チェストとリビングボードの違いとは?
2021.5.14
「チェスト」と「リビングボード」。
どちらも共通の要素があるため、同じような家具として認識している人もいるかもしれません。
普段の暮らしではその違いで困ることはないかもしれませんが、これから新規で家具、それも収納家具を検討している、という人の場合は、家具店で自身の要望などをスムーズに伝えるためにも、その違いを知っておいた方がベターです。
今回は「チェスト」と「リビングボード」、その両者にどのような違いがあるか、どういった役割の収納なのかを見ていきます。
チェストとはどんな家具か
「チェスト」とは引き出しのみで構成されている収納のことを指します。
日本では洋服を入れる場合には「整理箪笥」などと呼ばれている家具のことです。
もともとは中世ヨーロッパで使われていた長方形をした蓋付きの箱が「チェスト」と呼ばれ、それが由来です。
また、高さや形状によって「ローチェスト」「ハイチェスト」などのバリエーションを見ることができます。
ローチェストは、チェストにおいては最も主流なタイプです。
幅が80~100センチ程、高さは70~90センチ程の腰高のものがそれに当たります。
洋服や下着、タオルなどを入れておくことが多いので寝室などに置くことが多いですが、身の回りのものや食器などを収納するためにリビングダイニングや書斎に置くなど、その配置する場所も多様です。
一方でハイチェストは主に寝室に置かれることが多いチェストです。
こちらも洋服などの収納が主になり、かさばるものが出しにくい上段部には下着・靴下・小物などを入れておきます。
少し前まで、結婚の際の「嫁入り道具」として、箪笥、つまりチェストは必需品でした。
「婚礼箪笥3点セット」といって、着物を入れるお盆付きの和箪笥、長い丈の上着などを掛ける洋服箪笥(ワードローブ)、靴下や下着の細かいものやセーターなどかさばるものをも入れる引き出し収納の整理箪笥の3点がセットになり、それを新居に持ち込み、長く愛用していた時代がありました。
現代では着物を着る人が少なく和箪笥の必要性が無かったり、洋服を掛ける場所は備え付きのクローゼットがあるのでワードローブが不要であったり、ということでこの「3点セット」の文化も徐々に珍しいものになっています。
リビングボードとはどんな家具か
ローボード、サイドボードなど様々な呼称があるのがリビングボードです。
聞こえそのまま、まさしくリビング空間に置くことを目的としたものですが、その内容は多岐にわたります。
それはデザインや仕様によるもので、「引き出し+扉(モノが隠れる)」「引き出し+扉(ガラスなどで中身を見せる)「扉のみ」と、その仕様が変わることで用途もまた変わります。
大きな意味で言えば、例えば高さ130~140cm程度の「ミドルボード」などもリビングボードの範疇に入りますが、多くの場合、仕様の違いはあれど腰高のものが「リビングボード」と呼ばれることが多くなります。
リビングボードの重要性は家具店などで特に大きく伝えられます。
総高が腰の高さであることはものが飾りやすく、且つ収納性が充実したものは日常よく使うものを仕分けして収納することが可能です。
特にダイニングテーブルの周辺にレイアウトすることで、テーブルの上や周囲が片付けやすくなり、美しく、すっきりしたダイニングゾーンが出来上がります。
仕分ける・仕舞う・飾る・見せるといった要素を兼ね備えたリビングボードは、収納事情に悩みがおおくなりがちな集合住宅はもちろん、比較的収納が充実する戸建てにおいてもたいへん役に立つ家具のひとつとなっています。
どんな基準を持って選ぶのか
チェストをリビングダイニングに置くのも、リビングボードを寝室に置くのも、特にそこに制限はありません。
自分にとって使いやすいものが使いやすい場所にあること、それが一番重要です。
この「使いやすいもの」の基準となるのが「どんなものを仕舞うのか」「どれだけ仕舞うのか」という点です。
例えば一言でローチェストといっても、引き出しの深さはモノによって異なります。
均等割りのものや浅い+深い、の組み合わせのものもあるでしょう。
リビングボードについても、小物をどの程度仕舞うのか、家族で使うものは分けるのか・一緒にするのか、ファイルなどを扉内に収納するとして、入れたいものがしっかり収まるか、という点をしっかりと考えて選ばなければいけません。
結果として、チェストが寝室以外の場所にあっても問題はなく、リビングボードが書斎にあることも、いわば必然といえるのです。
自分の事情に合ったものをプロの手で
こうして考えていくと「あれも入れたいし、これも入れたいし…」「これはどこに仕舞えばいいの?」といった迷いも出てきます。
そんな時には家具店に相談です。
一人ひとり違うニーズをしっかりと受け止めて、形状・仕様・配置の場所までベストなアドバイスがしてもらえます。
そのうえで、既製品や在庫されているものではどうしても要望が満たせないものもあるでしょう。
そこで「オーダー家具」という選択肢が出てきます。
引き出しの深さや位置を収納事情に合わせて変える、扉の組み合わせを自分好みに仕立てる、空いているスペースにぴったりのものをレイアウトする…。
オーダー家具は、その名の通り、一人ひとりの要望を叶えるものです。
そして、それぞれが持つ事情を考慮し、それに合ったものが手に入ります。
家具蔵でも、チェスト・リビングボードをはじめとした収納家具をオーダーメイドで手掛けています。
自分に合った収納家具で、心地よく、使い勝手の良い暮らしを楽しんでみませんか?
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