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サペリという木の特徴は

2019.7.14

 

皆さんは「サペリ」という木はご存知ですか?

あまり聞き馴染みのない木…?

なるほど、なるほど。

実はいま日本の家具業界でも大きく注目され、家具材として人気が高まっているアフリカ産の木です。

今回はサペリの知られざる特徴や魅力をまとめます。

 

サペリ材の魅力


そもそもサペリとはどんな木なのでしょうか。

科目:センダン科 Entandrophragma 属の広葉樹、環孔材

学名 : E.cylindricum Sprague

性質:木質はやや重硬で、木理は交錯し、両逆目部分は鉋掛けがやや困難

乾燥には長時間を要するが、乾燥後の狂いは少ない

気乾比重 : 0.65~0.66

産地:コンゴ・ウガンダ・コートジボアール・ガーナなどの赤道付近の熱帯雨林地域

 

木の分類としては日本にも多く自生している「センダン」という、ヒヨドリがよくとまっている木の仲間です。

サペリには多くの別名があります。

例えば、ユスサペリ・サペレウッド・サペリマホガニー・ボルネオカンファーウッド・ゴールドコーストシダー…、とざっと挙げただけでもこれだけあります。

日本のセンダンは樹高が5~15m、胸高直径が0.5m程なのに対して、サペリは巨木になることもしばしばです。

樹高40~60m、胸高直径1~1.5m程にもなります。

ちなみに樹高40~60mは、建物に例えると15~20階建の建築物に相当します。

とてつもない大きさに育つ木だということが分かります。

熱帯雨林の中で一際大きく葉を茂らせている木があれば、それはサペリである可能性が高いのです。

 

サペリとマホガニー


そんな熱帯雨林の中でも大きな存在感を放つサペリですが、何故家具業界で注目されることになったのでしょうか。

主な理由はまず、「世界的銘木であるマホガニーと似た色調と木目を持つ」ことでしょう。

世界的にも有名な木で「マホガニー」という木があります。

ギターやバイオリン等の楽器やアンティーク家具等に興味のある方はご存知かもしれません。

非常に木目が美しく、光沢があり、色調としては辺材が灰白色・心材は橙褐色または紅褐色で、経年変化で使い込むほどに深い濃暗赤褐色に美しく表情を変えていきます。

キューバやホンジュラスが主な産地であり、なかでも「ホンジュラスマホガニー」は世界屈指の銘木です。

その人気から非常に手に入りにくいものとなったマホガニーですが、それが中南米から遠く海を隔てたアフリカに分布するサペリに注目を集めることとなりました。

サペリにはマホガニーと同じように光沢のあるストライプ状の木目が出ることがあります。

これを「リボン杢」といいます。

(「リボン杢」については後で詳しく解説します。とにかく美しい木目です)

また、色調もマホガニーとよく似ていて、橙褐色または紅褐色と表現されます。

使い込むほどに深い赤褐色に変化していくのはさながらマホガニー。

「サペリマホガニー」という異称も納得です。

 

楽器としても愛されるサペリ材


マホガニーはギターのバック・サイド材としても有名です。

その味のあるルックスとサウンドでトップ板に使われることもあります。

音量的には「アディロンダックスプルーストップ」といわれるものに一歩ゆずりますが、暖かみのあるウッディなサウンドが魅力的です。

豪華ではありませんが、ホっとする音色が出るのです。

しかし、マホガニーは入手が困難…。

そのため、マホガニーを使用したギターはその希少価値から価格が高騰しています。

そんな中、サペリが楽器材として注目されるのは木目や色味だけにとどまらず、マホガニーに音色も近いと言われているためです。

木材の密度や重さを量る基準に「気乾比重」という数値があります。

これは、乾燥させた木材と同じ体積の水とを比較した数値です。
数値が1に近づくほど密度が高く硬い木材であり、高密度な木材は水に沈むようになります。
マホガニーと同じくギターの材料に良く使われるメープルの場合、気乾比重は0.7程度。

世界で一番軽い木とも形容されるバルサの気乾比重は、0.15~0.2程度です。

お互いを比較するとメープルはより硬く重い木材である事が分かります。
他にもギター材として有名な木材の気乾比重を例に出してみると、ローズウッド0.75~0.85、マホガニー0.65、ホワイトアッシュ0.6、アルダー0.4~0.5、バスウッド0.4等、様々です。

サペリの気管比重は0.65で、マホガニーとほぼ同じ値になります。

このことが音色を近いものにしている要因とされています。

見た目だけでなく、音もマホガニーに近いとのことから、マーチン、ギブソン、テイラー、ラリビー等有名なメーカーが使用している実績もあります。

その他、サペリはピアノやウクレレにも使用されていることから、家具材だけでなく、楽器材としても人気があることが分かります。

 

家具材としてのサペリ材の魅力


欧米では中世からマホガニーを高級家具材として使用してきた歴史があります。

したがって、マホガニーが入手困難となった今、サペリに家具材としても注目が集まるのは、必然の流れと言えるでしょう。

家具材としてのサペリの特長として、「木目に魅力がある」ことが挙げられます。

どんなに見た目が美しくても、加工性に乏しいものでは高級家具材としては不向きです。

また、サペリにはストライプ状の濃淡がはっきりした非常に美しい木目があります。

それが先程出てきた「リボン杢」です。

リボン杢とは、「交錯木理(こうさもくり)」と呼ばれる現象によって現れる木目です。

木は基本的に時計回りか反時計回りにねじれながら成長します。

乾季や雨季の影響で周期的に回り方が反転する木が存在し、そのような木を製材することで順目と逆目が交互に縞模様になって現れます。

そこで濃淡のはっきりした直線的な木目が現れ、テーブルやその他の家具になった際に、照明や自然光でキラキラと美しく輝く表情を見せてくれます。

この独特の美しさを持つきらめきが、様々な表情を見せてくれて一生モノとして飽きない魅力となります。

楽器材・家具材としてだけでなく、今では床材やドア等の建築関係、ボートやスポーツ用品等、様々な場面で使用されてきています。

また、主に使用している国はアフリカからも地理的に近いヨーロッパの国々になることから、今後日本での希少価値は高まっていきます。

家具蔵では、そのようなサペリに数年前から目をつけて巨大な原木を仕入れてきました。今、そのサペリが長い乾燥を終えて、職人の力で素敵なテーブルやチェアへと昇華しています。

是非、実際の店舗で見て、触れて、サペリの魅力を味わってみて下さい。

 

家具蔵のサペリに関する詳しい情報はこちらから

サペリの一枚板テーブルの詳しいご紹介はこちらから

 


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