一枚板天板はスタッフの話を聞くことで「もっと楽しくなる!」
2023.1.28
目次
家族皆が集い、来客などに対しても住まいの顔となる一枚板天板を使用したダイニングテーブル。
一生ものと考える人も多く、事実、それだけの耐久性や品質を持つのが銘木の一枚板天板です。
そのどれもが一点ものであり、価格も一般的な量販のダイニングテーブルとは異なるものであることから、その検討には時間と労力を要することもしばしばです。
その根底にあるのは「納得のいくものを選びたい」というごくごく当たり前の気持ちであり、突き詰めると「大きな買い物だけに失敗したくない」という思いでしょう。
慎重にかつ念入りに選んで決定していくなかで参考になるのは他者のアドバイスであり、現代ではインターネットでの情報収集は欠かせません。
一枚板天板は「表面上の知識」だけではないエピソードを聞くことで価値が増す
たとえば、「自宅の空間や家族構成に相応しいサイズは」「動線を妨げないテーブルの最適なレイアウトは」「自宅の床や壁、建具の色や素材に合う樹種は」「一枚板テーブルを日々使う上での注意点は」などなど、いわゆる「失敗しない一枚板天板の選び方」などのサイトは非常に参考になります。
私ども家具蔵の公式ホームページでもそのようなタイトルのコラムが多数掲載されており、多くの人にご参考いただいています。
そのようないわば「事前の情報収集」はやはり大事です。
自身が必要とする、あるいは心惹かれる要素が予めわかっていれば一枚板天板を探すのにも目星は付けやすく、その選定もスムーズになります。
テーブルを日常使う道具としてその機能性を重視し、幅・奥行き・高さのサイズを選定することは毎日使用するものを選ぶうえでは非常に重要なことです。
また、同時にテーブルはインテリアの一部であり、その外観上の特徴や自宅とのマッチング、あるいはいわゆる「格好良さ」を重視することはなんら間違ったことではありません。
しかし一枚板天板探しは、そのような「表面上の知識」だけに留まらない奥深さがあります。
その板一枚一枚にまつわるエピソードを聞くことで、その買い物により価値が出るのです。
どのように人と接し親しまれてきたかという歴史を知る
木という植物は太古の昔から人の暮らしとともにあったものです。
その実から樹皮、枝や葉、幹に至るまでくまなくあらゆる部分が人によって有効に活用され、また、ただそこに生えているだけでも酸素をつくり、災害の歯止め役となり、その木陰は人々に安らぎをもたらしてきました。
長い歴史の中では多くの場面で木を活かしたものを使用する場面があり、それは現代まで連綿と続くものです。
一枚板天板は当然のことながら元々は各地に生育していた木から採れたものであり、その一枚板がどのような地域に分布していて、その木から採れる木材がどのような使われ方をしてきたかなどが分かるとより自身が選んだ一枚に理解と愛着が湧いてきます。
どのような生態を持ち、育っていたのかを知る
また、木はそれぞれに様々な生態を持っています。
その生態は不思議と人の社会や生き方とも重なる部分があり、そのような話を聞くことで共感を覚えたりできることも面白いところです。
他の素材でなかなかそうはいかないでしょう。
群生しその種だけの「純林」をつくることで有名なナラは、地中で互いの根を絡み合わせて互いに養分を共有します。
それはあたかも家族が共に支え合うようなイメージであり、ドングリの実を求めてあらゆる動物が集まってくる点なども皆が集まるダイニングテーブルにはピッタリです。
あるいはその木目から読み取れる、立ち木だった時にどのような環境にいたかの違いもあります。
そこに共感を覚え、インテリアの一部でありながらも見た目だけではないもの選びができることはまさに一生ものの買い物に相応しい価値付けとなり、ただのテーブル以上の存在のものとなるはずです。
一枚板天板になるまでの「旅」を知る
一枚板天板になる原木は世界中からやって来ます。
例えばアフリカ産材の雄「ブビンガ」は日本から遠く離れたアフリカ大陸の赤道付近のコンゴ、カメルーン、コートジボワールなどの国々から産出されます。
広大なアフリカ大陸に百年単位で育った悠久の時間、そこから日本にやって来るまでの果てしない距離、さらに製材され、一枚板となってからの乾燥工程の期間、まさに「距離と時間の旅」を知ることでその一枚板天板の価値と愛着もさらに高まります。
「シンガポールマホガニー」など地域の名が付いた木の名前は多数あります。
当然その土地に生育しているからこその呼称ですが、マホガニーはホンジュラスやキューバを原産とするものです。
それがなぜシンガポールの名がつくものがあるのかというと彼の国で1960年代に始まった「ガーデンシティ」という都市環境整備の中で行われた緑化計画に由来します。
現地と気候の似ていたカリブ諸島の地域からマホガニーが持ち込まれ、今では幻ともなってしまったホンジュラスマホガニーやキューバマホガニーに代わって、人々の目を楽しませてくれています。
なぜそこに?ということを知ると、そこにいる多くの人の知恵と努力がうかがい知れることもまた奥ゆかしいものです。
一枚板天板を使用した一枚板テーブルの選定にサイズなどのスペックや空間とのマッチングの良し悪しは欠かせません。
しかしそれだけではない「ドラマ」を知り、その樹種の歴史上の意義やエピソードを聞くことで共感性が増せばその天板はインテリア以上の存在となります。
一枚板天板選びは楽しく、一生ものの買い物なら一生ものの思い出も得て選んでほしいものです。
そのような背景を持って購入したものには必ず得難い価値が生まれます。
私たち家具蔵のスタッフもそれぞれの展示一枚板の魅力を余すところなくお伝えできるように様々なお話を用意してお待ちしております。
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