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木のキッチンの意匠2 ~カウンター材について

2019.4.10

キッチンの「ワークトップ」


マンションだけでなく戸建てでも今はキッチンが独立した間取りよりも、LDKが一部屋というプランが主流となっています。

そうなると、お部屋に入った時にキッチンが必ず目に留まるため、機能性だけでなく家具の一部として、キッチンもデザインで選ぶという方が増えてきます。

別項でご紹介した「キッチンの面材」併せて、キッチンの天板はその面積も大きいため印象を左右するとても大切な存在です。

キッチンで作業する天板を「ワークトップ」もしくは「カウンタートップ」と呼びますが、ここではワークトップとし、昔からある素材から現在注目されている素材まで、その意匠性や機能性に着目してご紹介したいと思います。

これからご新築やリフォームを検討されている方の参考になれば幸いです。

 

素材別の特徴は?


●人工大理石

キッチンのカタログなどを見ていても、今一番多く目にするのがこの素材です。

圧倒的に白系や石目調のものが多いですが、カラフルな色やストライプ柄、木目調のものまで、そのバリエーションが豊富で意匠性に優れているのがその理由です。

また加工性もよく、取り付け時にジョイントをシームレスにつなげることが出来るため、例えば狭いキッチンでも、分割した天板を施工時にきれいにつなげて1枚に見せることも可能です。

L型や高さの違うワークトップも一体にできたりと、使い勝手の良さも魅力の一つ。

そして、シンクも人工大理石のものにすればシームレスにすることが出来て、見た目だけでなく、ジョイントの汚れが気になるという方にも納得いただけるメンテナンス性も見逃せません。

選ぶ時の注意としては「アクリル樹脂製」か「ポリエステル樹脂製」というところです。

ポリエステル樹脂製のものは安価ですが、経年で黄ばんだり、汚れが落ちにくかったりするため今ではアクリル樹脂のものが主流となっています。

一目見ただけではわからないので、選ぶ際には確認が必要です。

●ステンレス

システムキッチンが誕生したころからずっと使われ続けている王道の素材です。

ステンレスなので水に強いことはもちろんですが、熱にも強く手入れがしやすいので今でもステンレスを好む方は多いです。

また、ステンレスシンクとの相性も良く、溶接でシームレスに加工できるため水仕舞いが良いことや汚れ溜まらないといった使い勝手の良さも選ばれる理由です。

そしてステンレスと一口に言ってもその表面仕上げで印象はガラリと変わります。

昔は傷が目立たないようにするため凹凸をつけたり、ドットのような模様が入っているものがありました。

今は「ヘアライン仕上げ」と言って表面に髪の毛のように細いラインを一方向につけたものや「バイブレーション仕上げ」というあらかじめランダムな研磨模様をつけたものが主流となっています。

それだけでなく、ステンレスの厚みをそのまま天板の厚みとして見せるデザインや、

前垂れのエッジをシャープに折り曲げたデザインなどその見せ方もスタイリッシュに進化しています。

●クォーツ

人工水晶と呼ばれ、天然石の中でも硬い水晶・石英を基材とし、樹脂を混ぜて加工したエンジニアドストーン。

天然石の質感や美しい意匠性を持ち、樹脂を含むことでさらに加工性やメンテナンス性をアップしています。

人工大理石よりもより自然な石目が特徴で、硬く丈夫で汚れ落ちも良いのが特徴です。

ヨーロッパ、とくにスペインなどで発展した素材で、日本に入って間もない頃は認知度も低く高価格でしたが、近年は普及率も高くなり、新築のマンションでもクォーツのワークトップを採用するところもあります。

ただ、原板のサイズが標準的なもので3×1.4mで、これを超えるサイズのものや、搬入のために分割する場合や、L型キッチンの場合は、ジョイントが入ります。

また、重量も重いため、キッチンの大きさや搬入経路は特に気を付ける必要があります。

●セラミック

最近いちばん注目を浴びているのがセラミックのワークトップです。

システムキッチンメーカーでも、最高位のシリーズに入っていたり、まだまだ普及率としては低いため、価格は安くありませんが、今までにない独特の大きな柄やその機能性が特徴です。

