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「『木』と暮らす心地よいインテリアを考える 第四回」

2016.8.21

皆さん、こんにちは。

8月も終わりに近づくなか、まだまだ続く暑さに加え、台風の情報も頻繁に耳にするようになってきました。

天候だけはどうにもならないものではありますが、身体の調子などもふまえつつ、上手く付き合っていきたいものですね。

 

「『木』と暮らす心地よいインテリアを考える」というタイトルで内容を進めてきましたが、今回で最終回となります。

前々回では、「雑木林から学ぶインテリアの要素」「自然の生態がつくった無理のない配置は、インテリアの配置計画に活用できる」という点について。

(詳細はhttp://kagura.sakura.ne.jp/kagura/old_img/blog/entry-000358.html

前回は「天然色の自然な交じり合いがインテリアの色彩計画のヒントになる」

http://kagura.sakura.ne.jp/kagura/old_img/blog/entry-000365.html

というお話を致しました。

 

今回は残る3つめの要素をご紹介します。

 

3.「自然界に存在する光の効果」→インテリアの照明計画

 

自然での光環境の変化や明暗のバランスを、光が人に与える心理的効果と特性を利用した空間づくりのテクニックに活かす。

 

暮らしを彩る照明を変える5つの考え方

 

照明は、インテリア計画の中で後回しになりがちですが、とても大切な要素です。

可能であれば家具の配置計画と同時に考えます。

工事が必要ない置き型の照明や、簡単に変えられる簡易取付レールなどで身近な灯りの変化を楽しみましょう。

 

1.「明るさ」ではなく色温度」を変えるのが照明

現在、照明は単に明るければ良いという時代ではなく、その場所にどんな「性格」の光を届けるかが大切になります。

特に白い光(日中の太陽)、オレンジ色の光(夕方の太陽)という「色温度」は人の気持ちに大きく作用します。

照明はそのコントロールを可能にする、重要なインテリアアイテムだという意識を持ちましょう。

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2. 求心力を生むペンダント照明

周囲が暗くなると、光に集まりたくなる習性は人間も同じ。

太古に焚火を囲んだDNA、というのは大げさかもしれませんが、例えば同じ炎を見て連帯感を感じたキャンプファイヤーのイメージ。

雰囲気の良いレストランには必ずペンダントライトがあったりします。

基本的に演色性の高い光源が多いので、食事が美味しそうに見える効果も併せ持ち、多彩なデザインは選ぶのも楽しいですね。

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3. 境界を消し、距離感を出す

白い壁や天井に照明を当てると、ハレーション(強い光が当たった部分の周囲が白くぼやけて写る現象)で壁と天井の境目や部屋の隅が見えにくくなり、スタジオで撮る照明写真の背景のように空間を広く感じることができます。

逆に影が出来ることで増す立体感、遠近感もあり、何をどのように照らすかによって様々なコントロールが可能に。

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4. 重心を低くする

床にフロアライトを置いたり、低いボードの上にテーブルランプを置くと、「部屋の重心」が下がります。

重心とは雰囲気を作り出す拠り所のようなもので、照明だけでなく窓や家具のプロポーションも深く関係してきます。

重心が下がると心理的な天井高が増し、部屋が広く感じられる。というのは皆さんも御存知のテクニックの一つですね。

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5. 視界の整理をする

何を照らすかによって、見たいもの(見せたいもの)見たくないもの(見せたくないもの)の取捨選択が可能になります。

植物の葉や絵画、木の家具などにポイントで光を落とすことで、視線を集めるアイキャッチになると同時に、雑多に感じるエリアから目を逸らすことができるようになるのです。

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…というように4回にわたって、「『木』と暮らす心地よいインテリアを考える」というタイトルで、我々家具蔵ならではの視点でお話を進める事が出来たのではと考えています。

 

いわゆる、西洋からきた「インテリア」の概念は冬の寒さを防ぐための「堅牢な厚い壁・小さな窓・室内には暖炉」を配し熱を外に逃がさないようなつくりであり、家は外界(自然)から身を守るシェルターの役目を持ち、ドアは閉めている状態が基本。

そこではインテリアは、家の内部をいかに快適にするかを目指したものであり、室内は室外に対するものとして隔離されています。

一方で、日本の家屋は湿気の多い夏の暑さを避ける工夫が施された簡素なつくりが多く、柱と梁(はり)の軸組で構成されています。

また、開けておくと存在が消える「引戸」によって、家中に風が通るつくりはインテリア・エクステリアという概念はなく、室内と室外は一体化してひとつの家となっています。

土間や縁側のような曖昧な空間によって、家は自然と一体化するようになっていました。

つまり、我々日本人は自然と一体になり、季節に合せて「場」の意味をつくる、という考え方を古来から持っており、雑木林などの自然を参考にインテリアを考えるということは、住環境も変わり、室内と室外が隔離された西洋から来た住まいのカタチが一般的になってきた現代で、心地よく過ごすための大きなヒントになるのではないかと考える次第です。

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家具蔵では、著名な建築家の方や多くのインテリアコーディネーターの方との空間づくりを通して培ったノウハウやアイディアを、多くの皆様に還元したいと考えております。

快適な住空間、そのヒントが知りたくなったら是非お近くの店舗にお立ち寄りください。

スタッフ一同、心よりお待ちしております。


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