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「座り心地が良い」という感覚は何から生まれるか

2023.4.22

 

 

椅子を購入する際に重視するポイントとは何でしょうか?

デザインやデザイナー、あるいはブランド。

価格や素材も気になります。

しかし椅子は座るために使用するものであり、座り心地の良し悪しを抜きにしては語ることができません。

良い座り心地は心身共に快適さを生み、食事をよりおいしく感じることや作業の能率の向上、疲れにくくなるといった副産物ももたらします。

「座り心地が良い」とはその言葉どおり、そこに座った際の気分や感覚が良好である状態です。

気分や感覚とは本来、個々で異なるもので座り心地に関して言えば体型や「座りグセ」によっても変わります。

一方で座り心地が良いとされている椅子には共通点もあり、その点を抑えておくことで「良い座り心地である」という感覚を享受できる確率は高まります。

 

人間工学を反映させた椅子は座り心地が良い


 

 

人間工学という言葉があります。

人間がストレスなく使うことが可能な物や環境を設計し、実際の暮らしに活かすための学問の総称です。

世の中の多くのものは実はこの人間工学をもとに設計されており、私たちの生活と非常に密接に関係しています。

椅子もその中の一つです。

普段はそのことを意識することはほとんどありませんが、座るという行為は実はとても不自然な姿勢です。

座るということは立っている状態よりも腰や背中に負荷をかけ、下半身を休める代わりに上半身に負担をかける姿勢となります。

人が動物である以上、寝ている姿勢が最も楽な姿勢であり、活動しているときは立っている姿勢が一番動きやすい姿勢と言えます。

しかしながら、長い歴史の中で人は作業を行う際に下半身を休ませながら長時間作業をする姿勢として座ることを選択しました。

いまや多くの人が一日の4分の1以上の時間を「座る姿勢」で過ごしています。

このように人の暮らしに根付き、身体を支える「道具」だからこそ人間工学に基づいた椅子には一定の座り心地が約束されます。

 

「体圧分散」ができる椅子ほど座り心地は良くなる


 

 

人間工学は椅子のデザインや構造にも深くかかわっています。

その際に重視されるべき部分は「体圧分散性に優れている設計か否か」です。

自重からくる「体圧」をいかに身体の各所に効率よく散らすことができるか。

これは疲れにくい着座姿勢を追求する意味ではマストであり、椅子に着座した際に身体の各所に感じる「当たりの良さ」にも結び付きます。

人の身体というのは曲線の連続で構成されていますから、それに対応した形状の椅子は身体の当たりもよく、身体の各所に密に接することによって、より多箇所への体圧分散を促します。

足裏が床に着くことも足裏から体圧が抜けること=体圧分散に直結するので座面の高さも重要です。

座り心地を求める意味で行うことのひとつに自身の体形に合った座面高の椅子を選ぶと良いでしょう。

あるいは肘掛けがあることで腕の重さを預ける場所ができ、これも体圧分散につながります。

自重から来る体圧を少しずつ身体の各所に分散させることで、疲れにくく「座り心地の良い」椅子となります。

 

長時間座っていても座り心地の良さが損なわれない椅子を選ぶには


 

 

椅子を選ぶポイントは多々ありますが、座り心地を重視する際には実際に座ってみること、すなわち「試座」を行うことは必須事項と言えます。

ここで重要なことは短時間の試座で座り心地の良し悪しを判断してはいけない、ということです。

例えばその前にたくさん歩いて身体が疲労していればどのような椅子でもある程度楽に感じるものであり、即断は禁物なのです。

座り心地が良い、というのは身体へ当たりが良いという意味と長時間座っていても疲れにくい、という2つの意味があります。

座った直後は身体への当たりが良いと感じても時間が経つとそのように感じなくなることもあります。

それは人が長時間同じ姿勢をキープし続けることは難しいためです。

睡眠という無意識下でも寝返りをうつのはそのためで、着座姿勢においても30~45分程度しか人は同じ姿勢を保持することができません。

それ以上の着座時間になると必ず身体は左右、あるいは前後に動きます。

足を組んだり、斜めに座ったり、伸びをすることもあるでしょう。

その「椅子の中の身体の動き」があった際にもフィット感を損なわない椅子が「座り心地の良い椅子」です。

とはいえ、実際の店舗内で数十分から数時間、同じ椅子に座りっぱなしというのもなかなかたいへんです。

ですので、椅子の試座の際には着座した状態で身体をずらしたり斜めを向くなど様々な座姿勢を試してみるのが良いでしょう。

どのような姿勢であってもフィット感が損なわれないと感じるのであれば、それはあなたにとって「座り心地の良い椅子」と成りえるのです。

 

 

椅子を選ぶ際には今挙げたような要素が、自身でも納得できる範囲でどの程度備わっているかの確認作業が重要です。

椅子のように購入機会の頻度自体は少ないながらも、日々の暮らしに欠かせないものを選ぶうえでは必須ともいえます。

私ども家具蔵では50以上のバリエーションで様々な座り心地のニーズに対応しながら、無着色仕上げ・木組みの無垢材で座り心地の良い椅子を追求・ご案内しています。

椅子はしっかりと選ぶポイントを抑え、自身で座り、選ぶことが重要です。

家具蔵の無垢材チェアもぜひ一度お試しになってみてください。

 

家具蔵のチェアがある暮らしの事例はこちらから

 

 

 

 


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