暮らしを楽しむ舞台のような森を
眺めるオープンキッチン
vol.19 山梨県 村田邸
別荘地として知られる山梨県小淵沢。
爽やかな高原のメゾン(住まい)を求め、多くの人が都市部からやってきます。
そのなかで別荘としてではなく、 終の棲家と決めて移住した人たちは「永住組」と呼ばれているのですが、村田さんは「40年以上、海の近くで暮らしてきたので、 老後は山の中と決めていた」と定年まで数年を残して早々と小淵沢移住に取り組んだ、気合の入った永住組です。
当初、キッチンはステンレス製のシステムキッチンの予定でした。
ところが、椅子を見るつもりで立ち寄った家具蔵表参道店で、 無垢材キッチンの話を聞き、計画を大きく変更。
実は鎌倉の家も無垢材オーダーキッチンであったため、その良さはご存知でした。
そこに精緻な仕事とキメの細かい設計が加わることで、理想が実現できると感じたといいます。
熟考し練り上げたプランの大きな特徴は、その位置と向き。
ウッドデッキに面した吹き抜け空間の下、文字通り家のど真ん中にあり、正面は森。
「普通、オープンキッチンはリビングに向いているでしょ。 それがウチのは外に向いている。みなさん、こんなの見たことないって(笑)」。
他にも、奥さまの身長に合わせた無垢材吊り棚、計算された食洗機の配置、 十分な収納など、こだわりが形になりました。
「妻には苦労をかけたから、このキッチンだけはぜひ実現してあげたかった」というご主人のお言葉。
この住まいに満ちる温かさを何よりも表現しています。
奥様のごだわりがところどころに詰まったキッチンスペース。
奥のカウンターの向こうは玄関から続く広いリビングとなっており、キッチンとの一体感を演出。
庭に向いて設えた無垢材キッチンの堂々とした佇まい。
キッチンに居ながら大自然に触れることが出来る、まさに暮らしの中心です。
無垢材のウォールナットの深い色合いが空間を引き締めている。
キッチン隣は、キッチンと同じウォールナット材で統一したアトリエスペースに。
奥さまは鎌倉でも開いていたキルト教室をここで再開。
使い勝手にこだわった無垢材テーブル「テーブル ビオス」は大人数から少人数までフレキシブルに使うことが可能です。アトリエの壁にかかる大作は日本キルト大賞入賞作品。
会話もしながら楽しく調理は進みます。
「人が集まるキッチンに」というご夫婦の理想の空間が実現しました。
キッチン上部は吹き抜けの開放感のある空間。
梁や柱も、ウォールナット材の無垢材家具と相まって、空間の一部として見事に溶け込んでいます。
ご主人のおすすめは庭採れハーブの効いたシーフードパスタ。
その特別な自然や料理すること、食べることをとことん楽しんでいます。
奥様の身長に合わせた大容量の無垢材吊り棚。
その使い勝手だけでなく、白壁に映える無垢材のウォールナットの表情がキッチンと調和し、空間を彩っています。
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