「姿勢」がもたらす身体の影響とは?
2023.5.28
目次
「姿勢を正す」という表現は、これまでも多くの人が耳にしてきた言葉でしょう。
この表現は生活態度や行動意識を改めるという意味での言い回しとなることもありますが、このブログは家具やインテリアにまつわるものです。
今回は(ある意味当然のことながら)椅子に座っている状態などでいわゆる「良い姿勢」を保つことということがどのような身体への影響をもたらすのかをお話ししていきます。
「立っている状態」での「良い姿勢」
人はそのほとんどの時間を「立っている」「寝ている」「座っている」といういずれかの状態で過ごしています。
その際「立っている」状態での「良い姿勢」は、一般的に「耳・肩・腰・膝・くるぶし」が一直線になっている状態を指します。
これがなんらかの曲線や不規則な線を描いていることは、すなわち「姿勢が悪い」ということになります。
姿勢が良いかどうかを確認するのに一番簡単な方法は、壁に寄り掛かり、後頭部と肩、そしてお尻やふくらはぎ・かかとが壁についているか否かです。
この確認方法で自身の立ち姿勢が「良い」か「悪い」かが分かります。
椅子座か床座かで異なる「良い姿勢」の確認方法
座っている状態、つまり「座姿勢」において椅子に座るか床に座るかでは「良い姿勢」の確認方法は異なります。
椅子に座っている場合の確認方法は、椅子の座面に深く座り、骨盤を立てることが重要です。
この時に「耳・肩・腰」が一直線になっており、且つ膝や股関節は90度の角度となっていることが理想=良い姿勢とされます。
床に座っている状態、つまり床座の場合でも骨盤を立てて座ることが基本的に良いとされています。
良い姿勢というのはその際の身体への負荷が均等に分散されていることが理想ですが、床座の場合は、床と接している下半身の左右対称に体重を乗せることが大切です。
どちらかに傾いていることで、負荷が大幅に変わってしまいます。
良い座姿勢を維持するために
椅子座でも床座でも良い姿勢を持続させるためには、定期的に自身の姿勢を「意識すること」が重要です。
そして都度姿勢を正すことに加え、少なからず身体が緊張する状態を強いることにもなるので、身体の各所の凝り解消のためにも「両手を組み、頭の上まで伸ばす」「姿勢はそのままで、その手を両方に広げながら下ろしていく」という動作を行うことでストレッチ効果と無理のない姿勢を維持することができるようになります。
「悪い姿勢」で起こる身体の問題
反対に「悪い姿勢」の代表格ともいえるのが、立っている状態でも座っている状態でも「背中が丸まっている」「首だけが不自然に長時間傾いている」というものです。
俗に言う「ストレートネック問題」はスマートフォンを操作する際に生じる「首が不自然に長時間傾いている」状態から起こるものです。
頭の重さは体重の約8%、体重70キロの人なら頭の重さだけでも5.6キロ程度あり、それがそのまま首への負荷となる計算です。
正しい位置に頭がある状態なら、当然身体への影響は少ないのですが、頭の位置が2センチ前方に飛び出すだけでも首への負荷は通常の約2倍になると言われます。
首を30度曲げるだけで約2.5倍、60度曲がると約3.5倍の負荷であり、さきの体重70キロの人なら首に約20キロの負荷が掛かっている状態です。
すぐに改善は出来なくとも、スマホでの作業に集中し過ぎず、例えば30分に一度の休息で首への負担を回復してあげることで、良い姿勢の維持や負荷の軽減につながります。
姿勢と呼吸・健康の重要な関係
最初は背筋を伸ばして良い姿勢を維持していても、長時間の作業などでは腕の重さで徐々に前傾姿勢になっていきます。
前傾姿勢が続くことで肺が圧迫されて呼吸が浅くなっていきます。
長時間、前傾姿勢でいると呼吸を少しでも深くしたいという反応から、胸付近の筋肉や骨が大きく動きます。
その為、肩こりや首の凝りにつながってしまいがちです。
また、呼吸が浅いということは脳に酸素が送られる量が少なくなることを意味します。
これは集中力や記憶力の低下の原因となります。
もし、作業中に眠くなってしまうことが多いのであればそれは脳に行く酸素が少なくなっていることが原因かもしれません。
逆に胸を張る=背中を伸ばす=良い姿勢であれば、自然と呼吸が深くなるため、集中力が増して眠くなりにくいとも言われています。
また、猫背や巻き肩といった悪い姿勢を続けていると、腸の「ぜんどう運動(主に腸の内容物を移動させる働き)」の妨げとなり、腸が硬くなりやすくなります。
これは便秘の原因になり、もし便秘に悩んでいる人がいるならそれは日々の生活の中で座る姿勢や立ち姿勢を改善することで良い影響があるかもしれません。
正しい座姿勢で生活するためには椅子選びが重要
日本人は世界一、一日の着座時間が長い国といわれます。
それは世界のどの国よりも「座っている状態の姿勢に気を付けなければいけない」とも言い換えられます。
そこで注目すべきなのが「椅子選び」です。
デスクでの作業時間やダイニングテーブルで食事や団らんを過ごす時間に使用する椅子も、無理なく良い姿勢を誘うものとそうでないものがあり、それは体型や座りグセなどによっても異なります。
基本的に個人専用となるワークチェアもそうですが、ダイニングチェアもこれから検討するのであれば個々に座り心地の良い椅子を別々に選ぶことをお勧めします。
そうすることで居心地が良く、良い姿勢を自然に維持できるような暮らしを享受できるようになるでしょう。
家具蔵では椅子選びのプロが皆様に最適なチェアをご提案します。
お近くの家具蔵店舗でお気軽にお声がけください。
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