プリント技術の発達により、天然石の模様を奥行感まで忠実に再現し、大きな基材に貼ることでその意匠性はほかの素材では出せない迫力があります。

ワークトップだけでなく背面収納部分の壁まで同じ仕上げにすることも可能で、インテリア性も十分に兼ね備えた素材と言えます。

また、陶磁器質タイルなどと同様の焼き物のため不燃材料としても使えるほど熱に強く火から下した直後の熱い鍋を直置きしても大丈夫なほどです。

コストの面や製作時に分割した場合はジョイントが入ることなど、まだまだ課題はありますが、これから要望が増えていくのではないかと思われる素材です。

●天然石

自然素材だけが持つ本物の魅力ともいうべき存在感と重厚感が特徴です。

大理石は天然石の中でも多孔質のためワークトップに用いられることは少ないですが御影石は大理石に比べると吸水性が低いため、色柄を選べばワークトップにも使用できます。

ただ、メンテナンス性やコストを考えるとそのパフォーマンスが良いとは言えません。

あくまで重厚感や存在感といった意匠を好む人向けと言えるでしょう。

また、最近では新築マンションなどでも天然石ワークトップを謳った広告を見ることがありますが天然石といってもそのグレードは様々なのでサンプルなどで実物を確認した方が良いでしょう。

●タイル

ワークトップでありながら、その色や質感・貼り方で様々な表情が作り出せるのがタイルの特徴です。

モザイクタイルも最近は海外のものも含めると、数えきれないほどの種類があります。

また、タイルもプリント技術の進化に伴って大判の柄のものが作れるようになり、例えばペニンシュラキッチンの場合、ワークトップだけでなくクックトップ脇の壁も同じタイルで統一感を出すといった演出も可能です。

メンテナンス性としては、目地の汚れが一番気になるところです。

色の淡いタイルの場合、目地も白系のものを選ぶことが多いと思いますが、最近では目地材の色も多くなっているため、カラー目地で意匠性を高めたり、防汚・抗菌効果のある目地材を選んだり、油が付きにくいコーティングをするなど、事前によく考えてから選ぶ必要があります。

●化粧板(メラミン化粧板)

メラミン化粧板は面材だけでなくワークトップに使われることもあります。

洗面化粧台などではよく見かけますが、キッチンでも面材と同じ意匠で作ることが可能なことや、柄や色が豊富なことから、化粧板を選ぶ方もいます。

また、低コストで製作できるというメリットもありますが、ワークトップのサイズによっては、化粧板のジョイント目地が分かりやすいなど、実物でしっかり確認してから選びたいところです。

●無垢材

無垢材の面材と同じく、本物の木には使い込むほどに味わい深くなる良さがあります。

ワークトップも木を使うことで、家具の一部として空間溶け込み、キッチンだけが目立ってしまうことがなくなります。

の反面、木はやはり傷はつきます。

ただ、無着色で仕上げを行えば傷の部分もやがて馴染んで同じ風合いとなってくれます。

使い込んだキッチンには、そこで過ごした家族の歴史と同じ時間が流れている。

そんなことを感じさせてくれることでしょう。

 

このようにキッチンのワークトップに使われる素材は様々です。

今回は特にその意匠性についてお話ししましたが、それと併せて耐水性・耐熱性・対汚性・耐久性・メンテナンス性・コストなど気にするポイントはたくさんあります。

また、お部屋に入った時にキッチンを「魅せる」ことを前提としてお話していますが、そもそもキッチンの作業台=ワークトップを見せたくないという方もいると思います。

新しいキッチンを考える際には、まずは自分が楽しく過ごせるキッチンにするためにはという視点で優先順位を考えていくことが必要です。

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