ボセという木の特徴は
2020.10.11
お気に入りの家具があると、いつもの暮らしの空間がぐっと居心地が良くなり、毎日のクオリティが上がります。
木製の家具、それも無垢材にこだわるなら、やはり「木」にもこだわりたいところ。
ところがたくさんの種類がありすぎて悩んでいる、そんな人も多いでしょう。
家具としての耐久性やインテリアとしての美しさを兼ね備えたものを探しているなら、「ボセ」を検討してみるのはどうでしょうか。
聞き慣れない名前かもしれませんが、素晴らしい銘木です。
今回はこの「ボセ」という木の特徴を解説します。
ボセとは
ボセ(Bosse)の産地は、シエラレオネやコートジボワール、ナイジェリアやコンゴ共和国などの西アフリカや、ウガンダなどです。
センダン科の広葉樹で、樹高 30~50メートル、直径1.2メートル 程度まで成長する巨木です。
地域によっては「ボス」や「ボッセ」、学名から「グアレア」などと呼ばれる場合もあります。
芸術性の強い杢目や耐久性に優れている材質をいかし、家具やフローリングから楽器や彫刻材、シガーボックスやボート用材まで、様々な用途で活用されてきました。
ボセ材の特徴
ボセ材の色は、「心材(中心部)」は明るい桃褐色で、「辺材(外側)」は黄色に近い褐色です。
「アメリカンブラックチェリー」のような赤みを帯びた色なので、「アフリカンチェリー」と呼ばれる場合があります。また、世界三大銘木の1つに数えられる「マホガニー」と同じセンダン科で、「ピンクマホガニー」としても知られています。
加工するとフタバガキ科やカバノキ科のような雰囲気になり、マホガニーの代用材としても使われてきました。
木目(年輪)は力強く、耳(丸太の一番外側の部分)も荒々しさが残っているものが多いため、一枚板は特に、アフリカ育ちのエネルギーやパワーを感じられるでしょう。
シーダー(スギ)のような香りがします。
ボセ材の表情
ボセ材は、さまざまな杢目(模様)を楽しむことができます。
例えば、フランス語で「ボセ」は、「こぶ」という意味です。
ボセは熱帯の過酷な環境下で育ち、「瘤杢(こぶもく)」と呼ばれる、ごつごつとしたこぶの塊のような独特な杢目が出るからです。
根元に近い場所にあるこぶはバールと呼ばれるため、「バール杢」とも呼ばれます。
カリンやポプラ、ブビンガやトチなどでも見られる杢目です。
こぶは、病気を治したり、損傷個所を自身で修復しようとしたりすることで発生する場合があります。
つまり、瘤杢は樹木が長い時間をかけて強く成長してきた証といえるでしょう。
また、ボセ材には、「玉杢」が見られるものもあります。
玉杢には、円が幾重にも描かれる大柄のものや、小さい円が散らばるものがあります。
外側部分に出現することが多く、模様が広範囲にバランスよく広がっているものは希少です。
複数の玉杢が重なるものは、「玉流れ」と呼ばれます。
「泡杢」は、比較的小さな円形の模様が散らばっており、水中に浮き上がる泡のように見えるのが特徴です。
玉杢よりも円が複雑に重なり合っています。
「縮み杢」は、木目に対して縦に入る、木目が縮んでしわが依ったように見える模様です。
成長過程で木が曲がったり、枝の重みなどで負荷がかかったりする「縮み」の間隔で印象が変わるでしょう。
この独特の杢目は多くのアーティストたちを魅了し、ボセは数多くの芸術作品にも使用されてきました。
ボセ材の家具
ボセ材は加工性が良く、様々な家具に利用されています。
収縮が少なく、乾燥後の安定性が高いのも魅力です。
保存性や耐久性に優れており、虫害への耐性も高いものがあります。
また、赤みのある色は、チェリー材と同じように温かみのある、華やかな空間を演出します。
存在感はあるものの主張が強すぎるわけではないため、チェリーやマホガニーのように、他の家具や床などと合わせやすく、コーディネートしやすいでしょう。
空間を選ばない、そんな万能性があるといえます。
また、ボセからは節のない幅広な良材がとれるため、一枚板としてテーブルの天板やカウンター、テレビボードなどに使用するのにも適しています。
特に、自然のままの、耳つきで厚めの一枚板を利用したダイニングテーブルは、空間のコーディネートの中心として強い存在感を発揮するでしょう。
ボセの赤みが強い色は、料理が映えやすい色でもあります。
さらに無着色でつくられた家具なら、自然のままの美しさや力強さを楽しめるだけでなく、経年変化も楽しめるのも魅力の1つです。
時間がたつにつれ、色味がますます濃くなり、より深い味わいになっていきます。
ボセは、アフリカの過酷な環境下で長い年月をかけて成長した、耐久性に優れた木です。
力強さに加え、赤みがかった色は華やかで温かな印象を与えます。
自然の力強さとエネルギーを感じられる、家の中のパワースポットとして、ボセの一枚板を暮らしの中心に加えてみるのはいかがでしょうか。
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