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キッチンの歴史

2020.5.3

 

台所と食生活の変化


日本で調理する場所を「台所」と呼ぶようになったのは中世になってから。

その語源は平安時代の「台盤所」です。

貴族が食生活を行う部屋の総称で、配膳の為の盤(皿)を乗せる台が置いてあったところからこの名が付きました。

時は流れ、明治になっても庶民の生活では燃料は変わらず薪でしたが、水道が普及し始めます。

そして大正デモクラシーの風潮の中、知識人の中では盛んに台所の改善議論がなされるようになります。

うずくまる姿勢での作業を改善し、立ったままで調理を行うことを主とした台所改善運動が起こるのと並行して電気、水道、ガスの近代設備を整えることを目指しました。

食卓の変化では、1925年にはちゃぶ台で食事をする家庭の数が銘々膳を上回り、大正の終わりから戦後にかけて、ちゃぶ台全盛期を迎えます。

お膳ごとに上座と下座があった時代から、家族がひとつの食卓を囲む時代となり、「茶の間」で家族が食卓を囲むようになったのです。

一方、海外では1920年代にガスコンロや冷蔵庫が登場、シンクやコンロがビルトインされ、

壁付けのキャビネット(吊戸棚)を設けたシステムキッチンの原型が生まれます。

家電や内装材も進化しスペースも広がり戦後にはキッチンが家族の憩いの場に。

その後1960年代に女性の社会進出による家事作業の時短の求めに応じて、食洗機や生ごみ処理機が登場。

1970年代には電子レンジがガスレンジを上回る程広く普及し、キッチンのスタイルも多様化していきます。

 

 

茶の間からダイニングキッチンへ


戦後の復興期を経て、住宅不足を解消する為に1955年に日本住宅公団が設立されました。

ここで大規模団地や郊外でのニュータウン開発プロジェクトがスタートすることとなります。

「食寝分離」という新しい様式(ダイニングキッチン)を提案したことで台所と茶の間に大きな変化が起こることとなりました。

このベースは国策として1951年(昭和26年)に当時の建設省が定めた「公営住宅基本設計」にあります。

「台所を広めにとって食事室と兼用する」と提案されたスタイルで、これにアレンジを加えたのが公団の標準設計でした。

和室とちゃぶ台というスタイルからの転換期で、当時、一般ではこの様式に沿った家具や家電を揃えるのが難しかった為、ダイニングキッチンにダイニングテーブルが予め据え付けてあり、引っ越しで持ち出されないよう鎖で繋がれていたとか。

台所のあり方やダイニングテーブル・ダイニングチェアを取り入れた「食寝分離」を実現したことは、日本人のライフスタイルを大きく変え、現代の住まいの基礎となっています。

そしてキッチンも大きな進化を迎えます。

それは1956年(昭和31年)に「公団晴海団地」に初めてステンレスの流し台が設置されたことです。

それまでの流し台の主流は木製亜鉛鉄板張りや人造石の研ぎ出しのものでした。

ステンレスのプレス加工の大量生産化が可能となったことで、コストダウンと耐久性が両立され、そのうえで清潔で美しいステンレス流し台が広く普及することとなります。

これがダイニングキッチンスタイルの構築に大きく貢献したのはいうまでもありません。

また、女性の社会進出や食生活の変化という社会情勢にも後押しされ、キッチンに必要な冷蔵庫、炊飯器等の家電が家庭に浸透し、どんどん進化していくことで家事労働の省力化、時短をもたらしました。

南向きのバルコニーから続くリビング空間の反対側に面する、暗い北側のキッチンで立ったり座ったりという重労働の作業がどんどん変わっていったのです。

調理が楽しく捗る空間へと変わり、食事や団欒のひと時がより豊かに導いていきました。

 

さらなる進化、システムキッチンへ


システムキッチンは昭和48年、キッチンメーカーのショールームに試作・展示されたドイツ風キッチンが始まりで、その後、昭和50年代にかけて広く全国に普及していきました。

海外の影響を受けたものを、国内でその技術を参考に独自のものが生まれていく。

他の分野でも見られたモノづくりは、キッチンの世界でも同様で、日本独自のキッチンスタイルが誕生していきます。

それまでは工場で製作された完成品を住宅に設置していましたが、ビルトインキッチンの考え方を取り入れた「システムキッチン」を発展させていったのです。

システムキッチンのメリットはサイズや生活スタイル、嗜好性をそれぞれのニーズに反映できること。

キッチンに合わせるのではなく、使う人がサイズだけでなくカウンター、面材、機器の素材、デザイン、仕様などを選定できるのが最大のメリットで、各部材をオーダーしてから取付け施工を行います。

基本となるモジュールに沿ってシンク、水栓、機器をビルトインするシステムキッチンはそれぞれのパーツが進化し続け、空間や暮らし方にも大きな影響を与える存在として、住宅の主役に位置しています。

そして、現在は機能性だけでなく、素材、質感なども重要視されています。

自分らしいキッチンは、家具やインテリアがそうであるように、心地良く、一層豊かな暮らしを与えてくれる存在といえるでしょう。

 

長い時間を経て進化したキッチン。

時代と共に可能性も広がっています。

自分に合ったキッチンで心地良い空間に。

キッチンからLDKを、暮らしの空間を考えたいとお考えでしたら、最寄りの家具蔵キッチンスタジオまでお気軽にお問い合わせください。

 

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