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家具材のチェリーと日本の桜は違うのか?

2024.6.4

 

アメリカンブラックチェリーとソメイヨシノなどの桜は厳密には異なる


 

 

家具材や建材を語るうえで、主に「チェリー」「ブラックチェリー」と呼ばれるのが「アメリカンブラックチェリー」です。

この木から採った材料は「チェリー材」「ブラックチェリー材」と呼ばれ、高い人気を誇ります。

このチェリー(材)を端的に説明する際に「チェリーとはサクラ(の木)です」と伝えることがままあります。

「サクラ=桜」を英語にするとチェリーになり、チェリー自体がサクラ属の種なのでこれ自体は間違った意味合いではありません。

しかし、私たちが「桜」と聞いてすぐに連想する「ソメイヨシノ」とは厳密には違うものです。

そして日本に分布する、いわゆる「ヤマザクラ(山桜)」と「アメリカンブラックチェリー」もまた異なる種なのです。

 

日本でチェリー材の人気が高い理由


 

 

日本人にとって桜は国を代表する木と言っても過言ではありません。

世界中の様々な場所で「日本」を想起させるアイコンとして使用されており、国内においても様々な組織・団体がモチーフとして使用しています。

また、日本人自体が桜という木や花に強い愛情やシンパシーを感じています。

古くから各地に多くの伝承を持ち、春先にはお花見を行う文化はその美しさ・儚さに魅了され親しまれているからこそと言えます。

私たちが慣れ親しんでいる桜のその殆どはソメイヨシノであり、厳密に言えばアメリカンブラックチェリーとは異なるものです。

しかし、チェリー材に対してインテリア性や素材の美しさ以外にも「桜である」ことに惹かれるのであれば、それはDNAのレベルで染み込んだ「愛着」があるからではないでしょうか。

 

ソメイヨシノとはこのような木


 

 

私たちが「サクラ(桜)の木」と聞いて真っ先に思い浮かべるのがソメイヨシノ(染井吉野)です。

ソメイヨシノはじつは観賞用として人工交配で作られた樹種です。

江戸時代にある植木商が売り出したものを山桜と区別するために呼称したのがその名前の由来です。

挿し木や接ぎ木でしか増やすことができないので、他の木のように種から自生するものではありません。

また、このことから遺伝的に同じ性質を持った、いわば「クローン」のような存在でもあります。

気象条件が同じ地域で一斉に開花するという「桜前線」があるのはそのためです。

ソメイヨシノは高樹齢になると中が空洞化し、そのうえまっすぐ伸びずに変形して成長します。

樹木は一定の樹齢がないと木材とするには難しいものです。

そのため、ソメイヨシノ自体は家具材には不向きとされています。

例えば、庭に生えている思い出のソメイヨシノを一枚板テーブルに、という理想はたいへん素敵ですが実際は現実的ではないのです…。

 

ヤマザクラ(山桜)は家具材にも使用されている


 

 

日本における野生のサクラ属はおよそ10種とされています。

なかでも、自生する桜で家具に用いられることが多いのは「ヤマザクラ(山桜)」です。

野生の桜は比較的成長が早く、木材としては堅い部類に入ります。

また狂いも少なく、加工性にも非常に優れていることから中世の時代から様々な場面で使用されてきました。

ソメイヨシノはある意味で文化も熟成した江戸時代に商業的な意味合いもあって広まった経緯があるものです。

一方で山桜は元々の自然環境で古くから自生していたものであることから数々の伝承は山桜に起因するものとなります。

同時に直接的に日本人の暮らしに大きく携わってきたのも山桜であり、様々な場面でその関わりを見ることができます。

例えば古くから版木や菓子型に使われてきた歴史や、ヤマザクラの開花はその年の農業を始める時期の合図でもありました。

命を守るために食べ物を作るという作業の知らせとなるような重要な存在だったからこそ、桜はいつも日本人の心と共にあったともいえます。

国会議事堂本会議場の議員席にも使用されているヤマザクラ材。

一般で使用する家具でもこの材を使用したものは見ることはでき、国会議事堂の本会議室の椅子もヤマザクラ製です。

一枚板天板なども見かけることはありますが、流通はかなり少なく希少材となっています。

 

アメリカンブラックチェリー


 

 

現在、海外はもとより日本国内でも非常に高い人気を誇るのがアメリカンブラックチェリー(材)です。

別称で「ワイルドチェリー」「アメリカンチェリー」とも呼ばれますが、主に「チェリー(材)」の呼称で親しまれています。

日本でももともと流通の少なくなった山桜の代用としての位置づけでしたが、供給量の豊富さも相まって輸入材の中でもメジャーな存在になってきた経緯があります。

家具材としては、北米において18~19世紀にかけてシェーカー教徒によって重用され、世界的に優良な材であるマホガニーに匹敵する材として「イーストマホガニー」「ニューイングランドマホガニー」と称して流通されていた時期もありました。

現代においてはウォールナット材やオーク材と比較して、取り扱いのある家具メーカーも決して多くはなく、チェリー材の家具を検討する場合、その対応先も限られるものとなります。

 

チェリー材の魅力とは?


 

 

チェリー材はなんといってもその劇的ともいえる色合いの変化、それを経てなおどのような空間にもハマるコーディネート性の高さが魅力です。

また、多くのチェリー材のファンを魅了するのがその触り心地です。

世界中に広葉樹材があるなかで特別に「絹肌」とも称される肌触りの滑らかさは群を抜いています。

そして、必ず散見する「キャラクターマーク」はその木の歴史を垣間見ることができる個性として愛でることができるアクセントでもあります。

家具蔵がモットーとする、熟練の職人による手仕上げの家具製作。

材のもつ自然の力と職人の丁寧な手仕事が相まって使い心地の良い家具、居心地の良い空間が産まれていきます。

毎日接する「暮らしのパートナー」として、たくましくもすべすべの触り心地で私たちを癒すチェリー材。

経年変化でも楽しませてくれる存在を住まいに取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

家具蔵の無垢材チェリー材家具のある暮らしの事例はこちらから

 

 

 

 

 

 

 

 


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