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テーブルの脚を「ノックダウン」式にするということ

2019.9.12

ノックダウンとは


「ノックダウン」という言葉はご存知ですか?

例えば、テーブル等の家具をそのまま配送してしまうと

・嵩が大きくなる

・配送時に無駄なスペースが増え、輸送コストが高額になってしまう

・緩衝材が余計に必要になる

・傷がつきやすくなる

等の問題があります。

そこで天板と脚にわける事で

・嵩を小さく出来る

・配送時に無駄なスペースがなくなり、輸送コストを圧縮できる

・無駄な緩衝材等が不要になる

・傷がつきにくくなる

等のメリットが生まれます。

この様に部品を分けて配送し、現地で組み立てる方法を「ノックダウン」式といいます。

写真は家具蔵のノックダウン式のテーブルの天板と脚の部分です。

 

世界的に見た家具の大量生産に於けるノックダウンの歴史


そもそも、私たちが現在使っているテーブルや椅子の歴史はヨーロッパから伝わったものです。

近代以前、そもそも家具は庶民が使用できるものではありませんでした。

王侯貴族だけが使用出来る特別なものだったのです。

しかし産業革命により、庶民の所得が上がり生活が豊かになるにつれ、庶民階級へも家具が使用出来る家庭が増えてきました。

しかし、当初はいわゆるビクトリア調のような重厚で大きな家具しかありませんでした。

庶民の住まいは決して広くはありません。

家具より必要な「暮らしのスペース」をその家具により、圧迫された暮らしになってしまっていたのです。

家具職人たちも、個々の職人が材料の豊富な土地に工房を構え、言うなれば家庭内手工業のような形で家具の製作を行っていました。

その為、現代の規格品のようなものはなくすべてが特注品の受注生産だったのです。

そんな中、北欧のFDBモブラーなどをはじめとしたメーカーが

「機能的」「丈夫で美しい」「手頃な価格」

というコンセプトで、庶民の為の家具の製作をスタートします。

同時期にドイツではバウハウスで同じようなコンセプトのものづくりがスタートします。

この時期を境に、個々の職人が各自の工房で自分のデザインの家具を製作するのではなく、デザイナーがデザインを行い、職人が工場でそれを形にするという流れが生まれます。

そしてコストを抑える為に、ノックダウン式にデザインされた家具が世界を席巻していくのです。

こうして、中世の流れを汲んだ大きく、重厚感のある家具が近代的でコンパクト、そしてノックダウン式へ生まれ変わっていったのです。

 

日本の家具におけるノックダウンの歴史


日本では同潤会アパートなどの初期の集合住宅=文化住宅の広まりとともに、これまでの座卓・卓袱(ちゃぶ)台の生活から、テーブルと椅子の暮らしへの変革が進みました。

いわゆる卓袱台は食事が終われば脚をたたみ、その場所を寝室にする事も出来ます。

国土が狭い日本での住宅の歴史は、その間取りも横に広げる事は叶わず、コンパクトな間取りの中でどれだけスペースを有効に使えるのか、知恵を絞り続けた歴史でもあります。

江戸時代の長屋では、個々の持ち物は現代を比較すると本当に少ないものでした。

自分の食事セットの箱膳に、衣類などを入れる長持ちなど大八車で事足りたそうです。

また火事の多い街であった事から身一つで逃げられる様に、持ち物は少なかったと言われています。

現代と違い、引っ越し業者などは存在しません。

仮に生まれ育った土地を離れて、別の土地に行く場合、多くの人々は引っ越し先で古道具屋から家財品を購入し、引っ越しする時は売り払うようにしていたようです。

しかし現代では、住宅事情はより快適になり、私たちは座卓の暮らしからテーブル・椅子の暮らしへ変わりました。

戦後の急激な復興の中で、家具メーカーは工場を持ち、しっかりと管理された生産方法によって安定した製品を私たちに届けてくれる様になりました。

さらに時代は進み、ワークライフバランスが重要視され、猛烈に働く時代から、自宅で家族とくつろいだり趣味に時間をかける大切さが説かれるようになっています。

当初は機能・配送コストなどを重視した上でのノックダウン式でしたが、時代が流れ、現在はエコの視点からも、さらに重要度を増しているのです。

家具蔵のテーブルも基本的にノックダウン式を採用(固定式もあり)。

これにより、長い脚と短い脚の取り換えも可能です。

つまり、ライフスタイルや楽しみ方に応じてテーブルのスタイルを変更できるということ。

それによって多様な暮らしのスタイルを多くの方に楽しんでいただいています。

家具蔵のダイニングテーブルについてはこちらから

 

 


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