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「テーブル ヴィンテージ」が出来るまで その2

2020.1.16

 

「テーブルヴィンテージが出来るまで その1」では、一本の原木との出会いから始まり、製材から天然乾燥・人工乾燥までの工程をご紹介してきました。

今回の「その2」では、その先の木取りから無垢材テーブルヴィンテージとして、展示されるまでの工程をご紹介していきましょう。

 

熟練の目が光る木取り


一本の原木から製材して桟済みをして天然乾燥を終えた板を一枚、一枚に並べるところから木取りが始まります。

まずは、無垢材テーブルとしてお客様宅にお届けした後に将来のリスクとなる部分が無いか隈なくチェックします。

熟練の職人は、将来のリスクになりかねない部分を避けながらも無駄が出ないように木取りします。

木目もデザインの一つとする中で、完成品の姿を頭に描きながら木取りを行います。

木取りでは、木の生育や形を見て、椅子の部材や無垢材ボード・無垢材ソファ・無垢材ベッド・無垢材デスクなど適材適所を見極めながら一本の原木からいろいろな材料を採ります。

そのような中で、同じ原木から奇跡的に幅が広く採れる板だけを選定し、無垢材テーブルヴィンテージ製作用として活かされます。

 

ブックマッチ木取り


通称ブックマッチは、同じ原木から製材された上下2枚の板を表裏互い違いにして接ぎ合せることです。

木目をシンメトリーで合わせることで、その表情をデザインの一つとして表現することが出来ます。

ブックマッチの魅力は、均整のとれた美しさにあります。

無垢材ブックマッチテーブルにするには、1本の原木から2枚の幅広材が確保されなければ叶いません。

もし、製材された際に隣り合わせだったペアのどちらかに、少しでも問題点が見つかれば、その部分を避けた内側でテーブル用の天板として仕上げることになります。

ペアの条件が揃わなければ、作ることができないのがこの無垢材ブックマッチテーブルです。

一部では、木目が左右合っていなくても、隣り合わせの2枚を用いたということだけでブックマッチと表記しているところもある様で、それだけシンメトリーに木目を合わせることは希少なことなのです。

無垢材テーブルヴィンテージの木取りは木合わせの繊細な感性や接ぎの技術など、高度な職人技が要求されるのです。

 

こだわりのつくり


1.フィンガージョイント

木取りを終えパートナーを得た板は、フィンガージョイントという木組の技法を使って接合して天板になります。

これは板同士の接合部分をそれぞれ指状に削り出し、互いに組み合わせる方法です。

この削り出しをするためには片側約10mm=左右で20mmの材を余分に必要とするため、同サイズのテーブルを製作するに、平面な木端同士を接ぎ合わせるよりも材料を多く必要とします。

この手法では接合面積を平面で接ぎ合わせた際と比べ約2倍とし、抜群の強度を持つものとなります。

上からの加重やパーツのズレ、段差を防いでくれるこの技術、家具蔵のそれは他と比べてもより深いものであり、それは実際の大きさよりも大きなテーブルを製作していることに他なりません。

これを板の厚みとフィンガージョイントにする「材の容積」と「それに対する価格」という視点で比較した際に、同程度のサイズを持つ他メーカーの各テーブルと比べておおよそ150%の違いがあります。

使用する材料の量(もっと言えばフィンガージョイントの部分まで木目や木色を揃えるという手間暇まで)が多いにも関わらず、家具蔵の価格が低価格設定であることがわかります。

2.全面塗装

天板の保護と安定に欠かせないのが、塗装です。

木の状態を長く安定したものにするための塗装は、家具蔵オリジナルのもので木の質感を最大限に活かしながら、専門の職人が手仕上げで行っております。

その塗装は、天板の表面だけではなく、裏面も木口面も木端面も6面全てに施しています。

これは、木の家具をより長く愛着を持ってお使いいただきたいという職人たちの想いの現れといえます。

 

「木の生き様」が伝わる木目の表情


無着色クリア塗装で仕上げた木目からは、この木の生き様が伝わってきます。

天板には、年輪の模様による木目と、その木の成長の仕方や育った環境や微生物との反応など、その理由は様々ですが樹齢100年を超える大木には天板面に個性的な杢目が現れます。

その杢目からは、

「この木はどんな生き方をしてきたのか?」

「苦労を背負いながら生きてきたのか?」

「この木が育った場所はどんな所だったのか?」

などなど、想像力をかき立てられます。

みなさんも、一点一点すべて表情が違う天板を見て、いろんなことを想像してみてください。

そうすると、この天板の森の中での様子が頭に浮かんできますので、それだけでも森林浴をしたような心地よさが味わえます。

 

生活の道具に相応しい整った形


一部では、一枚板だから希少価値があるということで、いびつな形状のままでもテーブル用天板として販売されていることがあります。

しかし家具蔵の職人には、家具は生活の道具として役に立つものでなければならないというポリシーがあります。

使いにくかったり、掃除が大変になってしまったりしないように。

家具蔵では、一枚一枚形の異なる自然形状の耳にすること、共木で作り上げることで、一枚板の魅力も持ちつつ、出来る限り使い勝手良い長方形に近い形状に作り上げることで、生活の道具として役に立てるようにしています。

 

木が見せてくれる生き様を日々感じることが出来て、住空間の中でも自然を意識することができて、自然形状の木のぬくもりを感じていただける無垢材テーブルを作りたい。

そういう願いのもと、原木の買い付けから製材立ち会い・乾燥・木取り・製作・販売まで自社で一貫して行ってきました。

この無垢材テーブルヴィンテージが暮らしに豊かさをもたらしてくれるものになり、大人にも子供にも世代を問わず、木の優しさを感じて笑顔になっていただける存在になることを願って、作り続けています。

無垢材家具ヴィンテージの天板は、家具蔵全店でご覧いただけますので、身近な自然と触れ合っていただければ幸いです。

 

無垢材テーブルヴィンテージを含む事例集はこちらから

「テーブルヴィンテージが出来るまで その1」はこちらから

 

 

 

 

 


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