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スペックを知って「使いやすい」キッチンを手に入れる

2022.4.10

 

 

キッチンの歴史は暮らしの変化の歴史


 

 

ここ日本での住まいにおいて、キッチンの歴史はそのまま暮らしの変化の歴史と言って良いでしょう。

キッチンという言葉は、日本語に訳すと「台所」となります。

調理などを行う場所を「台所」と呼ぶことが世間的に浸透したのは中世以降になってからです。

「大正デモクラシー」の影響で「台所改善運動」なるものが起こり、戦後しばらくして「ステンレス流し台」が登場するのと同時に、後に公営51C型として広く世の中に広まっていくことになる日本の集合住宅も生まれます。

その頃にはすでに「ダイニングキッチン」の発想と実現がありました。

昭和40年代後半になると、ステンレス流し台よりも更に利便性の向上した「システムキッチン」が海外より入ってくるようになり、用途に応じて収納ができる点やユニットなどを並び替えることができる点、多種多様なデザインを持っていて選べる点などが人々に受け入れられ、人気を博すようになります。

そして、いつしかキッチンはクローズドの空間ではなく、LD空間と一体となった「LDK」として、オープンスタイルのキッチンが主流となり、それぞれのニーズに応える「オーダーキッチン」も大きく浸透してきています。

 

 

キッチンのスペックを知る


 

 

そこで注目すべき点はキッチンのスペック(性能・仕様)です。

少し前の時代ではキッチンに付属する機器、例えばガスコンロはビルトインではなく置き型が一般的でした。

もちろんガスコックや配管もキッチン内部ではなく外に出たままになっていました。

ビルトインする機器が少ない時代には、キッチンの奥行は600ミリが一般的。

幅も1800ミリから2100ミリ、といったところが中心でした。

その後はシステムキッチンが主流になり、ビルトインする機器も増えていくと幅は2250~2550、2700ミリのものも増え、ガスのコック、IHの電源なども本体内部に設けるようになったことで奥行は650ミリが通常となります。

高さも、以前のものより高く作業のしやすい850ミリが主流となり、体型などによって選ぶことができるようにもなっています。

キッチンのレイアウトやサイズも時代によって変化しています。

バリエーションが増えたことは、スペックとして表示される数値を以前よりもしっかり知っておく方が良い状況になったともいえます。

 

キッチンの基本形状は「I型」


 

 

キッチンのレイアウトバリエーションは大別すると「Ⅰ型」「Ⅱ型」「L型」「U型(コの字型)」「アイランド型」「ペニンシュラ型」となります。

この中で基本となるのはⅠ型です。

Ⅰ型はいわゆる直線形状のもの。

壁に向かって取り付けられたものがこれに当たります。

このⅠ型が対面型になり熱源(ガス、IH)が壁付けになったものがペニンシュラ型、独立したものはアイランド型と呼びます。

熱源(ガス、IH)、調理台、シンクが一列になっているので作業をしやすいのが特徴です。

シンプルな形状ですので間取りを検討する際にも取り入れやすいものといえます。

大抵の場合、幅は2250ミリ・2400ミリ・2550ミリ・2700ミリ…、と150ミリ刻みをベースに展開されています。

この150ミリのピッチ(間隔)はビルトイン機器との調整が行いやすく、また土台となる本体の製作においても材料の取り合いが良いものとされています。

また、間取りの基本モジュールとも相性が良いので、キッチン以外のスペースも無駄のないLDKを計画できます。

キッチンは以前のように設備重視ではなく、設備としての基本性能を持ち合わせた家具として捉えられています。

キッチンも家具のひとつとして考え、サイズ等を検討し、LDの家具とのコーディネートを考えていきましょう。

 

Ⅱ型キッチンの特徴は


 

