無垢材家具を選ぶときに知っておきたいこと
2022.7.3
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家具の購入を検討するタイミングは、長い人生の中でも節目と呼べる大きなイベントが関係することが多いのが特徴です。
家電製品や日用品と違い、頻繁に買い替えるような物では無いので、長く愛着を持って使える物を選びたいものです。
木製家具の中でも、無垢材の家具は天然の木材の豊かな表情や質感を味わいながら使い込むことの出来る、生涯を共にできる道具といえます。
この無垢材家具を選ぶポイント、いったいどこにあるのでしょうか。
無垢材と化粧材
無垢材とは簡単に言うと「木のかたまり」のことを指します。
当然のことながら彫刻刀で削っても、鋸で切っても、中まで全部ウォールナットならウォールナット、チェリーならチェリーで、違う木材が出てくることはありません。
無垢材の対義語に化粧材という言葉があります。
木のかたまりである無垢材に対して、化粧材とは芯材と呼ばれる木質系材料(木材を粉状にまで細かくして圧縮したMDF、繊維状に解して圧着したパーティクルボード、枠を作ってベニヤを貼り付けた中空構造のフラッシュなど)の表面に突板(つきいた)という1mm以下の厚みの木材のシートを貼り付けたものです。
両者で作られた家具を見比べると、一見して大きな違いは見受けられません。
ですが、よく見てみると、無垢材家具には木が育つ中で生まれた節影や樹液痕などがあり、天然木の持つ様々な表情が随所に表れているはずです。
対して化粧材家具はどこかスッキリとしていて、同じような木目が連続し、人工的なイメージを受けるかもしれません。
化粧材の表面に貼り付ける突板の製造は、丸太を巨大なローラーで回し、桂剥きのようにシートを大量に作るのが一般的です。
無垢材と比べて丸太から取れる面積は膨大になるので、人によって好みの分かれる木材の持つ特徴的な模様や木目などの部分は取り除いて、スッキリとした木目のシートが工業的に作り出されるからです。
キャラクターマークとは
そこで、スッキリとした表情の木目が好きだから化粧材家具にしようというのは些か早計です。
無垢材家具と化粧材家具では10年、20年後に違いが出てくるからです。
例えばダイニングテーブル。
どんなに大切に使っていても、傷をつけてしまったり、汚れがついてしまうことがあります。
木の「かたまり」である無垢材は、中まで同じ素材で出来ていますので傷が付いたところで違う木の色が見えたりすることはありません。
汚れが浸み込んでしまったとしても、削り直しを行えば新品同様に蘇るのです。
対して化粧材で作られたテーブルに傷が付いてしまうと、中からベニヤの色が見えたり、表面のシートがめくれあがってしまう事もあります。
化粧材家具の表面がボロボロになったところで、テーブルとしての機能が失われるわけではありません。
壊れたわけでもありません。
一方で、この「壊れたわけではない」という理由から、「ボロボロだけどまだ使えるから使う」という考えで使い続けている家具に愛着は感じにくいものです。
そして無垢材家具には必ずと言って良いほど独特の表情が付いてきます。
木が成長する環境や過程で生まれた模様や表情のことで、これを「キャラクターマーク」や或いは「杢(もく)」と呼びます。
これらは決して無垢材の欠点ではなく、天然木の生きざまを想像させる自然が生み出した豊かな個性です。
この世に1つとして同じものがない、個性豊かな無垢材家具だからこそ、何十年という長い年月でずっと愛着を持って使い続けられるのではないでしょうか。
無着色であること
ここまで無垢材が長く愛着を持って使い続けることができるという話をしてきましたが、もう一つ忘れてはいけない大切なポイントがあります。
それは無着色であるということ。
無垢材には傷すらも味わいとして許容し、使い込んだ良さへと昇華してくれる懐の深さがありますが、これを適えるのは色を塗らないというシンプルな条件があります。
折角本物の木材を使っていても、当然表面に着色を施してしまうと傷が付いた部分は色が剥がれていき、劣化の一途をたどります。
木材の持つ美しい表情を感じながら、世代を超えて受け継いで使っていける無垢材無着色の家具を選ぶことを強くお勧めします。
私ども家具蔵では世界中から厳選した銘木を使い、無垢材無着色の家具を受注生産で作り続けています。
熟練の職人がチェア、テーブル、ソファ、収納、ベッド、キッチンなど様々な家具を作るために木材を適材適所余すところなく使います。
色を塗らない無垢材は、美しく力強い天然木ならではの表情が豊かに感じられ、また経年によって色に深みも出てきてより一層愛着を持って使い続けることができます。
家具蔵各店には木材に対する深い愛情と知識を持ったスタッフが常駐し、皆様の人生の中でも大きなイベントとなる家具選びをサポートします。
展示してある家具に触れ、椅子に座ってみてください。
皆様のお越しをお待ちしております。
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