キッチン形状の特徴を知る その2
2020.3.15
前回の「キッチンの形状の特徴を知る その1」では、キッチンのレイアウトを
●対面にするかどうか
●オープンにするかクローズにするか
●ダイニング側とどうレイアウトするか
という3つのポイントを考えるという基本的なスタイル選びについてお話ししました。
今回はそこから導き出されたキッチンの6パターンの特徴について今回はお話を進めていきたいと思います。
オープンキッチン
1.アイランドキッチンについて
クックトップ(ガスコンロやIH)・シンク・調理スペースがひとつの島のように完全に壁面から離れてレイアウトされているキッチンです。
キッチンを中心に回遊できる動線が生まれ、LDK空間の一部に家具のようにキッチンがあるような感覚で使え、家族やゲストが集まる家の中心の場となってくれます。
調理中も会話が楽しめたり、お料理のサーブや片付けが楽だったり、複数人で使う場合にも動線が2方向にあるため動きやすいのが特徴です。
●アイランドキッチンがオススメな方
・LDKが広い間取りの方
・家族の人数が多くキッチンを奥様以外にご主人やお子様も使うという方
・キッチンをインテリアの一部としてコーディネートして楽しみたい方
●アイランドキッチンの注意ポイント
■キッチンの両サイドにアプローチ動線が必要なため、キッチンのサイズと動線幅のバランスに注意が必要。
■通路幅が狭くなってしまう場合には、クックトップは壁側に配置してシンクと調理スペースのみのアイランドにするケースも。
■レンジフードのタイプが限られる。
■センターフード(天井から吊るタイプ)、ワークトップに埋め込むタイプ、背面壁付のレンジフードに専用ユニットを使ってセンターフードのようにできるタイプなど最近ではバリエーションが増えています。
ですが、その分通常よりもコストがかかります。
■リフォームでキッチンの位置を変える場合には、設備のレイアウトが既存の配管位置により限られる場合があります。
2.ペニンシュラキッチンについて
アイランドキッチンの左右どちらかのサイドを壁付にすることで「半島」のような形になるため、この名前が付けられています。
アイランドキッチンと同じく解放感は保ちつつキッチンへのアプローチを片側からにすることで、通路分のコンパクトにでき、マンションなど限られたスパンの空間でも取り入れやすくなっています。
多くの場合は奥行が900ミリ以上あるため、料理を盛り付けた後の仮置きスペースとして、またダイニング側に収納を設けたり、カウンターテーブルとして使ったり、キッチンに調理+αの要素を備えることができます。
●アイランドキッチンがオススメな方
・LDK空間を広々と使いたい方。
・キッチンに+αの機能を持たせたい方
・アイランドキッチンにしたいけど、間取りの制約がある方。
●ペニンシュラキッチンの注意ポイント
■調理中の油ハネや煙・ニオイが気になるという方は、レンジフードとクックトップの背面だけ天井までの高さの壁を設けることで、リビング・ダイニングと緩やかに区切ること。
■左右どちらを壁につけるかは間取りにもよりますが、どちらも可能な場合はシンクに立った時に効き手側に食洗機をレイアウトできると使いやすくなります。
セミオープンキッチン
1.I型キッチン
こちらもペニンシュラと並んでマンションでよく見かけるキッチンレイアウトです。
ペニンシュラとの違いは奥行でI型の標準的な奥行寸法は650ミリとなります。
キッチンとダイニングの間を腰高の壁(H900~1200ミリ)で仕切ることで、視線は通るけれども手元は隠せるという、オープンキッチンとクローズドキッチンの良いとこ取りをしたタイプです。
ワークトップにシンク・調理スペース・クックトップが並び、冷蔵庫や調理家電・パントリーなどを含めたワークトライアングルもバランスよくレイアウトしやすいのが特徴です。キッチン自体のコストもペニンシュラと比べて抑えることができます。
●I型がオススメな方
■対面キッチンにしたいけど常にキッチンをきれいにしておくのは苦手という方
■オープンにしたいけれども水ハネ・油ハネが気になる方
■コストパフォーマンス重視の方
●I型キッチンの注意ポイント