一方、間取りの制限・使い方、あるいは嗜好によりⅡ型、L型、U型(コの字型)のレイアウトになる場合もあります。

こちらも基本は150ミリピッチで検討します。

ただ、間取りとの兼ね合いで多少の幅調整を行うことが多いレイアウトでもあります。

Ⅱ型キッチンはアラビア数字の「Ⅱ」のように、熱源(ガス、IH)、調理台、シンクが2列に分かれているタイプです。

Ⅰ型よりも動線が短くなることが多いタイプとなります。

壁側に熱源(ガス、IH)と調理台を設置、ダイニング側にシンクと調理台を設置するレイアウトが一般的です。

以前は狭いスペースを有効活用するために多用されていましたが、最近は大空間のキッチンでも採用されることが多くなりました。

 

L型キッチン・U型キッチンのメリットと気を付けること


 

 

L型キッチンはアルファベットの「Ⅼ」のように、熱源(ガス、IH)、調理台、シンクを配列したものです。

動線が短いので効率的で、キッチンに2人で立ってもゆったり作業ができるうえにコーナー部分も作業スペースとして有効に使うことができます。

U型キッチンはカタカナの「コ」(アルファベットのU)のように熱源(ガス、IH)、調理台、シンクを配列したもの。

作業のしやすさ、収納スペースの確保ができることで機能的なタイプとなります。

しかしコーナーが2つとなることは、L型キッチンと同じ問題が発生することとなります。

こちらの下部はオープン棚にしてごみ箱やストック物の収納として活かすことをお勧めします。

 

調理スペースの確保に必要な数値


 

 

キッチンの前に立って両手を左右に伸ばし、それがシンクの中心線と熱源の中心線に納まると、効率的な作業が可能になります。

例えば身長160センチの場合、シンクと熱源に挟まれた調理スペースは約90センチ程度となります。

これ以上であっても不便ということではないのですが、「余分な一歩」が無い適切な寸法といえます。

反対にこのスペースが狭くなったとしても、75センチほどは確保したいものです。

これはキッチンの平行移動についての数値ですが、これに冷蔵庫の開閉を加えた作業性も大切です。

 

ワークトライアングルを明確に


 

 

この動きやすさのポイントになるのが「ワークトライアングル」です。

どこかで聞いたことがあるかもしれません。

キッチンの作業の流れは①冷蔵庫→②シンク→③熱源の順番で進みます。

この3点を結んだ三角形のことを「ワークトライアングル」と呼びます。

理想的な距離は3辺の合計が3200ミリ~6000ミリ、というのが目安です。

主に一人で作業する場合、キッチンと背面にある収納との距離は800ミリ、2人以上の場合は1200ミリが理想です。

しかし、常時2人で作業ということでなければ、800~900ミリを目安にします。

現状でこの通路幅は確保できているのに使いづらいという場合は、この動線に物が溢れていることが多く見受けられます。

作業の流れに沿って調理用具や小物を適材適所に収納すること、余分なものは置き場所を変えるなどの工夫も大切です。

 

ワークトップの奥行き


 

 

ワークトップの奥行は650ミリが主流です。

対面キッチンが多い現代の住まいにおいては、この奥行が700~800ミリ、あるいはそれ以上のタイプも増えてきています。

奥行きが拡がると調理スペースの確保や配膳がしやすくなります。

カウンターをダイニング側に伸ばして、その下部に収納を設けると、LD部の収納性も高まります。

 

何事もそうですが、基本のサイズを知ることで無駄のない、使いやすいキッチンとなります。

現代において、LDKは言うまでも無く住まいの中心となる場所です。

特にここ1~2年は在宅時間の増加もあって、今まで以上に長時間を過ごす場所になっています。

住まいで快適に過ごしたい、という思いは誰にとっても共通なもの。

キッチンのスタイルは様々ですが、キッチンから暮らしを考えて快適なLDK空間を実現したいものです。

プランのお悩みなどは最寄りの家具蔵各店、もしくはキッチンスタジオまで、お問い合わせ下さい。

 

家具蔵の無垢材オーダーキッチンの情報はこちらから

 

 

 

 


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