生活動線を確保したレイアウトで快適な暮らしを
2022.6.26
目次
心地の良い家具レイアウトには「動作寸法」の把握が大切
住み心地の良い空間に必要なもの。
座り心地の良い椅子、広々としたテーブル、ソファやベッドはふかふかで、片付けやすい収納も欲しいところ。
もちろん、お気に入りにデザインで見て、使って気持ちが良くなる、そのような家具に囲まれた空間は間違いなく「心地の良い空間」です。
そのような家具を揃えても、サイズや配置を間違えると、室内の回遊に不便を感じたり、家具同士が妙に近く感じて圧迫感を感じやすくなってしまいます。
適切で心地の良い家具レイアウトを実現するためには、適度な距離感を保った配置とそれを可能にするサイズ、そして最低限必要な「動作寸法」の把握が大切です。
回遊動線の重要性
家具の大きさや配置などに気を付けないと、気に入って購入したはずの家具も不便に感じてしまったり、部屋そのものを過ごしにくく感じてしまうようなこともあり得ます。
よく耳にするであろう「生活動線」とは、室内においてそこで暮らす人が移動する際に通るルートを「線」にしたものです。
例えば「家事動線」とは炊事や洗濯のなどの家事をする人が移動するのに通過するスペースとなります。
この回遊動線が余裕のある、あるいはきちんと計算されたものであることは空間内における移動がスムーズで行動しやすいことを意味します。
快適に暮らすために事前に自身の暮らしに必要スペースとその寸法について知っておくことで、これからの家具選びや模様替えにもきっと役に立つはずです。
ダイニングスペースにおける「必要な」動線と余白の数値
ダイニングテーブルとダイニングチェアが配置されているダイニングスペースは食事をするために毎日のように行き来をする場所なので、テーブル周辺の余裕のある動線の確保は日々の暮らしを快適に過ごすためにはとても重要です。
この場所における必要なスペースを理解することで、住まいに最適なダイニングテーブルやチェアを選ぶのにも役立ちます。
まず、「人が通過するのに必要なスペースは60cm程」という部分を鉄則として留意しておきましょう。
これはその他のスペースや家具の配置においても確保しておかなければいけない「余白」として必須の数字となります。
ですので、テーブルと壁や窓の間は60cm程あれば回遊が可能となるわけです。
テーブルの傍にソファや収納などの家具がある場合には100cmほどのスペースがあれば見た目の上でも圧迫感を感じにくく、回遊に関しても2人が互いにすれ違うことのできる余白となります。
60cm離れていれば人の通過は可能ですが、そこから他の家具を見た際にあまりに近く感じすぎる、というわけです。
ダイニングテーブルにはダイニングチェアが付き物です。
ダイニングチェアには肘掛け無し(アームレスチェア)と肘掛け付き(アームチェア)がありますが、いずれにしても椅子を出し引きするためのスペースは必要です。
椅子の「引きしろ」に必要な数値は
この椅子を出し引きするためのスペース=「引きしろ」はアームレスチェアの場合は約60~70cm、アームチェアの場合は80~90cmの「引きしろ」が必要となります。
テーブルはサイズ選びに際して「大きすぎた」「小さすぎた」という失敗が多い家具です。
これらの数値を知っているだけで、ダイニングテーブルのサイズ選びの失敗を減らすことができます。
人ひとりが通れるよう最低寸法は60cm程ですが、洗濯物などを運ぶような、つまり両腕がある程度広がった状態での動線を考慮した場合には90cm程度を確保できていると余裕が生まれます。
リビングの動作寸法と回遊動線
リビングスペースでゆっくりとした時間を過ごす人は多いでしょう。
ソファで寛ぎながらテレビを観たりしていても、そのまわりを他の人が移動することも多い場所です。
だからこそ、リビングの生活動線と家具との距離など基本的な数値を知っておきましょう。
ローテーブルとテレビボードの間は、一般的に引き出しをあける動作スペースとして約90cmが必要です。
ソファとローテーブルの間は約30cm、床に座って作業をする場合は45cm程あると作業がしやすくなります。
また、意外と見落としがちな窓まわり。
窓の開閉は、窓の正面に立った際に45cm程が窓の開閉に必要なスペースとして必要となります。
さらにカーテンは布の厚さやひだにより20cm前後前に張り出すこともあるので、その点もふまえ、家具配置を考える必要があります。
サイズ選びの失敗を防ぐ「3Dプランニング」
誰もが「快適な空間で生活したい!」と思うものです。
家具を購入するために、いざ店舗に行くとすごく迷ってしまったり、購入した後に置いてみると意外と圧迫感があるなど、「この家具が自分の家に合うのかどうか分からない」というのが、家具選びで悩む要因の1つです。
店舗に行くと店内が広く、天井が高かったりするなどイメージが湧かないという人も多いのではないでしょうか。
サイズの問題は家具選びには付き物です。
家具購入後にサイズに関する失敗が無いようにするための対策として「3Dプランニング」がおすすめです。
3Dプランニングは、家具やインテリア購入前に実際の部屋を模したCG空間で家具の配置イメージを共有したり、サイズ感をチェックできるものです。
これにより室内におけるレイアウト予定の家具のサイズ感も分かりやすくなり、家具と家具の間がどのくらい空くのかなどが確認することができます。
家具の色合いと空間の相性も含め、全体の印象を客観的に見ることができるため、部屋作りをする上でとても便利なツールのひとつです。
また、作成した3DはテレビやPC画面で角度を変えて自由に見ることができます。
部屋に入ったときの視点、ダイニングからの視点など実際の暮らしの中で生まれる視点を再現しながら家具のレイアウトを確認することができます。
普段の暮らしを営むなかで家具のレイアウトを変更することはそう頻繁に行われるものではありません。
機会が少ないからこそ「最初が肝心」です。
私ども家具蔵でも専門スタッフが日々の暮らしを快適に送ることができるサイズを念頭に置いた家具選びをサポートします。
無料での3Dプランニングも行っているので、お気軽にご相談ください。
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