無垢材でつくる「暖かい」空間
2021.11.22
目次
木は、地球が育んだ大自然の象徴。
太古の昔から、何億年という時間をかけて進化を遂げてきました。
人類はその誕生以来、衣・食・住と様々な場面において木の恩恵を受けており、人類にとって木はまさにパートナーとでも言うべき、かけがえのない存在ではないでしょうか。
このように、木と人類の歴史を振り返ると暮らしの中に木を取り入れることは、むしろ自然なことのように思えてきます。
今回のコラムでは、そんな本物の木を使った無垢材家具を取り入れることで、どのような空間が生まれるのかをご紹介していきたいと思います。
無垢材とは?
無垢材とは、山や森で育った1本の原木から切り出した木材の事です。
今、世の中には「木質材料」と呼ばれる、合板や集成材なども多く出回っていますが、無垢材は化学物質を含まない自然素材として、注目されています。
無垢材の特徴としては、まず断熱性に優れているため触れることで感じる温かさがあります。
また、木の多孔質が湿度を調整し、木の香り成分にはアレルギーの原因となるダニやカビの繁殖を抑える働きがあり、快適な住環境をサポートしてくれます。
最後に、無垢材は視覚的にも優しさをもたらし、木目の模様や木肌の色の濃淡に1/fゆらぎと呼ばれる動きのパターンがあり、これが目に心地よい刺激を与えリラックスさせてくれます。
日本人の暮らしと木とのかかわり
木のかたわらに人という字を添えて、「休」と書きます。
このような感じの成り立ちにも表現されているように、暮らしの中に木の恵みを取り入れる事で、人は想像以上の安らぎと暖かさを感じることが出来ます。
森林が国土の3分の2を占める日本では、古来、木は人に身近な存在であり、先人たちは木から様々な恩恵を受けてきました。
例えば、日本を代表する銘木ケヤキは、その語源を「けやけき(際立った)木」とする説があるように、神社や仏閣の建築材、住宅の建具や床柱などに使われる「特別な木」として珍重されてきました。
様々な工業材料が誕生し、素材選びの選択肢が格段に増えた現代においても、木は私たちの暮らしの中のあらゆる場面で使われ続けています。
特に近年は、健康への配慮から住宅建築における自然素材の需要が高まっており、構造材はもちろん、床や壁などの内装材、建具、窓枠にさえも無垢材が好んで使われています。
昔も今も、私たちの潜在意識の中には木を慕い、そこに身を委ねたいという思いが変わることなく生き続けています。
「木の文化」を心の拠り所にしてきた日本人の暮らし。
どんなに時代が変わっても、私たちの心の中から木への愛着や信頼感を消し去ることはできないのです。
木質系材料と無垢材の違いとは?
かつて、無垢の木材が「時代遅れの素材」と思われていた頃、木の新しい技術で加工し、工業材料のレベルに近づける事が「進歩」とされていました。
その結果、エンジニアリングウッドと称する木質系材料が続々と誕生しました。
エンジニアリングウッドは大量供給に応じることのできる新建材として、大いに役立てられてきました。
しかし、一方で、このような木質系材料の登場により、あらためて無垢の木材のすばらしさが見直されるようになったのは、当然のことかもしれません。
木を構成する細胞の一つひとつは、寒い土地では寒さに耐えるように、雨の多い土地では湿気に強いように、絶妙な仕組みに作られています。
それは人間の知恵など到底及ばない、生命の神秘といえるものでしょう。
近年、昔ながらの木の住まいが人気を集めているのは、木の細胞に備わったそれらの特性が、快適な住み心地をもたらせてくれるということに、多くの人が気付きはじめたから。
そして同じく生き物である木で構成された空間は、私たちに深い安らぎと暖かさを与えてくれるはずです。
気質系材料と無垢の木材、その違いを、私たちは生き物としての根源的な感覚で知っているのです。
それでは実際に、無垢材家具を取り入れた空間をご紹介いたします。
無垢材の空間 ~ウォールナット~
落ち着いた色合いと木目が、重厚さと独特な気品を醸し出しているウォールナット。
黒く輝く褐色の材面は、磨き上げられた宝石のようです。
クラシカルなテイストはもちろん、モダンな雰囲気のインテリアとも見事に調和します。
無垢材の空間 ~チェリー~
都心の喧騒から離れて過ごす家族とのセカンドハウス。
木々に囲まれたその場所は、窓から入る日差しがチェリー材の家具たちを包み込み、大自然のやさしさを感じさせてくれます。
無垢材の空間 ~ハードメープル~
ブリックタイルの壁面が、ぬくもりを感じさせるリビングダイニング。
そこにハードメープル材の家具が持つ清らかな素材感が加わることで、辺りは安らぎに満ちた空間に包まれます。
ナチュラルな素材で統一された空間は、住む人の心をやさしく癒してくれます。
無垢材の空間 ~ナラ~
無垢の自然素材をふんだんに使った、こだわりのリビング。
その中心にあって「主役」としての存在感を漂わせているのが、ナラの大木から伐り出したテーブル。
板目材ならではの力強く美しい木目が、寛ぎの空間に穏やかな雰囲気を醸し出しています。
無垢材の空間 ~タモ~
凛とした立ち姿をしのばせる木目が、空間を引き締めるタモ材の家具。
ダイニングに根を生やしたかのような堂々とした佇まいが、確固たる存在感を示しています。
どこか神秘的な力さえ感じさせる独特の木肌は、自然に触れる喜びや安心感をも与えてくれます。
木は人と同じように歳をとり、年月とともにその表情を変えながら、深い味わいを増してきます。
日々の暮らしの記憶も、やがてあちこちに刻まれ、「安らぎ」や「癒し」そしてその空間に「暖かさ」を与えてくれます。
家具蔵ではそんな無垢材家具を数多く展示しており、実際に肌で触れ、体感して頂くことができます。
お近くのショールームにて、本物の木の風合いやぬくもりを感じてみて下さい。
その他、魅力的な事例が満載の無垢材家具のある暮らしの事例はこちらから
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