「広くない」リビングダイニングで優先すべき家具選びは?
2023.12.4
目次
「広くない」リビングダイニングこそ「何を選ぶか」が重要
家具というものは基本的に室内に置くもの。
その室内の広さに不満を持つ人は少なくありません。
また、空間が制限されるがゆえにレイアウトが制限される、あるいは最適解が分からない、ということもあるでしょう。
私ども家具蔵でも「リビングダイニングが狭いので…」という声はよく伺います。
東京都に限って言えば持ち家の平均平米数は65平方メートルを切っており、一番広い地域と比べると実に1/3程度と言われています。
その中でLDKが12~14畳程度と考えた場合、おおよその面積は21~25平方メートルとなります。
おおよそ65平方メートルという住まい全体の面積の1/3を占める計算ですが、それでも空間に制限があることには変わりありません。
制限があるという点ではそれより広くても同じことなのですが、その制限に即した家具選びを行う必要があり、空間自体がより限られる、つまり「広くない」リビングダイニングであればその重要度は増してきます。
LD空間に限りがある場合の正解はソファダイニングなのか?
リビングダイニングで主役となる家具と言えば何と言っても「ダイニングテーブルとチェア」と「ソファ」です。
食事を摂る場、自由な姿勢で寛ぐ場として両者の活躍度や重要性は言うまでもありません。
そこで両方を上手く配置しようとするとスペースの関係で無理が生じる、しかしどちらも譲れない、という事態もありえます。
そのような場合によくご相談いただくのは「ソファダイニング」と呼ばれる、ダイニングテーブルに付随する椅子をソファで代用し、両方の役割を1つにまとめてしまうという考え方です。
「ラウンジスタイル」ともいわれるこのスタイル、食事を摂る場所と自由な姿勢で寛ぐこともできる場所をひとつにまとめることで省スペース化を図ることができます。
非常に合理的であり、特に空間に制限がある場合には最適解となるケースもあります。
一時期非常に多く目にしたこのスタイルは、現在ではそれを取り入れる人も少なくなっている感はあります。
トレンドも多分に影響しますが、もっとも大きな理由はその場での居心地や機能性が中途半端になってしまうことで満足感が得られなかったからと言われています。
ソファダイニングスタイルを取り入れる際に覚えておくこと
ソファダイニングは食事や作業、ゲストの対応、寝転がることも含めた寛ぎ時間も全て一つの場所で賄うことができる合理的なスタイルです。
同時にいくつかの理由で「十分に満足のいく状態で」使用し続けることが難しいものでもあります。
まずは「出入りがしづらい」点です。
ソファやソファベンチがL字になっている場合、あるいは3人掛けの幅の長いものの場合、着座の際、そして離座する際に椅子のように後方に引くことができず、出入りに不便を感じやすくなる可能性はあります。
そこで片側にソファを配置し、その反対側にダイニングチェアを置くことで「出入りの多い場合は椅子」「寛ぐときはソファ」と住み分けをすることで解決を図ることもあるかもしれません。
ここで「高さ」の問題が出てきます。
ダイニングテーブルの天板高は700mm程度、海外のものとなると750mm程度になるものもあり、それに対応したダイニングチェアは座面高で400~450mm程度となります。
一方で、テーブルの高さを一般的なソファの座面高に合わせた際には600~650mm程度が妥当と言われ、テーブルの高さをソファに寄せるとダイニングチェアと合わなくなることも多く、また、その逆もありえます。
ダイニングチェアと座面高が似通ったベンチソファを選択することでその問題も解決できそうですが、そのようなものは寝転がって身体を自由に伸ばすような奥行きがないものであることが多く見られます。
ここに挙げたいくつかの部分は「あちらを取ればこちらが立たない」ものであり、これが幾ばくかの妥協と「十分に満足のいく状態で使用し続けることができないと思われる」点に繋がります。
どこで過ごす時間が長いかを重視して家具とレイアウトを決める
そうすると、やはり互いがコンパクトになってもダイニングテーブルとソファは分けてレイアウトするか、どちらを大きめにとる、あるいはどちらかをすっぱり諦める、という考え方になってきます。
ここで選択の為の基準を設けるならば「どこで過ごす時間が長いか」という点です。
ソファはあるがむしろ食事以外の時間でもダイニングテーブルで過ごしている時間が長い、ということならダイニングテーブルをメインに、つまり大きめのものを置く。
その時に場合によってはソファそのものが不要という考え方になるかもしれません。
その際にはダイニングチェアでも寛ぐことができるように、アーム付きのものを選ぶなど、食事以外の場でもゆっくり楽に過ごせるような家具選びが重要になります。
逆にダイニングテーブルは使用するが食事だけがメインですぐにソファに行って寛ぐことが多いならば、ダイニングはコンパクトにしてソファを大きめに。
この場合、ダイニングテーブルを完全に排除し、リビングテーブルを使用して床座で食事をとる選択肢もありえますが作業を行う際の能率、立ち座りの容易性、お子様の学校生活へのトレーニングという意味でもダイニングテーブルが無いという状況は避けた方が良いでしょう。
ダイニングチェアもコンパクトなアームレスタイプなどを選び、その分家族全員が寛げるようにロングソファやオットマン、パーソナルソファなどを組み合わせてリビングをより居心地よくする方が結果的に満足できるはずです。
住まいの空間は本当に様々で、最適なレイアウトも家具のサイズもまた色々です。
間取り自体が変わっているというようなケースも含めて、私どもでも家具配置のプランニングには全体の見えかたと動線を考えた使い勝手など、何がベストかに腐心します。
どのような住まいでも必ず最適解はあり、それは空間の広狭に限られません。
最適な家具レイアウトやサイズ選びにお困りであれば、ぜひ一度家具蔵へお問い合わせください。
様々な事例を知り、知識を持ったプロスタッフがベストのご提案を行います。
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