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家具をとりまく健康・環境問題

2020.3.7

 

昨今、家具に関する「危害相談」が相次いでいることをご存知でしょうか?

その危害相談の内容とは、家具の臭いや化学物質に関しての報告が最も多いものでした。

比率はベッド(26.0%)、続いて戸棚類(18.7%)、テーブル類(16.1%)、箪笥類(16.1%)、椅子類(12.9%)となっており、被害例としては、刺激臭、咳、吐き気、目の刺激、などが多く寄せられています。

工場生産がメインとなる家具製作では、化学物質に対する規制の目が届きにくく、購入後に測定試験を行うような機会も見られません。

法規制があるとはいえ、実情はいわば“ざる”の状態が続いている実態があるため

「自分の目で製品の安全性を確認して、その根拠がある製品を選ぶ必要」

があるということです。

また、シックハウスの原因として考えられるものは、新建材と呼ばれる今主流のものの中では接着剤が主な原因です。

これはとても深刻な問題で、接着剤の量が膨大になれば健康を害する結果になりえるかもしれません。

「ある日、突然頭痛や鼻水、めまいに悩まされ、原因がはっきり特定できない」

という症状が出ないために、出来るだけ間違いのないものを選択する(家具で言えば、接着剤の量をできるだけ抑えたもの)ことが、自身の「見えない」健康を守ることとなります。

 

一般的な家具の買い替えサイクル/地球温暖化に見る環境破壊


木目を印刷した紙をパーティクルボード(木材チップを接着剤と熱で固めた製品)やMDF(木材繊維を固めたもので繊維版と呼ばれ、比重によって数種類あり)等の加工品の表面に張った「プリント合板」や原木を0.2mm~0.6mmほどまで薄くスライスした突板をベニヤに貼った「突板合板」といったものでつくられた家具を長年使い込むと隅の方の塗装がはがれていたり、めくれ上がったりと、10年も使えばボロボロになり、新しい家具に買い替えなければいけなくなる場合がほとんどです。

諸説は色々ありますが、一般的には「10年で家具を買い替える」というサイクルが主流とされています。

しかし、それを繰り返すことはライフサイクルコストや環境面から考えて、本当に有効なのでしょうか。

また、木材の廃棄においては、再生利用以外はおおよそ焼却処分となってしまい、二酸化炭素の発生や燃焼によるダイオキシン類の発生が大きな問題となっています。

焼却の際に発生する二酸化炭素とダイオキシン、これは「地球温暖化、環境破壊」へと繋がっている要因となっています。

 

二酸化炭素(CO2)問題


CO2排出量は地球温暖化に大きな影響を及ぼしているというのは、今や一般的な常識として認知されるほどになっています。

一番最初に思い浮かぶのは自動車のCO2排出量。

世間一般でも地球温暖化の原因は自動車から排出されるCO2排出量が大きなウエイトを占めていると思われています。

しかし、この認識は必ずしも正しいとは言えず、一般住宅を始め電力会社や石油会社、その他の運輸産業など自動車以外からも排出されており、むしろこういった分野からのCO2の排出量は自動車よりも遥かに多いのです。

とはいえ、私達の現在の生活に電気やガスは欠かせないものであり、CO2の排出量が多いからといってすぐに削減するのは難しいのが実状です。

そういった観点からも、一人ひとりが地球温暖化防止への貢献として日々の生活の中で出来ることからCO2の排出量の削減に貢献していく事が必要なのではないでしょうか。

世界各国では近年さまざまな異常気象が発生しており、世界的に見ればベネチアの高潮、オーストラリアの森林火災、また日本に目を向けると、大型台風による豪雨や猛暑などが挙げられます。

このような現状は、私たち人類がこの地球上で生存していく中で大きな問題であり、企業として、消費者として、早急に対策を行う必要に迫られています。

 

 

ダイオキシン問題


ダイオキシンは、ものの焼却の過程等で、自然に発生してしまう非常に毒性の強い物質です。

その排出量の約9割が家庭ごみや産業廃棄物を焼却する時に出ると推定されており、平成9年12月以降、「大気汚染防止法」、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」、「ダイオキシン類対策特別措置法」などによって、焼却施設などから排出されるダイオキシン類やばい煙の規制、焼却施設の改善等の対策が進められています。

 

ダイオキシン類の種類


ダイオキシンは、細かく分類すると毒性を持つモノだけでも9種類存在します。

燃焼時にダイオキシン類がどのようにして出来るのか、生成のメカニズムが全て解明されているわけではありませんが、ダイオキシン類は、「不完全燃焼により生成するもの」「排ガスが300℃前後で集じん器に流入した場合に生成するもの」があると考えられています。

ダイオキシン類は、構造中に必ず塩素を含んでおり、塩素は燃焼物そのものだけでなく、大気中、雨水、土壌等あらゆるところに極微量含まれているため、何を燃やしてもダイオキシン類は発生する可能性があります。

 

家具リサイクルの困難性


家具を修理して長く使う事が出来れば、焼却処分も少なくなり環境に与える影響は少なくなります。

しかし、家具を修理する際の問題点は多く、以下のようなことが挙げられています。

 

●複合素材や塗装の問題で修理がかなり困難な製品が多く、コストもかかる。

●製造元に修理を出すと遠隔地のため、輸送コストが高くなること。

●修理は高度な技術が必要で、販売店では専門の修理スタッフや設備が整えられていないこと。

●部品等の保存期間が短いことや製品の規格化が困難なこと。

●新たに修理工場を建設することは環境問題等から難しいこと。

●廉価な輸入家具や通販による家具は修理せずに殆ど使い捨てとして扱われていること。

 

以上の問題点を解決し、少しでも環境を良くしていくためにリサイクルシステムの構築は急務とされています。

しかしながら、以下のような解決手段を挙げているものの現在の状況でリサイクルシステムを構築するのは難しく、また大幅な廃棄家具の減量に繋げることは非常に困難なことなのです。

●リサイクルを予定した設計・製造

●家具の修理を行う制度の確立

●中古市場・再生品市場の活性化

●ラベリングによる家具の規格化

●消費者の環境に配慮した判断

これらの理由から、エコの観点から考察すると、家具の買い替えサイクルを長くし、長期間使用できるものを普及させていくことがこの問題のひとつの解決策になります。

 

地球と人に優しい無垢材家具


無垢材は集成材とは違い、化学物質を含まない自然素材です。

多量の接着剤を使用する必要もなく、エコマテリアルで耐久性にも優れており、木の持つ効果・効能により人々に安らぎと安心を与えてくれます。

毎日暮らす空間だからこそ、家具を選ぶ際はしっかりと自分の目で見て選ぶことをお薦めします。

家具蔵各店でも数多くの無垢材家具を展示しておりますので、お近くの店舗にて本物の木の良さを体感してみて下さい。

 

無垢材家具の魅力についてはこちらから

 

 

 


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