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椅子の幅や高さに標準や最適値はあるか

2023.11.28

 

 

椅子のサイズは軽視できない


 

 

椅子、あるいはチェアは言うまでもなく数ある家具の種類のひとつです。

家具は基本的には(一枚の板を直接壁に取り付けるようなシンプルなものでなければ)いくつかのパーツが組み合わさって出来上がる構造体です。

椅子の場合は座面や脚、肘掛けや束、背もたれ部を構成する様々なパーツなどが人体工学やデザイナーの考え、あるいは構造にまつわる制限や意図によって大きさや角度が決められます。

そして、それぞれを組み合わせて一脚の椅子、チェアとなるわけです。

構造体である以上、そこには大きさが存在し、それはサイズ表記となって私たちの判断基準の一つとなります。

その点に着目して椅子を見ていくとメーカーや種類によって実に様々なサイズが存在していることがわかります。

椅子、特にダイニングチェアは家具の中では比較的コンパクトなものですが、それでも空間に置く以上は存在感を持つことになり、そのサイズは一緒に使用するテーブルへの収まりという点でも重要です。

同時に身体を預けるための器具として考えた場合も自身の体型や理想の姿勢へのフィット感という意味で、そのサイズは軽視できない意味合いを持ちます。

 

椅子にまつわるサイズ表記


 

 

椅子について、カタログなどで表記されるサイズは他の家具と同様に「W(総幅)」「D(奥行)」「H(総高)」です。

「W(ワイド)」は脚や肘掛の最端部までの幅、「D(デプス)」は同じく前脚や座面から背もたれまでの最端部までの長さ、「H(ハイ)」は床から背もたれの一番上部までの高さです。

椅子の場合はそれ以外に「SH」「AH」という表記も目にします。

この「SH」は「シートハイ(Seat Height)」の略で、床から座面までの高さ、つまり座面高を表します。

「AH」は「アームハイ(Arms Height)」の略で、床から肘掛けの一番上までの高さを表し、これは「肘掛けの高さ」を表すものです。

それぞれがデザインやその剛性を保つために重要な意味を持つ数値であるとともに、それによる空間での見え方やテーブルへの収まりを左右します。

同時に身体を預ける「器具」である以上、わずか1cmの違いがフィット感や疲れにくさに大きく影響します。

一言で椅子といっても様々な思想や考え、制約や事情をふまえながら作られるものです。

それゆえにある程度の標準値はあっても「このサイズでなければならない」というものはありません。

しかし、椅子を検討する際には以下のことを知っておく必要はあります。

 

幅と奥行は適度なゆとりを確保できるものを


 

 

椅子の「W」と「D」、つまり総幅と奥行は着座の際のゆとりに直結します。

あまりに大きすぎても落ち着きませんが、特に座幅はある程度の余裕があるものでないと窮屈に感じてしまいます。

できればお尻を左右にずらしても身体が椅子からはみ出ることなく、身体を斜めに振ることができるくらいの広さは欲しいところです。

同時に奥行きが適度に広い椅子も着座の際の姿勢の自由度を促してくれます。

長時間椅子に座っていると、自然と姿勢は崩れてくるものです。

元々そのような着座姿勢を好む人もいますが、一番多いのは徐々にお尻が前方にずれていく、いわば「浅く座る」状態となることでしょう。

仮にそのような「座り癖」が無かったとしてもある程度の時間で着座姿勢を変えることは背や腰、肩等を動かすことになり、これが身体全体の疲れを和らげることに繋がります。

その際に十分な奥行きが確保されていない椅子は椅子から身体がはみ出てしまい、十分に身体を預けることはできません。

座面の幅や奥行きには過度ではない十分なゆとりが必要であり、それは着座の際の疲れにくさ、過ごしやすさを引き出すこととなるのです。

部屋のスペースから考えた際にテーブルが小さくなると、必然と合わせる椅子もコンパクトなものとなりがちです。

しかし、もしダイニングスペースで長時間過ごすことが想定されるなら、室内の家具配置を工夫することやソファのサイズを見直すことでテーブルのサイズを広くすることができます。

それは作業時の身体的なゆとりの確保と、同時に快適な座り心地と本当に欲しい椅子を配置できる自由性にも繋がります。

 

座面高は足が床に着く高さが基準


 

 

椅子のサイズという点で言えばSH、つまり座面高は快適な座り心地と作業を行ううえでは最も重要なものと言えます。

着座の際には足裏が床にきちんと届いている、できれば足裏全体が床に接地していることで太もも裏の圧迫を抑え、より効率的な体圧分散性が生まれます。

そのことで一定の部分だけに負荷がかかることのない「疲れにくい」着座に繋がるのですが、そのためにはそれを可能とする座面高である必要があります。

自身にとって極端に高い座面高だと足が床に届かず、低すぎても逆に疲れやすさや着脱のしにくさを招くことになります。

自身の体型に合った座面高の椅子を選ぶことは快適な座り心地に直結するのです。

同時に、特にダイニングチェアであれば合わせるテーブルの天板高との関係性も欠かせないポイントです。

テーブルの天板高とチェアの座面高には適切な「差尺(さじゃく)」があり、これを損なうと食事や作業において不自然な姿勢を強いられることから、適切な関係のある座面高(あるいはテーブルの天板高)を選ぶ必要があります。

さらにはAH、つまり肘掛高もテーブルの関係性を語るうえでは忘れてはいけません。

セミアーム、あるいはハーフアームと呼ばれる丈の短い肘掛けの椅子ならともかく、テーブルの天板下に肘掛け付きの椅子が収納できないとやはり不便です。

テーブルが既に決まっている、あるいは今使っているものをそのまま使用しながら椅子のみを選ぶ際には天板下の高さも確認しておきましょう。

 

 

椅子は生活の道具であり、同時にインテリアでもあることから見た目やデザインを優先して選ぶこともあるでしょう。

同時に身体を預けるものである以上、自身の体型や癖に基づいたサイズをしっかり把握することも大切です。

椅子は毎日使用するものであるにも関わらず、数値を把握したり自分自身に合うものを選定したりする視点が希薄になりがちで、どれを選ぶのが正しいのかもわからなくなってしまうこともあるでしょう。

そのような時も家具蔵各店では椅子の選び方に精通したスタッフがしっかりアドバイスを行います。

お気軽にご相談ください。

 

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