空間に上手く「アクセント」を付け足すには?
2024.6.8
この空間に何かが足りない…、と感じる時
シンプルで整っている部屋。
間違いなく美しい空間なのに、どことなく味気ない・一味たりない、そのような感じがすることがあります。
これには明確な理由があり、比較的すぐに解決が可能な問題です。
(逆にそれも計算ずく、ということであれば特に何も手を加える必要は無いのですが…)
それは空間が同じトーンの連続であり、いわゆる「単調」であること。
構成する素材や質感、色合いが均一・同質であり、それが理由でどことなく「のっぺり」見えてしまうのです。
空間を構成するうえで色味を限定し、同じトーンでまとめるのは常道と言えるテクニックの一つです。
同時にそこにアクセントを加え、変化をつけることでその空間がよりグレードの高いものとなります。
インテリアの配色の黄金比
インテリアの配色の基本分量は一般に「7:2.5:0.5」と言われています。
これは他の分野においても配色における黄金比率であり、人の目に映った際に「美しい」「丁度良い」と感じる数値です。
床や壁、天井といった空間における「広い部分」をベースカラー、ソファやテーブル、カーテンなどその次に大きなものとなる家具などをメインカラー、それ以外の小物をアクセントカラーと定義します。
この定義から考えるとベースカラー=床や天井が空間のおおよその印象を決定づけます。
そこにメインカラー=家具などが25%入り、その2つでおおよその空間のイメージは決まります。
基本的にはベースカラーとメインカラーで部屋全体を整え、鮮やかな色5%、もしくは部屋のトーンと異なる色でアクセントを加えるイメージです。
例えば白い壁・ナチュラルな色合いの床に白木系の家具を合わせると明るい雰囲気の爽やかな空間ができあがるでしょう。
それだけでは少し薄寒い雰囲気があるかもしれません。
そこに表情を加え、空間のグレードを一段階上げるのがアクセントカラーです。
壁に色味の利いたものを飾る、観葉植物を置くなど方法は様々です。
この場合、色味が「パキッ」としたもののほうが空間の大部分を占める要素に対しての対比効果が強く、効果的です。
アクセントアイテムを取り入れる
アクセントカラーには空間全体の見た目を引き締める効果があります。
しかし、そこに注目が集まりすぎてしまうと全体の調和や落ち着きを感じにくくなってしまいます。
そのような危惧を払拭させつつ、空間のアクセントの役割を果たしてくれるのが「アクセントアイテム」です。
これはカラーでアクセントをつけるのではなく、質感でアクセントを取り入れるアプローチ方法です。
質感と味わいでアクセントを作る「アクセントアイテム」
●古びた趣のあるもの
…国外、特に欧米では家具や照明など暮らしに必要な様々なアイテムを子どもや孫に引き継いでいくことがごく普通に行われています。
そのことから、一人暮らしを始める若者が家具に困ることは少ないそうです。
古いものを捨てずに代々受け継いでいき、不具合が起きた時は修繕をしながらまた使い続ける。
それは素敵な文化です。
このような経年変化し深い色合いとなった家具や木製小物、色褪せたアートなどはそれぞれに深い歴史を感じさせてくれます。
ヴィンテージやアンティークアイテムには同じものはあまり存在しません。
真新しい空間に古いものを加えると温かみがプラスされそのものが持つ素材感が良いアクセントになります。
●手仕事が感じられるもの
…陶器や木工品などの手仕事から生まれたものには、それならではのぬくもりがあります。
これらはデザインがシンプルであっても、ひとつひとつの質感や表情が微妙に異なり工業製品には決して出すことのできない味わい深さを空間にもたらします。
経年変化して味わいが深まったアンティーク品はアクセントにぴったりなアイテムです。
リネンや綿などの天然素材を織ったり編んだものも、部屋に調和しやすく素材自体の風合いを感じることができます。
これらも手仕事感を空間の中にプラスでき、且つ日用品として取り入れやすいものです。
●時間とともに表情が変化するもの
…レザーや真鍮製のものは、空間に温もりだけでなく上質さをプラスします。
真鍮が持つ落ち着きのあるゴールドカラーや銅の赤褐色、レザー製品の使い込まれた素材感はナチュラルヴィンテージスタイルとの相性が抜群です。
レザー製品は使い込むほどに柔らかくなって人の手に馴染み、どんどん愛着が湧いてきます。
お手入れをしながら自分だけの風合いを育てていくことができます。
無着色仕上げの無垢材なども、色合いの変化が美しく、それらで作られた小物などは有効なアクセントアイテムとなりえます。
●自然素材
…観葉植物やドライフラワー、ガラス製品やランタンなどは人工物にはない自然そのものの形状を楽しむことができます。
植物は単調だった空間に自然素材ならではの複雑性が加えることができ、それを置くだけで生き生きとした空間になります。
例えば、部屋の中のテーブル上や収納棚は基本的に平面なので、そこに植物を置くだけで立体感が生まれ、視覚的な美しさを感じられるようになります。
自然素材はインテリアのクオリティを一気に上げる名脇役です。
アクセントアイテムは家具のように大きいものではなく、小さいアイテムが多いため自分の好みに合わせお気に入りを探し、買い足していく楽しみがあります。
ゆっくり時間をかけ少しずつ部屋を完成させていくのもまた楽しいものです。
関連する記事
最近の投稿
- 椅子は「座面に角度があるもの」を選ぶ理由とは? 2024年10月11日
- なぜ家具のサイズ選びは失敗が多いのか? 2024年10月9日
- 一枚板テーブルが「住まいの顔」となる理由は? 2024年10月7日
- 「椅子から決めれば」テーブルの高さで失敗しない! 2024年10月5日
- ダイニングテーブルは食事以外の活用法も含め考える理由とは 2024年10月3日
- 「一枚板」テーブルと「ブックマッチ」テーブルの違いとは? 2024年10月1日
- ウォールナット材がコーディネート性抜群な理由とは? 2024年9月29日
- 家具の素材は床と同じものを選んでよいのか? 2024年9月27日
- 「タタミベッド」の選び方とは? 2024年9月25日
- 2人暮らしに最適なテーブルのサイズとデザインは 2024年9月23日
カテゴリー
- 家具の選び方・置き方 (1,558)
- インテリア&住宅情報 (631)
- 人と木と文化 (395)
- ニュース&インフォメーション (438)
- オーダーキッチン関連 (403)
- 一枚板関連 (630)
- オーダー収納関連 (609)