木造住宅が出来るまで
2019.11.20
戸建て住宅に住んでいる、という方でいわゆる「木造住宅」に住んでいる方も多いのではないでしょうか?
そんなご自身の住まいがどのようにできあがるのか、意外と詳しいことは知らない人も多いはず。
ご近所で新築戸建ての工事がある時などは、なんとなく完成までの流れがわかるかもしれません。
今回は実際にどの様な工程を経て、木造住宅が完成するのかを見てみましょう。
工事工程
1.地鎮祭
2.地業
遣り方・地盤補強・根切り
3.基礎工事
基礎配筋・外周型枠・コンクリート打設・アンカーボルト設置・立ち上がり型枠
4.建方
土台/大引き敷・柱梁/仕口金物・床・小屋組/野地板/屋根防水・柱頭/柱脚金物・筋交/筋交金物
5.外壁・屋根工事
屋根仕上げ・筋交い・面材体力壁取付・バルコニー防水/仕上
サッシ/玄関扉取付・外壁取付・設備配線/配管・外部仕上
6.内部工事
外壁断熱/外接床断熱・雑壁/間柱・設備配線・配管・床/天井下地・天井/屋根断熱
建具枠/内部壁・階段造作・床/壁/天井仕上げ・造作家具/設備機器
7.外構工事
8.最終確認
施工者・設計者・建築主検査・ダメ直し
9.竣工
地盤補強
木造住宅の地盤調査は、一般的には「スウェーデン式サウンディング方式」という方法が用いられます。
この検査で地耐力が不足している場合は、地盤補強が必要となります。
敷地の4隅+中央1か所の計5か所を基本とします。
地下水位が1Mよりも浅い場合は軟弱地盤である事も多くあります。
地盤補強の手段としては「表層地盤改良」「柱状地盤改良」「小口径鋼管杭」があげられます。
表層地盤改良は基礎下の軟弱地盤を掘削・排土します。
その上でセメント系の固化材を混合・撹拌し仮転圧・転圧します。
柱状地盤改良はロッドを地中に埋め込み、その先端から固化材を放出しながら掘削します。
その上でロッドを引き上げ、固化材の柱状の改良体を地中に残します。
小口径鋼管杭は地面に対して垂直に鋼管を建込、地盤を補強する方法です。
基礎
基礎工事において、配筋は建物全体の強度・耐久性などを大きく左右するたいへん重要な工程です。
1.遣り方
図面に指示された建物の位置・基礎の天端高さ・通り芯などの情報を敷地に移す為に作られる仮設物です。
木材と水糸で仮設されます。
2.根切り
遣り方で張った水糸を基準として、基礎を作るために地盤面以下を油圧ショベルなどの重機で掘削する作業のことです。
3.地業
根切り底に基礎砕石を敷いて、転圧する作業です。
砕石は隙間なく敷き詰められる様、40mm未満をベースにします。
転圧はランマーという機械を用います。この転圧が十分でないと建物にかかる荷重が均等に地盤に伝わらない為、注意が必要です。
4.捨てコンクリート打設
基礎断熱工法のベタ基礎は、そこ番が厚み100mm以上であれば防湿シートは不要になります。
しかし地面からの湿気をより防ぎたい場合は、厚み0.1mm以上の防湿シートを敷きこみます。
たわみがない様にし、重ね代は150mm程度を確保します。
その上から厚み30-50mmの捨てコンクリートを打設します。
捨てコンクリートは底盤型枠の墨出しと水平確保が目的になります。
5.配筋(底盤)
捨てコンクリートに記した墨を基準に低盤部の配筋を行います。
かぶり厚を確保する為にスペーサーの上に、スラブ筋を配置し結束線で緊縛します。
ちなみに、木造住宅の基礎はかつて、布基礎が主流でしたが、現在はベタ基礎が一般的となっています。
6.配筋(立ち上がり)
底盤部に引き続き、立ち上がり部の配筋を図面通りに行います。
7.配管
配筋後に給排水管・ガス管などの設備用の配管を行います。
配管のスリーブ径が80mmを超える場合は、補強筋を入れます。
8.コンクリートの打設(底盤)
コンクリート打設の前には生コンクリート(以下、生コン)の受け入れ検査を行います。
・スランプ試験
・空気量試験
・塩分濃度試験
・テストピース
を踏まえ、問題がなければバイブレータ等を使用し、型枠内のすみずみに生コンを行き渡らせます。
さらにコンクリートが平均して所定の高さになる様に、コンクリート表面をタンパーなどの器具を使用したたき固めます。タンピングとも言います。
- コンクリートの打設(立上り)
基礎スラブの打設後、4日ほど養生し、型枠を立てます。
その後、アンカーボルトを専用の治具などで固定し、図面と照らし合わせます。
打設作業は基礎スラブと基本的には同様ですが、スラブよりもコンクリートが充填されにくい為、鉄筋が集中している部分に関しては、バイブレータで十分に締め固めます。
10.レベラー
コンクリート打設後、立ち上がりを平滑に仕上げる為に、レベラー(セルフレベリング材)を流し込み、不陸を調整します。
このレベラーは鏝などによるならしが不要で、流し込むだけで平滑な面を作る事が出来ます。
立ち上がりの打設・レベラーの流し込み後は、直射日光を避け、初期乾燥に伴うひび割れを防止する為、シートにて基礎表面を覆うなどの養生を施し、脱型します。
養生機関は平均気温20℃以上の場合は最短4日、10℃以上20℃未満の場合には、最短6日が必要です。
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