できます。
その後小学校就学時など、「個」が出始めたタイミングで壁を作るようにすると失敗なく計画的に子供部屋を準備してあげることができます。
シンプルな無垢材デスクを兄弟でシェア。個性や好みはラグやクッションの色で表現
また、壁を作ることが構造上難しい場合や、子供が独立した後の使い方を考えた時に便利なのはカーテンやパーテーションで仕切る方法です。
比較的ゆるやかな仕切りなので冷暖房効率もよく、また、導入の際の費用や手間が少ないので負担が少なくて済むこともメリットです。
本棚やクローゼットなどの収納家具を可動型間仕切りとしておくのもひとつの手です。
これから家を建てる方であれば、将来的に仕切りをつくることを考え、1室で作る場合はお子様の人数に合わせ出口を設計しましょう。
その際間仕切りを「非耐力壁」にしておくとお子様が自立したあとに壁を撤去し、1室として活用できます。
更に大事なのは配線経路。
壁を仕切った後、撤去した後を考慮しコンセント口を配置できるようにすることは打合せの中で後々大事なポイントになってきます。
2.子供部屋の広さはどのくらいあればいいのか
子供部屋に最低限置必要なのは「ベッド(布団などの寝具含)」「学習机(デスク)」「収納」です。
一般的なシングルベッドのサイズは約1000×2000ミリ、デスクは1000ミリ×600ミリ。
ベッドを配置し、残りの壁面にデスクや本棚(収納)を配置すれば約3畳(2,275ミリ×2,275ミリ)に収めることが可能です。
ただ、クローゼットや、高校生・大学生まで過ごすことを考えた本棚(収納)を必要とした場合、これらが問題なく入る広さは一人あたり「6畳」が目安となります。
3.子供部屋に最適なレイアウト術は
先に挙げたように、子供部屋で最低限必要なのはベッド・学習机(デスク)・収納です。
その中でも一番大きいベッドからレイアウトするとその後のレイアウト作業がスムーズです。
ベッドは出入り口が干渉しない位置に置き、直接風が当たらない場所に空調(入れる場合は)を設置します。
ベッドのそばにデスクがあるとつい勉強の途中で寝転がったりしてしまうので、デスクはなるべくベッドから離しレイアウトします。
デスクの側には書棚を配置し、調べものがすぐできるようにしておくと作業効率が上がります。
失敗しない学習机(デスク)の選び方とは
入学と同時に約6割の方が購入する学習机(デスク)。
ランドセル同様に小学生になるお子様への大切な贈り物ですよね。
できれば大人になっても永く使ってもらいたいものです。
では、どんなデスクを選べばよいのでしょうか?
大人になっても使える飽きのこない無垢材デスク「ダン」とチェア「Vチェア」
●リビングでも使えるデスクが後々を考えるとベスト
お子様が選ぶとカラフルで子供らしい学習机(デスク)を選びがちですが、最近では「リビング学習」という言葉をよく耳にしますね。
小学生のうちはダイニング・リビングにデスクを置き、大きくなったら子供部屋に移動する、という方も増えてきています。
またお子様が使用したのちはご両親が使う、というメリットもあるので永く使えるよう、飽きのこないデザイン・色・素材を選ぶと良いでしょう。
近年では後々リビングに置いてもダイニングテーブルや他の家具とも違和感がなく、傷も味わいとなり、使うごとに良さが増していく無垢材を選ばれる方が増えています。
シンプルで世代を選ばない家具蔵の無垢材デスクも時にダイニングテーブルの補助テーブルとして使用したり、奥様の家事室、ご主人様のパソコン用、とフレキシブルに使うことができる点が重宝されています。
●作業のしやすいデスクの奥行きは
デスクの奥行は500~600mmですが、リビングに置いても邪魔にならない450㎜程度の浅型を選ばれる方も増えています。
一時期お子様の成長に合わせ高さを変える昇降式も流行りましたが、機構の部分が壊れてしまい永く使えない、浅型が出てきたことで圧迫感が減った、などの理由からほとんど注目されなくなりました。
一方、成長に合わせ、高さを変えられる椅子はいまだに根強い人気があります。
大人になっても永く使えるものを選ぶと良いでしょう。
なお、回転式の椅子は集中しにくく、床も傷めるので避けた方がベターです。
●収納付きデスクは長く使うかどうかを考えて
デスクは少し前までは上棚があるものが一般的でしたが、最近ではコストが抑えられ、圧迫感を与えにくいロータイプが支持されるようになってきました。
引き出し・オープンボックス(収納)等必要なパーツだけセレクトでき、ゆくゆく分けて他の部屋でも使うことができるユニット型も便利です
ここでもやはり、ダイニングやリビングの家具と合わせておくこと・永く使うことのできる材質を選ぶことがポイントです。
例えばオープン本棚(収納)はお子様が小さいうちはダイニングのカウンター下収納として置き、本や帰ってきてランドセルを置くスペースとして使用できます。
使い勝手により引き出しや扉をつけても良いでしょう。
引き出しや扉は品質次第で精度や耐久性が異なるため、必ずお店で触れ、体感しましょう。
リビングに置くこともできる無垢材のデスク・壁面収納はオーダーのもの
●デスクはお子様の趣味を取り入れてあげるべき?
いくら永く使えるものを基準に選ぶ、といってもやはりお子様ご自身が気に入ることも重要です。
しかし、成長と同時に好みも変わるので、家具もその都度買い替えなくてはいけないのはさすがに大変です。
そんな時は消耗品として必ず買い替えが必要となるラグやシーツ・カーテンなどファブリックで好みを取り入れてあげると良いでしょう。
また、最近では簡単に貼ってはがすことのできるウォールステッカーや壁紙も種類が豊富です。
お子様と楽しみながら選び、一緒に作業する親子の時間もかけがえのないものですよね。
お子様は家庭内でのコミュニケーションにより情報を受け取り、発信することで自ら考える力が育まれていくものです。この機会に子供部屋について見直してみてはいかがでしょうか。
ご相談は家具蔵各店スタッフまでお気軽にお申し付けください。
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