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一枚板に「白太(しらた)」は無ければいけないのか

2022.4.9

 

 

「白太」とは


 

 

「白太(しらた)」という言葉。

一枚板天板、一枚板テーブル、あるいは無垢材テーブルをお探しの経験がある人でしたら、もしかしたら聞いたことがあるかもしれません。

実はこの言葉は、木材を扱ううえでの「業界用語」ともいえる言葉のひとつです。

自然形状の一枚板天板や無垢材テーブルを検討する際に、かなり高い確率で耳にする言葉でもあり、その言葉や何故それが有るのか(無いのか)を事前に知っておくことで天板やテーブルの選び方にも幅が出てきます。

 

 

「白太の有無」は「好みの基準」となる


 

 

その有無や大小が全体の見た目や印象に大きく影響することで、一枚板天板のような自然形状のテーブルを検討するうえではひとつの「基準」にもなりえるものです。

「白太が有る(無い)から良いもの」「白太が無い(有る)から良くないもの」ということではなく、その入り方が天板を選ぶうえで個々の選択基準、つまり好みの差になります。

この「白太」、なぜ出てくるのでしょう?

 

「白太」は「木の一番若い部分」


 

 

非常に簡単に言うのであれば「白太」は「木の一番若い部分」です。

白太は木の幹の一番外側にある部分です。

木の外側、つまり樹皮に近い周辺部にあり、「心材」に比べて淡い色をしています。

辺材、白材(はくざい)とも言われます。

 

「白太」のメカニズムと役割は


 

 

木の切り株などの木を輪切りにした断面図をイメージすると分かりやすいでしょう。

いわゆる「年輪」は、バームクーヘンのように何重にも円形を描いている模様です。

この層は木がどれだけ生きてきたかを表す成長の跡、というのは皆さんご存知のことでしょう。

その年輪が色濃く出ている部分の色味はどうでしょうか?

多くの木では中心部分は色が濃く、周辺部分になると色が淡く(薄く)なっています。

この中心部分の色の濃い部分を「心材」または「赤身」と呼びます。

そして、周辺部分の色が淡い部分のことを「辺材」または「白太(しらた)」と呼ぶのです。

この心材と白太の特徴の違いは、成長の度合いを示しています。

心材の部分は、生理活動の減った細胞の集まりで、いわば木の成熟した部分です。

主な役割は、たいへんな自重となる幹全体を支えることです。

一方で白太は心材の外側に位置する、樹皮との間にある成長する生理活動中の細胞が集合した組織であり、その役割は水分や栄養分を運ぶこと。

一本の木の中では樹液が多く、若く初々しい状態と言えます。

心材の部分を木の「骨」とするなら、白太は血管に相当する部分と言って良いでしょう。

心材と白太の色味の違いは、木の種類や木が育つ環境により、明瞭なものもあれば不明瞭なものもあります。

ウォールナットやケヤキのような心材に明らかな濃い色味があるものはその差が非常に明瞭です。

反対にナラやハードメープルのような淡い心材を持つ木、「白木」と呼ばれるものはその差が不明瞭なこともありますが、白太が無いということではありません。

なお、一般的に大木になればなるほど、成長が緩やかになり白太の部分は少なくなっていくものでもあります。

 

白太がある一枚板は希少か


 

 

家具として使用できるように木材の状態で乾燥を掛けることでこの白太が無くなってしまうこともあります。

この白太の有無、あるいはその大きさは特に一枚板天板などの「耳付き」テーブルにおいては、それがデザインの一部として選択肢の基準になることがありますが、その点では白太が残っているものはそうでないものと比べて希少であるという見方もできます。

白太の部分は樹液や栄養分が多分に含まれているため、虫喰いの影響から使用できない部分となることもあります。

無理に残してテーブルとなった後に影響しては問題ですので、そのような場合であれば白太が無い方が良いこともあるでしょう。

 

トータルの美しさで一枚板天板を判断する


 

 

現に、自然形状の耳付きテーブルや一枚板を探している人でも「白太無し」というもののほうがスッキリして見えてよい、という人もいます。

これはあくまで価値観であり、その一枚板天板や耳付きテーブルに何を求めるか、という点に関わります。

「無いからダメ」「有るから良い」ではなく、トータルで見てどのようなものを美しく感じるか、そしてその工程はどのように行われたうえでその天板となっているのか、ということをよく聞いて理解し、自分が美しいと思うものを選ぶことが一番ではないかと考えます。

 

一枚板天板や耳付き無垢材テーブルの耳を残す作業は多くの場合で手作業となります。

機械で自然にあるがままの形状を完璧に活かすのは現実的にかなり難易度が高く、場合によっては白太の部分も大きく損なう可能性があります。

いわば重労働であり、手間暇がかかる作業です。

しかしながらこの「耳」のゆらぎ部分は見ていても触っても、非常に癒しの効果を生むものとなります。

「自然の形状だから、ついつい触れたくなってしまう」

「気づいたら、木の形状に沿うように触っている」

と言うお客様が実に多くいます。

温かみや自然素材の良さを生かす一枚板天板や耳付きテーブル。

白太の有無だけでは測りきれない、その「良さ」を家具蔵各店で実際に「触れて」「見て」「試して」みてください。

 

家具蔵の無垢材一枚板の詳細はこちらから

 

家具蔵の「無垢材テーブルヴィンテージ」はこちらから

 

 

 


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