無垢材テーブルにテーブルクロスは敷くべきか否か
2023.4.13
目次
無垢材テーブルには一枚板を使用したもの、共木づくり、耳付き、幅接ぎのデザインテーブルなど多様な種類が存在します。
ここに共通する点はどれも「木目をデザインの一部として楽しむことができること」です。
だからこそ、一つ一つ表情の異なる一枚板などはよく「出会い」とも言われ、その表情の違いはテーブル全体の見え方やそれを目にした際の印象も変化させます。
無垢材テーブルを使用するうえで多くの人が気にするのが「キズ」「汚れ」といった「傷み」の類です。
テーブルのように日常で様々な作業が行われ、長い時間使用することになる家具にはどれだけ大事に使っていても必ず何かしらの「傷み」は生まれてしまうものです。
そのような傷みを発見した際にはそれが大事であればあるほどショックも大きいでしょう。
それを予防するためにテーブルクロスやテーブルマットを使用することは頷ける話です。
一方でテーブルクロスを使用することは、布を被せることでデザインともなる木目などの表情を隠してしまうこととなります。
そこがテーブルクロスを使用するか否かを懸案することに繋がります。
テーブルクロスを無垢材テーブルで使用する際のポイントは
テーブルクロスはその柄や色で空間との調和や統一性を持たせることができ、仮にテーブルが空間の雰囲気と合わない際にそれを緩和させるには最適な存在です。
ダイニングテーブルに装飾性を持たせる意味合いを持つものであり、本来は汚れ防止やキズ防止を大きな目的とするものではありません。
懸念されるのは柄や色の選択自体が意外と難しい、つまりそれを用いることでコーディネートに乱れが生じる可能性があることや、飲食の際に生じた汚れが落ちない染みになってしまうことでしょう。
テーブルの上に一枚の布を被せるということで衝撃や液体の零れから直接的な影響を受けづらくはなりますが、あくまでその点を理解して使用するべきといえます。
テーブルマットを使用するうえで知っておくこととは
また、塩化ビニールやアクリルといった透明な素材でつくられたテーブルマットはどうでしょうか。
撥水性も高く、耐衝撃性もあり、何より透明なので無垢材テーブルの魅力である木目を視覚で楽しむことは可能です。
一方でテーブルマットの内部=マットとテーブルの間に髪の毛やほこりが入り込むことはあり得ます。
リビング学習が当たり前の現代ではお子様の勉強の際の消しゴムのカスも同様です。
見た目も含め不衛生でもあり、一度取り外しての清掃を行う必要があるなどの手間も生じます。
無垢材テーブルにクロスやマットは使用しても良いのか
実際、私ども家具蔵においてもテーブルマットの使用についてご質問を頂くケースは多々あります。
これについての回答は「基本的にはNG」です。
それには以下の理由があります。
まず、テーブルクロスではここでお話ししたように折角の木目や木の表情がすべて隠れてしまうことがあります。
私ども家具蔵は原木仕入れにこだわり、木目もデザインとして表現するような家具づくりを行っており、特に一枚板などの自然に生まれた痕跡がそれ自体の価値となるようなものならなおさらです。
折角選んでいただいたものを隠してしまうのはやはり勿体ないと考えるためです。
また、無垢材が持つ、木が持っている手触りや温もりを感じにくくなることを避けるためでもあります。
さらにいえば、特にテーブルマットでは通気が上手く効かずに変形や変色、カビの発生などが起こる可能性があります。
ですので、使用するとしても長時間の使用は避け、食事や作業時のみにしていただくようなご案内を行っています。
無垢材テーブルにはランチョンマットやコースターがお勧め
無垢材テーブルのキズや汚れといった傷みの予防にはランチョンマットやコースターの使用がお勧めです。
ランチョンマットは1人につき1枚用意されるもので、コンパクトにデザイン性を楽しむことができます。
当然、テーブルの天板部に露出している部分も多くなるので木目や表情を楽しむこともできます。
ランチョンマットやコースターには汚れに強いものも多数あり、テーブルクロスと比較した際にもサイズ的に柄や色が前面に押し出されることなく(つまり空間コーディネートを破綻させない)、むしろアクセントとして使用しやすい点も魅力と言えます。
安価なものでも良いものがたくさんあるのでバリエーションを揃えるのも良いでしょう。
無垢材テーブルの傷みは直すことができる
また、無垢材テーブルは「削り直し」を行うことでメンテナンスが可能なものです。
傷みが出た場所、あるいは全体を研磨して仕上げ塗装をし直すことで生じた傷みは無くなります。
そのことから傷や汚れはある意味では一過性のものである、と言うこともできます。
仮にキズなどを放っておいても、それ自体も無着色仕上げのものであれば時間によってテーブルそのものの色味が美しく変化することで決して嫌なものにはならず、むしろ味わいにも昇華するのが無垢材テーブルなのです。
以上の点から無垢材テーブルに対してテーブルクロスやテーブルマットを使用するのは「決して完全にダメというわけではないがそれなりのリスクや手間がある」ということとなります。
そのうえで無垢材テーブルはキズや汚れが生じても綺麗に補修することができるので、ランチョンマットやコースターを上手く活用しながら、木目や表情、木の質感を存分に楽しんでいただければと思います。
また、「ウレタンクリアフィニッシュ」「オイルフィニッシュ」といった仕上げ塗装の方法でも若干使用に際しての注意点は変わりますので、それらも含めて家具蔵ではご案内を行っています。
お気軽にお声掛けください。
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