“重たく見えない”無垢材家具の取り入れかたとは?
2024.11.18
目次
「重たく見えがち」な面もある無垢材家具を軽やかに見せたい
無垢材は木の温もりを身近に感じることができる素材であり、数ある自然由来の素材のなかでも非常に高い人気を誇ります。
いわゆる「木製家具」というジャンルにおいても「本物の木」が持つ質感の奥行きは自然の風合いだけでなく高級感をも醸し出します。
選ぶ木の種類によっても色も異なり、また手触りなども異なるなどそれを使う人を楽しませてくれる一面も持っています。
その一方で、いわば「木の塊」から作られる家具は「重たく見える」「圧迫感がある」といったイメージが先行することがあるのは否めません。
しかし、当然ながら無垢材家具すべてが圧迫感が前面に出るような「視覚的な重たさ」があるわけではないのです。
現代の暮らしに上手く無垢材家具を取り入れるためのポイントも存在します。
特徴を見極め、バランスを重視する
木材、そして無垢材の質感や雰囲気は何にも代えがたいものであり、全ての人におすすめしたいものです。
健康を促進するうえでも有用なものではありますが、一方で室内すべてを「木」としてしまうと、よっぽど計算された空間でないと少々野暮ったいものとなってしまいます。
温かみがありすぎる、とでも言いましょうか。
無垢材をはじめとした木製家具を中心としてインテリアを考える場合に重要なのは「バランス」です。
無垢材・木材の持つ性質とは反対の要素を取り入れることで洗練された雰囲気を作ることが可能になります。
分かりやすいのは人工的な素材であるスチール(鉄)やカーボン、ガラスの類です。
事実、無垢材テーブルにスチールの脚を取り付けるのは定番的な人気を誇ります。
シャープな印象が強いものをうまく取り入れることで「バランス」を上手くとることができるはずです。
木材が持つ特徴である温かみとある意味で相反する要素を持つものを合わせることで互いの良さが活きてきます。
「視線が抜ける」ように意識する
合わせる家具やインテリアが決まればその次は「どこに何を配置するか」を決めていきます。
限られた空間をできる限り広く見せるには、そこにいる人の「視線」を意識することが大切です。
窓は当然ながら壁に付いています。
壁はつまるところ空間にとっての「行き止まり」ですが、その行き止まり部分に窓があるだけで壁の外が見えることで空間の奥行き感が広がります。
部屋に入った際に窓まで一気に視線が向く=障害物がない、あるいは目立たないとことを「視線が抜ける」と表現します。
そのことで、限られた空間でも解放感を感じることができるのです。
視線が抜けることを確保するためには、入口から入った際に視線の先に物をできる限り置かないことが理想であり、さすがにそれは難しいという場合には後述するように「高さを抑えた家具やインテリアをバランスよく配置する」ということがポイントになります。
また、窓方向に視線を向けるよう工夫をすることもひとつです。
収納家具は奥行寸法を統一し、他の家具も含め高さを抑える
限られた間取りの中ではどうしても壁際に家具を配置せざるを得ない場合がほとんどです。
また、大抵の収納家具は基本的に壁に沿って配置することとなります。
住まいを広く見せるためには統一感も重要で、この場合はサイズの統一感、特に収納家具の「奥行」となります。
例えばテレビボードと横並びでチェストと本棚を置きたい場合。
それぞれ5㎝でも奥行が違うと凸凹感が目立ち、そこに視線がいきがちです。
視線が窓側やフォーカルポイントまで抜けずに足元に向くため、広く見えづらくなります。
収納家具を2台、3台と横並びにする配置を検討する場合は奥行を統一することで、より広々と住まいを感じることができます。
3台以上の収納であれば、天井までの高さがあるような「壁面収納」として1台にまとめてしまうのもひとつです。
高さを抑えた家具を揃えることは空間を広く見せるための王道であり、高さが出ることで圧迫感がでてしまうのでは、
と懸念するかもしれません。
ですが、奥行違いの収納を点在させるよりもこちらの方がすっきりと見せることができます。
背板を抜いたり、ガラス扉を多用するなどで「軽さ」を出す方法は多々あります。
実際に私ども家具蔵でも、納品後にお客様から家具自体はサイズが大きくなったはずなのに不思議と部屋が広く感じる、
という感想をいただくことも多く、特に収納不足が指摘されることの多いマンション住まいの人にはおすすめです。
「フォーカルポイント」をつくる
窓に視線が向けば空間を広く感じることができるのであれば、そのように誘導することもひとつのテクニックとなります。
建築・インテリア業界では部屋の中で視線が集中し、目を惹く場所を「フォーカルポイント」と呼んでおり、この場合窓の近くに背の高い観葉植物や間接照明などを置くことで高さを抑えた家具とのギャップも相まって、窓側に視線が抜ける=空間を広く感じることができるようになるのです。
あるいは窓でなくても、空間のコーナー部などにレイアウトされているような薪ストーブや飾り棚、和室であれば床の間などもフォーカルポイントとして利用できます。
目立たせたいものを部屋の入り口から一番遠い場所に置くことで、自然と部屋の奥に視線がいき、広さを感じることができるのです。
すぐに取り入れられるインテリア小物としては壁に絵や写真を飾ったりするなども効果的です。
床に置くものを減らす
床や壁、天井の面積が多く見える程、空間を広々と感じる効果があります。
例えばソファの前に置くリビングテーブル。
ソファに合わせて購入したものの、意外と持て余してしまっているような人も多いものでもあります。
床に座って食事を行うようなわけではない、という場合、コーヒーや携帯電話など小さなものが置ければ十分な大きさのはずです。
コの字型のソファテーブルであれば、コップやリモコンなど最低限のものを置きつつ、ソファに差し込むようにレイアウトすることができるので更にコンパクトにすっきりと納まります。
また、空間全体で見てもリビングテーブルをなくすことで床面積が多く見え、その場を広々と感じることができる=重たく見せないコーディネートが完成します。
繰り返しになりますが木材、特に無垢材を使った家具を「重たく見えるかも」「コーディネートが難しいかも」という理由で敬遠するのは非常に勿体ない話です。
工夫次第で見せ方は無限大に拡がります。
今回ご案内した内容を活用して、開放感のある空間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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