KAGURA OFFICIAL BLOG

椅子の引き代はどのくらい必要か

2023.6.30

 

 

住まいの顔となり家族やゲストが一番集うダイニングスペース。

そこに欠かせない家具と言えば、やはりダイニングテーブルとダイニングチェアです。

ダイニングテーブルやそれに合わせるダイニングチェアを検討する際に欠かせない要素がサイズ選定です。

そこで適切なサイズを決める材料のひとつとして考慮しなければならないのが椅子の引き代(椅子の立ち座りに必要なスペース)です。

日常生活の中で椅子に座る・立つという動作はもはや無意識下で行われるものです。

そこに不便があってはいけません。

例えばせっかく気に入った一枚板テーブルを手に入れたもののいざ使い始めるとスペースが狭く、椅子の出し引きがスムーズにできない…、となるとそれを使う楽しみも半減するばかりか、暮らしにくさを感じてしまうかもしれません。

椅子の引き代は空間の広さだけでなく、椅子の形状やダイニングの使い方によっても変わってきます。

どのような椅子を使うのか、またはどの状況ならどのくらいのスペースが必要なのかを今回はお話ししていきます。

 

アームレスチェアを使う場合


 

 

一般的な肘掛けのない食卓椅子(アームレスチェア)を使用する場合はどのくらいのスペースが必要なのでしょうか。

もしテーブルの背面が壁だった場合、アームレスチェアを使用するならテーブルから壁まで60~80cmのスペースを確保すればダイニングテーブルから立ち座りするときにスムーズに動作ができると言われています。

60cmよりも狭いと椅子を十分に引くことができないため、立ち座りのたびに椅子を壁にぶつけないように気を付けながら立ち上がらなくてはなりません。

それ自体もストレスとなり、また、あまりに狭いと出入りがしづらくなるのでそれもストレスに繋がります。

例えば奥行90㎝のテーブルを配置する場合、テーブルの両側面には人が立ち座りする最低限のスペースとして60cm×2=120cmを足した210cmのスペースが必要となるということです。

 

アームチェアを使う場合


 

 

ダイニングテーブルは食事だけで使用するという人は少なくなってきています。

食後もダイニングでテレビを見たり読書をする、あるいは在宅ワークなどの作業時にダイニングテーブルを使用する、という人も多くなっています。

つまり、長時間着座していることが多くなっているということですが、その場合はより体圧分散のしやすい肘掛付きの椅子(アームチェア)を選ぶのがお勧めです。

アームチェアの場合、出入りの際にアームを目一杯後ろへ引くスペース(=アームの長さ)と自分の身体がそこに入る隙間(=人の身体の厚み)が必要になります。

アームレスチェアと同じ60cmのスペースでは、アーム部分が妨げとなって自身の身体の出入りがしにくくなってしまいます。

そのため、アームチェアを配置する場合はテーブルの背面には80~90cm程のスペースが必要になります。

例えば奥行90cmのテーブルの両側面にアームチェアをレイアウトする場合は、椅子の引き代80cm×2を足して250cmのスペースが最低限必要となる、というわけです。

ただし、これはあくまで最低限のスペースであり、後方(の壁など)を気にしながらイスを引くことになります。

日々そういったことを気にすることなく無意識に出し引きしたい場合はより広いスペースを確保しましょう。

壁に椅子をぶつけて大切な家具に傷をつけてしまったり、逆に出入りの際にテーブルの脚に自分の足をぶつけてしまう、というようなストレスがなく立ち座りが楽になります。

 

人が後ろを通ることを想定する場合


 

 

椅子の後ろが両方壁であり、誰も後ろを通らない、というケースは二人以上で暮らす場合はまずないでしょう。

着座中に他の誰かが自身の後方を通過することは大いにありえます。

それでは、椅子の引き代に加えて、人が椅子の後ろを通る場合はどのくらいのスペースが必要なのでしょうか。

人が椅子に座っているとき、テーブルの端から椅子の端まで約40cmあると言われています。

また、人間工学の観点から言えば人が正面を通る時に必要なスペースは約60cm、二人がすれ違うなら90cm、更に横向きに通る場合は45cm必要です。

例えば後ろが壁であり、そこを通るのは奥に座る一人である場合、出入りの際には横向きに通れれば十分です。

そうであれば最低85cm程度、テーブルと壁の間の余白があればよい計算になります。

人がよく回遊する状況がある場合は、二人がすれ違うのに十分なスペースである90㎝は確保したいところです。

この場合、テーブルから壁までは130cm以上余裕を持ってみておくと回遊の際にもストレスを感じにくくなります。

この数値はあくまで目安であり、まだお子様が小さく、椅子から勢いよく立ちあがることもあり家具や壁が傷つかないか心配だ、とか大柄な家族が多い、といった場合などはスペースに余裕を持ってあげるとより安心でしょう。

 

テーブル付近に収納を設置する場合


 

 

ダイニングスペース、つまりテーブルの横やカウンター下にサイドボードを設置することはテーブル周りやキッチンカウンターをすっきりさせるためにはたいへんお勧めの方法です。

この場合は、椅子の引き代に加え、扉や引出の出幅を考慮する必要があります。

とはいえ、扉や引出の出幅に加えて動線や椅子の引き代を単純に足し算する必要はありません。

必ずしもそこに誰かが着座しているわけではありません。

スペースに余裕がない場合は人が座った時のスペース40cmに扉のサイズを加えたスペースがあれば十分です。

また、引き戸タイプの収納なら扉の出幅を考慮する必要もありません。

扉がガラスである場合だけ、割ってしまったりしないようにスペースに余裕をもって設置するようにしましょう。

 

 

ダイニングは住まいの中心となる場所であり、そこで心地よく暮らすには動線の確認が欠かせません。

ダイニングテーブルの検討の際には配置スペースの確認は必須です。

もし判断が難しい場合は間取り図面をお持ちの上、家具蔵各店スタッフへご相談ください。

お客様ひとりひとりに合わせた適切なサイズをご案内いたします。

 

トータルインテリアコーディネート無料相談会(3D PLAN)のご案内はこちらから

 

 

 

 

 

 


最近の投稿

カテゴリー

月別アーカイブ

  • [—]2024 (71)
  • [+]2023 (367)
  • [+]2022 (364)
  • [+]2021 (365)
  • [+]2020 (369)
  • [+]2019 (366)
  • [+]2018 (85)
  • [+]2017 (65)
  • [+]2016 (69)
  • [+]2015 (44)
  • [+]2014 (32)
  • [+]2013 (62)
  • [+]2012 (130)
copyright AIDA Co,.Ltd. All Rights Reserved.