“サステナブルな”家具選びとは?
2024.11.16
最近の私たちの暮らしにもすっかり馴染んでいる「サステナブル」という言葉。
「持続可能な」という意味を持ち、地球環境や資源が適切に保全され、将来に渡って平和で豊かな生活が持続できる社会を指します。
持続可能な社会を目指す取り組みは世界各地で行われています。
日本でも2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにしようとする目標を掲げ、社会全体でサステナビリティを重視する方向に大きく転換しようとしています。
家具の製造や使用、廃棄に関しても持続可能な社会を目指すことは重視すべき取り組みの1つです。
また消費者の私たちがサステナブルな家具を選ぶことで環境への意識改革や、地球に優しいくらしの推進が実現します。
今回は家具が人々の暮らしに与える影響やエコロジーな素材を使用した家具についてお話していきましょう。
家具選びにおけるサステナブルとは?
家具を購入しようと思うとき、どのようなものを選べばよいか迷うことはないでしょうか。
一般的に色調やデザイン、サイズ、コストなどが重要な選定ポイントとなるはずです。
しかし現代社会において環境問題が重要視されるなかで私たち一人ひとりが環境意識を持ち、できるだけ長く使うことを考えること、すなわちエコロジカルな家具を選ぶことが求められています。
家具を買い換えるサイクルは人それぞれ異なりますが、一般的には10年前後と言われています。
理由のひとつとして家具に使用されることの多いパーティクルボードやプリント合板、突板合板などが10年ほどで傷みが出やすいという点が挙げられます。
パーティクルボードは木材チップを熱と接着剤によって固めて作られた素材で、通常リサイクルができません。
表面に木目などを印刷して作るプリント合板も、リサイクルするのは難しい材料です。
こうしたリサイクルができない材料の大半は廃棄され焼却処分となります。
この焼却時に二酸化炭素やダイオキシンなどが発生し、環境へ影響を及ぼします。
二酸化炭素の問題は、地球の温暖化を招く原因として随分前から注目されています。
ダイオキシンは食品や自然界にも微量に存在しているものであり、日常の暮らしの中で摂取するような僅かな量では健康被害が出ることはないと言われています。
ただし、焼却によって大量発生させることは決して好ましいことではありません。
環境への影響を考えれば、家具を買い換えるならリサイクルしやすいものが望ましいでしょう。
または、できるだけ長く使用できる質の良い材料や塗料を使用した家具を選ぶことが好ましいといえます。
人にも地球にも優しい無垢材家具
人にも地球にもやさしい材料に無垢材があります。
無垢材とは、伐り出された木材をそのまま使用したものです。
人工的に再現されたプリント合板とは違い、自然の木目はこの世に一つしかありません。
たとえ同じ木から切り出された木材であっても年輪の幅や色合いなどが微妙に違ってきます。
また、無垢材は木の種類によって色合いや手触り、硬さに違いがあり、自然の木ならではの風合いを楽しむこともできます。
そして、無垢材の最大のメリットはリサイクルしやすいという点にあります。
家具に使用される無垢材には様々なものがあります。
人体にも環境にもやさしいという条件で選ぶだけではなく、その木がどんな特性を持ち、どんな環境で育ったのか。
材について知識を深めていくと、さらに愛着が湧きより長く使えるのではないでしょうか。
それではどのような無垢材家具があるのか、その種類を見ていきましょう。
ウォールナット
深みのある色合いが印象的なウォールナット。
その実はクルミと呼ばれ古くから私たちの生活に馴染みの深い木です。
家具材で使用されるウォールナットは主に黒い樹皮を持つ北米産のブラックウォールナットが大半でありチークやマホガニーとともに世界三大銘木として知られる銘木でもあります。
美しい木目が、重厚さと独特の気品を醸し出すのも魅力の1つ。
インテリアとしては意匠性の高さから高級感ある空間へと誘ってくれます。
ナラ(オーク)
ナラ材は素朴で優しいナチュラルな雰囲気を持ち、決して他の家具の色味や内装とも反発せず、主張しすぎない色合いで同じブナ科のオーク材とともに家具材として良く扱われる樹種のひとつです。
寒冷地でじっくり年月をかけて成長するためキメが細かく、また世界中に数ある広葉樹の中でも特に重厚で硬く、密度も高いため、長年使用する家具材のみならずフローリング材としても適している素材です。
長く使うことができるものを求めることは耐久性に優れた材の特徴だけでなくこうした飽きの来ない自然な表情であることも大事なポイントのひとつです。
家具を選ぶ際に「資源を無駄に消費しない」「製造されたものを無駄に廃棄しない」という地球の未来を意識した選択によって自然や資源の保護・保全に貢献することができます。
次の家具を選ぶ時には、サステナブルな視点で家具を選んでみるのはいかがでしょうか。
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