キッチンボードをオーダーでつくることで生まれる違いとは?
2021.5.21
依然続くコロナ禍のなかで、住まいの見直しを考える人は大きく増えています。
リフォームや引っ越しといった大掛かりなものから、今ある家具の買替えなど、長い時間を過ごす自宅という場所をいかに快適に過ごすか、という点が以前より格段に注目されているのです。
特に私たち家具蔵においても、キッチンやキッチン収納についての相談を受けることが多くなってきています。
家族の在宅時間が増える=キッチンに立つ時間が増える=今までの不満や新たな要望が生まれてくる=変えたい、となるのは当然の流れでしょう。
キッチン本体を変更するのはコストも時間も掛かります。
ですが、キッチンには付き物である「バックセット」、つまり背面収納をリニューアルさせるだけでも、日々の作業の快適性や心地の良さは格段に上がります。
今回はそんなキッチンの背面収納、すなわちキッチンボードをオーダーメイドで製作する際に注目する点についてお話していきます。
収納家具は自分の事情に合ったものが良い
キッチンボードに限らず、家具というのは総じて「道具」です。
テーブルは食事や作業を行うため、ソファはくつろぐため。
収納家具はその名の通り、モノを収納しておくためのものです。
そんな「モノを仕舞う」「モノを取り出す」行為における事情は一人ひとり異なります。
であれば、自分のしたいこと・欲しい機能が備わった収納があれば、インテリアとしてだけでなく、愛用の「道具」として、その価値も高まるというものです。
せっかく検討しているのだから、自宅に、自分に一番合うものが欲しい。
それは皆が共通して考えること。
そして、インターネットや雑誌、または足を使って自分のニーズに合致したものを探すのです。
既製品を購入して起こること①
とはいえ、1から10まで自分のニーズに合ったものはいわゆる既製品ではなかなか見つかりません。
家具店やカタログに在庫されているものは、おおよそのデータをもとに規格化されているからです。
こうしたものは、一定のベースを元に大量生産されます。
この「おおよそのデータ」とは、多くの人が求める「であろう」ものです。
その規格が自身に丁度良い場合もあります。
しかし「たくさんつくり効率よく流通させる」ことが大きな目的である大量生産の規格品では「ここは良いけど、あそこが合わない」ということは大いにありえます。
保管してある在庫から購入するので、実際使うことができるまでがスピーディーということはメリットですが、そうしたものは日常に少しずつのストレスを生み出します。
そのことが冒頭でお話しした「ある時に気になる不満」へと繋がり、結局は同じことの繰り返し=買い替えとなるのです。
既製品を購入して起こること②
また、大量に生産される、ということはコストを減らし、より多くの利益を求めることに繋がります。
企業やメーカーが求めるものが利益である以上、それは間違いではありません(昨今のサステナブル社会の浸透においてはまた違った価値観が育っていますが)。
そこで起こることは表面的には綺麗に仕上がっていても、長年の使用の中で耐久性に難があるものが増える、ということです。
メラミン板や「木質系加工材料」と呼ばれる人工的な素材は、安価で大量に製造することができます。
しかし傷がつくと内部の異素材が露出したり、表面に張り付けたシートが剥がれていくなどの劣化が起こることは否めません。
また、いわゆる「見え難い部分」で製造のコストを抑えることもあります。
具体的には引出し内の内部材やレール、通常はあまり見ない背面部などを簡素にすることでコスト自体も下がるようにすることが挙げられます。
その反動は結果として耐久性に現れます。
そして、そうしたものが意外と多いのが今回のテーマであるキッチンボードなのです。
頻繁な買い替えを避けるためには
キッチンボードはほぼ例外なく、ある程度のボリュームを持った家具になります。
そんな家具を頻繁に買い替えることはできれば避けたいものです。
買い替えを避けるには、まず「自身に合った使い勝手を追求する」ことが大事です。
そして、そのうえで耐久性のある素材、つくりのものを選ぶこと。
使い勝手が良く、丈夫であれば、長く使える「道具」としても高い満足度を得ることができるでしょう。
だからオーダーでキッチンボードをつくる
そこでオーダーメイド、という選択肢が出てきます。
「オーダー」=「注文」家具ですので、自分の好みや事情に応じたものが手に入ります。
サイズ・引出や扉の大きさや位置、取っ手などの細かい位置など多くの要素が自分の思い通りになることで充実した収納計画、キッチンライフを実現することができます。
普段使いにストレスが無いことは、実現してみると「こんなに違うものか」と驚くことでしょう。
逆に言えば、いかに日常の作業に「まあいいか」という妥協や慣れがあったかということです。
使い勝手にストレスの無いものを使う日々は間違いなく「質の高い」日常です。
そのことが家での時間をより充実したものとしてくれます。
無垢材でキッチンボードをつくる
もうひとつ、長い間満足感を持って使用するにはすぐに傷みが出てしまってはいけません。
使い込むごとに味が出て、仮に傷が付いても修復できる、そんな素材で作ってあることが理想です。
そんな素材あるの?と思われるかもしれません。
無着色の無垢材は、まさしく「そんな素材」です。
強度に定評のある広葉樹から採った厚みのある材を、職人が手仕事で組み上げ無着色で仕上げたものは長く使用することで風格と味が増し、壊れにくいものとなります。
表面が剥がれてくる、といった傷みにも無縁です。
家具蔵ではこうしたキッチンボードを自社製作にてご案内しています。
豊富なサイズ展開とセミオーダーのバリエーション、そして自由設計も可能な柔軟性で理想のキッチン収納を実現。
「オーダーメイド」ですから、その打ち合わせに数回の時間を要することもあります。
ただ、その時間も「自分も家具作りに参加した」という愛着を生む一因になることは間違いありません。
自分が手間暇かけたモノを日々の中で使用していく。
モノに対して「愛着」を感じるものは、こういった「ストーリーを持った」オーダー品から生まれるのではないでしょうか。
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