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ダイニングチェアは「揃いのデザインでなくても良い」理由は

2022.6.5

 

 

複数のダイニングチェアを異なるデザインとすることも多くなってきている


 

 

いわゆる「ダイニングセット」という言葉を目にする、あるいは耳にするとひとつのテーブルを複数の「同じデザイン・同じ色」の椅子が囲んでいるものを想像する人も多いことでしょう。

そのとおり、ダイニングテーブルには、それとデザインやテイストを揃えた椅子を合わせるのが一般的なスタイルと言えます。

そして、その椅子は複数あるのであれば、そのデザインや色合いがすべて「揃っている」ものでないといけない、と考えてはいないでしょうか。

ダイニングテーブルと椅子、つまりダイニングチェアを同じデザインやテイストのものでセットで揃えると、まとまりのある印象になり、それは往々にして良い印象を与えます。

人は統一感のあるものには好感を抱くためです。

しかし、現代のダイニングセット選びは、あえてダイニングテーブルとダイニングチェアの雰囲気を異なるものにする、あるいは複数のダイニングチェアを異なるデザインとすることも多くなってきています。

それはダイニングテーブルやダイニングルームの役割が以前とは変わってきていることや、個々に異なって当然である「座り心地」が重視されるようになってきたことにも起因します。

 

同じダイニングチェアで揃える考え方が始まった理由とは


 

 

日本では、長い間、座卓を囲んでの床に座って食事をとるスタイルが主流でした。

しかし、戦後の住宅改革にともなうダイニングキッチンの定着は特に高度成長期にわたって爆発的に国内に広がり、椅子に座ってテーブルで食事をするスタイルも決して珍しいものではなくなってきました。

それは今まで無かった生活スタイルの広がりを意味し、家具業界は「ダイニングテーブル」と「ダイニングチェア」の生産を増やすようになります。

そのような流れの中で求められることは、生産の効率化でした。

より多くの家庭の需要を満たし、業績を上げるべく行ったことはいわゆる「セット売り」であり、同じものをたくさん生産することです。

そのスタイルでの販売方法が主流となれば、今よりも情報を得る機会の少ない時代の消費者はそれが当然と思うようになります。

また、大量生産を行うなかでは家具は「着色」されることも多くなりました。

特に木製のものは着色することで木の木目や色目を整える必要はなく、大量生産は容易になります。

大量生産と着色を施さないことでデザインやテイストを揃えたものを前面に押し出すことは、いつしか「ダイニングテーブルとダイニングチェアは揃っていないといけないのでは」という考え方を定着させ、「ダイニングチェアも揃いのものでないといけない」というのが定番の選び方となったのです。

 

ダイニングチェアにも自分に合ったものを求めるようになってきた


 

 

時代は進み、最近ではダイニングチェアを揃えない、もしくは揃っていなくても良い、という選択をする人も多くなっています。

「揃えない」「揃えなくても良い」と考える人が増えてきた最大の要因は、多くの人が椅子選びの本質を理解しはじめたからではないでしょうか。

椅子の本来の役割は、着座することによって体の負担を減らす道具である、というものです。

インテリアである以上、デザインや見た目は非常に重要ですが、椅子は人が身体を預けて寛ぐものであり、その前提がしっかりと確立されているべきです。

たとえ家族であっても体型も違えば、その場所での過ごし方、過ごす時間などもそれぞれです。

いわゆる「座り癖」というものもあるでしょう。

さらには現代においてダイニングテーブルは非常に多用途な家具となっており、リビングダイニングで過ごす時間も長時間化しています。

ということはそこで使用するダイニングチェアに座っている時間も長くなるわけで、それぞれ自分に合ったものが欲しくなるのは当然の流れとも言えます。

その結果として、ダイニングチェアはデザインが揃っていなくても構わない、と考える人が増えてきたのです。

 

使い勝手を考えて椅子を変える考え方


 

 

また、ダイニングチェアを暮らしの道具として見た場合に、その使いやすさや機能性は軽視できません。

例えば、肘掛けのあるアームチェアはその場で寛ぐには非常に有能なものとなりますが、立ったり座ったりが多い場合には、肘掛けの分だけ椅子を後方に出さなくてはいけなくなり、これが特に慌ただしい朝や食事の準備で忙しい場合にはちょっとしたストレスにもなります。

そういったことから同じテーブルでキッチンに近い方にアームの無いアームレスチェアを、キッチンから遠い方に寛ぐことのできるアームチェアを置く、というスタイルをとる人も多くいます。

 

統一感を出すには樹種さえそろっていればOK


 

 

統一感というのは空間を演出する上では、比較的容易に上級感を演出できるものとしては押さえておきたい要素です。

ダイニングでこれを行うのであれば、ダイニングチェアのデザインを揃える必要こそなくても、色合いを揃えることで空間に落ち着きと統一性が生まれやすくなります。

例えば、色合いやテイストを揃えておけば、仮に4つの椅子が全て異なるものだったとしても決してちぐはぐな感じにはなりません。

私ども家具蔵のような無着色で無垢材家具をご案内している家具販売店では木の種類、つまり「樹種」を揃えておくことで全体に調和がとりやすくなります。

それさえ守っておけば、ダイニングチェアのデザインがすべて異なっていても問題は無いのですが、やはりある程度揃っていた方が安心する、ということであれば2脚ずつ変える、などの規則性を持たせると、座り心地や使い勝手も満たしたうえで統一性をより出しやすくなります。

 

セット販売のものは量販品になることも多く、その場合はコスト面を抑えることもできるでしょう。

また、色々と探す手間や時間を掛けずに済むというメリットもあります。

しかし、一方で整ったダイニングセットは空間を彩るインテリアとしては、どこか味気なさを感じてしまうこともあります。

最近、街中のカフェやインテリアショップなどで、「あえて揃えない」チェアの組み合わせをよく見かけます。

海外のインテリアでよく目にするこのスタイルは、逆にこだわりや洗礼された印象を与えます。

また、一脚一脚、気に入ったデザインや自分に合った座り心地のものを選べるという楽しさもあります。

座り心地の良いダイニングチェアは、その場所での居心地よさを生み出します。

家族皆が居心地の良いダイニングとなるような椅子選びを行って、日々の暮らしをより快適なものにしてみませんか?

 

家具蔵の無垢材ダイニングチェアのご案内はこちらから

 

 

 


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