ベンチ(長椅子)が人気の理由とは
2019.5.24
「ダイニングセット」としての組み合わせで一般的なのがダイニングテーブルとダイニングチェア。
いわゆる「5点セット」というように、これまでの日本はテーブルとセットは対で購入するもの、つまり「このテーブルにしよう」と考えればそれに合わせた椅子も否応なしに付いてくる、という買い方が一般的でした。
多くの方にインテリアについての知識やチェアの重要性が浸透してきた結果、必ずしもそういった揃え方だけでなく、
数脚ごとに、もしくはすべてバラバラに好みのチェアを置いてレイアウトする人も増えてきました。
「デザイン違いのものを置いてしまうとちぐはぐにならないか」
と思われがちですが、本来チェアは身体を預けるためのものであり、人それぞれ違ったものが合うのは当然のこと。
また、家族構成や暮らし方の変化で必ずしも「ひとつのテーブルの4脚のチェア」が必要ではなくなっている世相もあります。
違うチェアを配置するのは「個性」であり、インテリア上級者ならずとも決して突飛なことではないのです。
そんな暮らし方の変化で最近ニーズが高まっているのが「ベンチ」です。
ダイニングチェアはいうまでもなく一人掛け椅子であり、人の身体のかたちを考えたものも多くあるので長時間そこに座る際にはやはりダイニングチェアに軍配が上がります。
しかし「普段は2人暮らしで来客時に座るものが必要」「子供がいて、よくその友人が遊びにくる」「不特定な来客に対応したい」といった理由でベンチをダイニングテーブルに配する人も増えているのです。
ベンチを選ぶ利点
今回は家具蔵でも取り扱う「テーブルがそのまま小さくなったようなベンチ」に限定してお話しします。
ベンチは背もたれがなく高さが無い為、圧迫感を軽減し空間を広く見せる特徴があります。
しかも、上記のように状況に応じてたくさんの人数が一度に座ることができるのも魅力の一つです。
家族が多い家では一人掛けの椅子をたくさん用意するよりも、ベンチを置いた方が利便性が良いというのも頷けます。
「一人に対して一脚」がダイニングチェアの当然の鉄則ですが、ベンチは詰めれば2人掛けに3人、3人掛けに4人と融通が利くことはメリットのひとつです。
「座る」以外の用途にも
ダイニングチェアをベンチにすることでメリットが得られるのはそれだけではありません。
「座る」以外の目的でも重宝してくれます。
共働きのカップルの帰宅時のカバンの一時置き場、来客時のクローク的に、カウンター下や腰窓の下で飾り棚として、そしてソファの前のコーヒーテーブルやテレビボードにも
ソファの前にコーヒーテーブル、リビングテーブルをレイアウトしている人は多いでしょう。
そしてその前にテレビボードを配置。
通常のリビングテーブルではソファとテーブルの間、テーブルとテレビボードの間を回遊するのにスペースが少なくて通りにくい場合もあります。
ですがその場所にベンチを配置すれば、通常その奥行きが400ミリ程度に設定されているのでスペースが拡がり、ぐっと回遊しやすくなります。
本来座るためのものですから、高さも400ミリから450ミリ程度のものが多く、リビングテーブルとしては申し分ない高さです。
来客時にはテーブルに移動させれば「一台二役」の家具となります。
また、壁掛けテレビや録画・再生機能付きのテレビの場合、AVデッキが不要になり、通常の箱型のテレビボードでは少々オーバースペックになることも。
ただ、テレビを床に置いたり、壁掛けでもその下に何もないのはやはり寂しいもの。
そんな時、ベンチを活用することで空間にしっかりと重心が生まれ、全体のバランスが良くなります。
そんな使い方ができるのはベンチの良いところです。
また、ベンチタイプだからこそ椅子を引く必要性がないというメリットもあります。
一人掛けの椅子は座る際に椅子を引いて座ることになりますが、その際に床が傷つくのが気になるという人もいるでしょう。
椅子の脚部分に靴下のようなカバーなど対策をしておけば傷をつける心配はありませんが、見た目的にあまり良いものではありません。
その点、ベンチタイプであればどこからでも座ることができる為、椅子を動かす必要性がないのです。逆に言えば移動させる際には一人で動かすのは簡単ではありません。
ニーズに合っていなければデメリットにもなってしまうので、自分たちのニーズに合っているかを見極める必要があります。
ベンチを選ぶうえで気を付けること
ダイニングチェアでベンチタイプを選ぶメリットのひとつに価格がある、という意見もあります。
例えばダイニングチェアを2脚購入するより、ベンチを一台購入する方が割安なこともあるでしょう。
しかし、そこで気を付けなければいけないのは「過ごし方」です。
ダイニングチェアにあってベンチに無いもの。
それは「背もたれ」と「肘掛け」です。
人の身体は支えるところが多いほど楽に過ごすことができます。
臀部のみを支えるベンチと、背中や腕を支えてくれるパーツがあるダイニングチェアでは、やはり疲れにくさや過ごしやすさが違います。
家族全員がダイニングテーブルでゆったり過ごせるように、ということならダイニングチェアを選ぶ方が長い目で見て得策になることもあります。
また、サイズの問題も気を付けましょう。
これはテーブルの脚の形状やベンチを置く位置にもよりますが、仮にベンチを四本脚のテーブルの下に掛かるように深めにセットするなら、テーブルの脚と脚の間よりも左右100ミリは小さいサイズを選ぶのがベストです。
何故なら、横からの出入りの際に自分の脚が出るだけのサイズを確保しておかないと出入りが窮屈になるため。
長さがあり、隣に人が座っていることもあるベンチはチェアのように後ろに引いて出入りできないこともあります。
そうならないように、ベンチとテーブル脚の間隔は少し広めにとっておくこと必要があるのです。
テーブルをそのまま小さくしたようなベンチはこのようにいろいろな使い方があります。
収納機能を兼ねたもの、背もたれがついたものなどいろいろな種類が存在しますが、「テーブルがそのまま小さくなったもの」が一番使い勝手が良いものとなるでしょう。
様々な使い勝手があるベンチ、皆さんもご検討してみてはいかがでしょうか。
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