■腰壁の高さは使う人の身長を考慮しないと、キッチンからの景色が大きく変わること。
■特にダイニングテーブルが近い場合はテーブルが見える高さで。
■納力を重視して吊戸棚を設置する場合には、取り付け高さによって解放感がなくなってしまいます。
2.L型キッチン
セミオープンのL型キッチンはI型よりも間口が狭い場合にシンク側のみをオープンにクックトップ側を壁面に向けて取り付けするタイプです。
キッチン内のスペースが比較的大きくとれるため、二人でキッチンに立つ場合などはゆとりがあり使いやすくなります。
●L型がオススメな方
■一人で作業する時も効率よく動きたい方。
■二人でキッチンに立つことが多い方。
●L型キッチンの注意ポイント
■配置によって、冷蔵庫や調理家電の扉の開く向きが逆になり使いづらくなるので、家電や食器棚まで含めたレイアウト設計が重要
■L型のコーナー部分の収納がデッドスペースになりがち。
計画段階からどのような収納にするのかを考えておく必要があります。
場合によってはダイニング側から使う収納にすることも可能です。
非対面式キッチン
LDKを一つのつながった空間とするスタイルが主流となる一方で、キッチンは本来の「料理をする場所」と考える方もいらっしゃいます。
完全に独立したクローズドキッチンは「奥様専用の居室」と考える方もいて、料理だけではなくデスクやアイロン掛けなどの家事スペースもすべてキッチンに集約することだってあるのです。
また、家族の気配は感じつつも料理中は集中できる壁付けタイプは、キッチンスペースをコンパクトに抑えることが可能で、ミニマルな暮らしを求める方に人気があります。
1.完全独立キッチン
リビング・ダイニングとは全く別の空間となるため、来客時の視線や油ハネ・水ハネを気にすることなく、料理に集中することができます。急な来客があっても作業中のキッチンを見られることはありません。
●完全独立キッチンがオススメな方
■そもそもキッチンは人に見せる場所ではなく家事スペースと考える方
■いろいろ周りを気にせずに集中して料理や家事に取り組みたい方
●完全独立キッチンの注意ポイント
■クローズドキッチンは効率を考えていろいろな機能を詰め込みすぎると、かえって狭くなることがある。
■2人以上で使う場合には、それなりの広さが必要。通路幅も広く確保したいところ。
■ダイニングとの位置関係によっては、料理を運んだり片付けたりすることが煩わしく感じられてしまう。
2.壁付けキッチン
リビング・ダイニングの一部に壁に向かってキッチンを設置するタイプです。
キッチン以外のスペースをフレキシブルに使えるため、家具のレイアウトがしやすくダイニングテーブルまでの距離を近くすることも可能なので料理の準備や片付けの手間も省けます。
また家族の声を聴きながら料理ができるため、非対面式であっても家族とのコミュニケーションが取りやすくなるのが特徴です。
●壁付けキッチンがオススメな方
■家具や家電もトータルでコーディネートしたい方。
■キッチン以外のスペースを広くとりたい方。
■料理に集中しつつも、家族とのコミュニケーションを大切にしたい方。
●壁付けのキッチンの注意ポイント
・冷蔵庫や調理家電、食器棚もすべて見えるレイアウトになるので、キッチンのデザインや素材感と家電や家具のデザインバランスに気配りが必要。
・特にキッチンマットを使う場合は汚れが目立ちやすいので、交換や洗濯がマメにできるものを選ぶこと。
キッチンの形を考える上で、まずは理想のキッチンのイメージを持つことが必要です。
そして、その次にデザインや色のイメージだけでなく自分の暮らし方、住まい方に合うスタイルはどういったタイプかを、その特徴や注意ポイントを参考に絞り込むことで徐々に具体的なプランへと繋がっていきます。
ある程度イメージが出来たら、あとはプロの出番です。
本当にこの方向で合っているかどうか不安になった時は早めにプロに相談してみることが成功への近道かもしれません。
家具蔵にも様々な事例を知る専門のスタッフが各「キッチンスタジオ」に常駐しています。
お気軽にお声がけください
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