キッチンスペースの照明選びのベストチョイスは?
2023.9.28
住まいの空間の中では様々な照明器具が使われています。
その中でも特にキッチンは作業の場としての役割をしっかりと果たすためには様々な機能性を求められます。
快適な作業の妨げとならない「明るさ」もその一つです。
キッチンがオープンスタイル、つまりリビングダイニングと(ほぼ)同一空間となっていることが多い現代の間取りでは、機能性だけではなくLD部との調和=LDK全体を考えなければいけません。
それは照明についても同様です。
キッチンの照明には大きく分けて「空間の演出性」と「作業しやすい明るさを確保する機能性」の2つが要求されます。
大きく分けてキッチンに用いられることが多いのは「ベースライト」「ダウンライト」「シーリングライト」「ペンダントライト」、そして「スポットライト」です。
順に解説していきましょう。
ベースライト
昔から蛍光灯などを用いた細長いタイプの照明。キッチンの幅方向と並行に、キッチンと背面の収納の間の天井に取り付けてキッチン全体を明るくします。
天井に直付けするタイプと天井に埋め込むタイプがありますが、直付けする場合は厚みのあるものは吊戸棚の扉と干渉する恐れがあるので要注意。
幅はキッチンの広さに応じて選びましょう。
ダウンライト
天井に穴をあけ埋め込むタイプの丸い小型照明です。
天井から下に出っ張らないので吊戸棚との干渉も心配なく、キッチンの広さに応じて灯数を調整すれば全体をムラなく照らすことができます。
ただ取り付け位置によってはキッチンで作業するときに影を作り手暗がりになってしまうため、配置に気を付けましょう。
シーリングライト
リビングやダイニング、寝室などにも広く用いられる直付けする照明です。
キッチンの場合、居室ほど広くない空間の為小型のタイプを選ぶことをお勧めします。
ペンダントライト
天井からコードで吊り下げるタイプの照明器具であり、キッチンの動線には用いず、カウンターの上などに取り付けて空間を演出する効果をもたらしたり、ベース照明にプラスしてカウンターを直接明るくするのが目的の照明です。
単体では十分な明るさとならないようなものもあるので、他の照明との組み合わせや多灯使用なども視野に入れておきましょう。
スポットライト
天井に直付けもしくはライティングレールなどに取り付けて、照らす位置や角度を調節することができるものです。
こちらもペンダントと同じく補助的な役割で手元を照らしたり、演出としてキッチン背面の壁やカウンターの上を照らして空間をより素敵に演出してくれます。
それぞれの役割をまとめると、全体を照らす基本のあかりとして用いられるのがベースライト・ダウンライト・シーリングライト、ポイントで空間演出をする、もしくは部分的に明るさをプラスしてくれるのがペンダントライト・スポットライトとなります。
また、この他に吊戸棚などがある場合には吊戸棚の底面に埋め込みのダウンライトを取り付けることもよくあり、ダウンライトではなくバータイプの手元灯を取り付けることもあります。
そしてクックトップの上には多くの場合レンジフードが取り付けられますが、レンジフードにも照明がついているのでこれもキッチン照明のひとつとして捉えることができます。
色温度を知る
照明器具のスタイルとは別に、ランプ(光源)の明るさ、そして光の色もその実用性や演出性に関わってきます。
一般的なランプの色としては、
・電球色:オレンジ色の光・2600~3250ケルビン
・温白色:オレンジと白の中間色・3250~3800ケルビン
・白色:少し黄味がかった白・3800~4500ケルビン
・昼白色:太陽光に近い色・4600~5500ケルビン
・昼光色:青白い色・5700~7000ケルビン
に分けられていて、それぞれ用途に応じて使い分けることが必要です。
キッチンの場合は、主に1の電球色と4の昼白色を組み合わせるとリビングダイニングとのバランスや作業性が良いと言われています。
キッチンのスタイルによっても求められるものが変わりますが、オープンキッチンでは主となるダウンライトやベースライトはダイニングやリビングと合わせて電球色にすることで空間の統一感が生まれます。
ただ、キッチンは空間の調和という側面の他にも作業性・実用性という側面もあります。
食材の色を確認したり、魚の骨をとったり、味付けのときに鍋の中を覗いたりする場合には、演色性の高い昼白色の光の下で見ることで、安全に調理することができます。
空間全体は電球色で統一感をもたらし、手元は昼白色で作業性・安全性を高めるというように、光の色を組み合わせることもキッチンでは大切なポイントです。
その他のポイントとして、キッチンはレンジフードをちゃんと回していても油煙が多少広がってしまうので、照明器具についてはそのカバーを掃除しやすい形状や素材のモノを選ぶということも大切です。
ペンダント照明はデザイン性の高いものがたくさんありますが、シャンデリアの様に複雑な形状のものはお掃除がしづらいため、そのあたりも考慮して選びましょう。
また、手元灯は最近ではセンサータイプのものも多くなっています。
キッチンでは作業中に手が汚れていたり、濡れていたりすることも多いので、手元灯を選ぶ際にはセンサー付きの器具をお勧めします。
このようにリノベーションや新築でキッチンを選ぶ際には、配光計画を立てることも大切な要素になっています。
実際にショールームで体感することと合わせて、プロに相談しながら失敗のないキッチンプランを選びたいという方は、ぜひ家具蔵各店へご相談ください。
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