対面式キッチンの選択で後悔しないためには?
2023.6.1
目次
対面式キッチンが多くなった理由と影響
現在では多くの住まいで見ることができる対面式キッチン。
これが主流となった理由のひとつがコミュニケーション性の向上にあります。
ダイニングキッチン、つまりダイニングルームに壁付けのキッチンとダイニングセットがあった時代から、キッチンで作業する人とそれ以外の人のコミュニケーションが無かったわけではありません。
ドアがあるわけではありませんが、リビングダイニングとは完全に別スペースとなることもあり、基本的には壁を向いて作業をする=後ろを向いていることから目線は通わず、互いの顔も見えにくい状況であったことは事実です。
キッチンをリビングダイニングという居住空間側に向けることはキッチンで作業をしていても互いの様子がわかり、それがコミュニケーションに繋がります。
閉鎖的だった空間は開放的になり、リビングダイニングとキッチンは一つの空間となっていることが多くなっています。
対面式キッチン導入で後悔しないために
キッチンが独立したスタイルからリビングダイニングと同じ空間の中に存在する対面式であることが主流となってから久しく、現在はそうでなくても新築やリフォームの際には対面式キッチンを導入したいと考えている人も多いでしょう。
日本の住宅においてキッチンは設備であり、その取付けや取り外しは手軽に繰り返すことができるものではありません。
つまり「失敗できない」要素が多分にあるものであり、せっかく憧れのキッチンスタイルを手に入れたのに「こんなはずではなかった」という後悔を感じることは絶対に避けたいものです。
アイランドスタイルで後悔しないポイントは?
現代の対面式キッチンで多く見られるのは「アイランドキッチン(アイランドスタイル)」と「ペニンシュラキッチン(ペニンシュラスタイル)」です。
少し前まではリビングダイニング側に向けたキッチンの背面に壁を擁して顔の部分だけくり抜いてあるようなスタイルも多見しましたが、今の新築事情などではあまり目にすることはありません。
よりスタイリッシュな魅力を感じさせてくれるのがアイランドキッチンでしょう。
その名の通り、島(アイランド)のように四方が壁に接していないことで、より「家具」としての性質も多く備えます。
アイランドスタイルのチョイスでは周囲、特にキッチンの左右に十分なスペースが無いと、キッチンとリビングダイニングへの回遊がしづらくなってしまいます。
そして、多くの場合、キッチンのワークトップとそこから繋がるカウンター部の高さは同じで、手元が隠れる場所がほぼありません。
視覚面、つまり「見え方」には気を遣う必要があります。
例えばシンクを選択する場合は洗剤やスポンジの置き場所、水切りがシンク内に納まるようにすると乱雑な印象がなくなります。
また、ワークトップと一体になるカウンタートップの素材の選択は見え方と使い勝手の双方で重要です。
意匠性を重視するのか、掃除などのしやすさや手が触れることでの汚れが目立たないものを選ぶのかなど含め、空間全体とのバランスも考慮することで使い易く、空間の雰囲気を損なわないキッチンとなります。
ペニンシュラスタイル導入の際に気を付けるポイントは
「アイランド」が「島」を意味するのに対し「ペニンシュラ」は「半島」という意味であり、まさに地形で言う半島のように、対面式且つ左右どちらかが壁に接しているキッチンを指します。
アイランドキッチンと比較した際には左右のいずれかに回遊動線を設ければ良いので、スペースに限りがあるなかでもキッチン自体の横幅を最大限確保しやすく、マンションを含めた日本の住宅では多く採用されています。
キッチンとリビングダイニングの境目に腰壁を立てることは不自然には見えないので、手元を隠しやすいのは使い勝手の上で便利です。
このことはキッチンのワークトップの素材を使い勝手のみで選ぶことができる面でも有益と言えます。
ペニンシュラタイプを選択するうえでも左右どちらかの回遊スペースを十分に空けておくことは必須です。
そのうえで腰壁の高さをしっかりと自身の使い勝手の良いものにしないと配膳などが不便になります。
また、ここでは腰壁の素材や造作などの意匠性は空間コーディネートを考えるうえで重要になります。
カウンターとする場合にも食事を行うのでなければあまり奥行は確保せず、配膳台くらいに考えておくほうがダイニング部を無駄に圧迫せず、ダイニングテーブルを大きくもできます。
また、キッチンからは少し外れた話になりますが、カウンター下に収納家具や造作収納を設置する場合には扉が開くぶんのスペースを十分に確保しておく必要があります。
レンジフードの重要性と吊戸棚の考え方
アイランドスタイルでは天井取り付けとなることで形状が四方から見えるレンジフードも使い勝手と意匠性を両立させたものにしなければいけません。
ペニンシュラスタイルではレンジフードが壁に隠れていることが多いのですが例外もあり、その場合はペニンシュラスタイルでも同じです。
キッチンプランの段階でレンジフードのデザインや素材、そしてサイズを検討し、メンテナンス性や機能も含め、実際に見比べることをお薦めします。
また、キッチン上部の吊戸棚は便利ですが、アイランドスタイルでは採用しづらいと考えている人も多いかもしれません。
実際は天井から板を吊り下げるようなスタイルを採用するなど手段は多数あります。
見映えと収納性が両立できるようなものを相談の上決定していきましょう。
収納性も確保する
アイランド、ペニンシュラ、いずれにしてもキッチンはキッチン単体では成立せず、背面収納を含めた収納性をいかに確保するかが、キッチンスペース全体の見え方にも影響します。
キッチンに納まりきらない物がダイニングを占領してしまうということが無いように、収納についても考えながら可能であればパントリーやユーティリティも併せて計画することをお勧めします。
いずれにしてもキッチンがリビングダイニングと同じ空間にあることは、キッチンという枠に収まらない使い勝手と意匠性が求められます。
リビングダイニングの家具と同じようにキッチンを計画することで日々の暮らしがより快適になります。
私ども家具蔵でも無垢材でそのようなキッチンをご案内することが可能ですのでお気軽にご相談ください。
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