「節あり」を楽しむ一枚板の選び方
2021.10.21
目次
自宅はお気に入りのもので揃えたい
自宅という世界に一つの空間は、やはり世界で一番落ち着く、そして自身の気に入ったものが揃った場所であってほしいもの。
寝室やキッチン、バス・トイレなど部屋ごとにその役割は異なりますが、どの空間であっても、そこをお気に入りのもので飾り、居心地の良い空間にしたい、という人は多いでしょう。
しかし、それが何らかの事情で叶わない場合、あるいは優先順位をつけるのであれば、まずリビングダイニングをどのようにするかを考えていくこともまた多いはずです。
住まいの中で過ごす時間は少し前より確実に増えています。
家族が集まり、長い時間を過ごす場所を良くすることは自宅で過ごす時間の充実度や快適性を確実に高めます。
LDの「華」であるダイニングテーブルは無垢材で
リビングダイニングの「華」といえばやはりダイニングテーブルでしょう。
空間の中で大きなスペースを占め、今や食事だけでなく家族それぞれが個々の作業を行い、ゲストにも対応する場所の選定に時間とお金を掛けるのは理に適っています。
空間に対して丁度良いサイズを選ぶことが重要であることは言うまでもありませんが、どんなものを選ぶのか、という点も「お気に入りのものがある空間=心地の良い空間」には欠かせない要素です。
そんななかで無垢材のテーブルを選ぶ人が確実に増えています。
無垢材テーブルはしっかりとしたつくりや厚みのあるものであれば、耐久性に優れ、長く愛用することが可能です。
無着色で仕上げたものはメンテナンス性に優れ、経年変化による風合いの変化を楽しむこともできます。。
世代にわたって引き継ぐこともできるような高寿命の家具は確実に「空間の顔」となってくれます。
一枚板テーブルが人気のある理由とは
そんな無垢材テーブルでも、とりわけ一枚板天板を使用した「一枚板テーブル」は不動の人気と憧れの対象となっています。
読んで字のごとく、切り出された一枚の無垢材をそのままテーブル天板として使用する一枚板テーブルは、人の手やまして機械では表現できない独特の形状と、ひとつひとつ異なる木目までがデザインとして昇華し、それぞれの魅力を放ちます。
100年を優に超えるような高樹齢のものからしか採ることのできない希少性、また、自身が選んだものがそのままテーブルとなっているという背景や、その木独特のエピソードなど「語る」ことができる点、そして「一枚板」という名前が持つ響きそのものが多くの人を魅了しています。
一枚板天板の個性を表現する「節(ふし)」とは
一枚板天板を選ぶ要素は様々です。
樹種とその違いに伴う色味や空間との相性。
サイズや表情。
あるいは価格。
ひとつひとつが違う個性を持っており、自然の営みの中で生まれたものに、評価の基準はあっても優劣はありません。
ですが、厳しい自然のなかで長年生きてきたものですから、いわゆる「穏やか」な表情のものや、形状が直線に近いものはなかなか出てきません。
そうしたものは希少であり、より高額であることが多いのですが、そうではない「独特の個性」を持ったものもやはり味わい深いもの。
それは「唯一無二」である一枚板天板を選ぶうえでは重要な要素であり、その「個性」が自分だけの一枚を選ぶ大切な基準ともなるのです。
その個性にも様々なもの、そして呼び名がありますが、そのひとつに「節(ふし)」があります。
「節」とは何?節があることは良いこと?
ここで木材における「節」とは、どのようなものかをみていきましょう。
原木から板や柱を切り出したときに現れる枝の断面、それが節となって現れます。
板材を目にした際に気付く円形に近い茶色や黒の模様の存在。
これが「節(ふし)」です。
節とはおおまかにいうと「枝が生えていた名残り」です。
言うまでも無く、樹木はあらゆる方向に枝を伸ばし、葉を茂らせることで効果的に光合成を行います。
その「跡」ですから節の存在は木材にとってごく自然なものです。
日本では従来、節のない木材が好まれる傾向にあります。
節の数や大きさは材木の美観の判定項目にもなっていて、一般に節の少ないものの方が高額で取り引きされています。
しかし、ものの価値観が多様になり、また、自然志向の高まりの中で「木に節があるのは当たり前」という考えも徐々に根付いてきています。
節が多い木材を選ぶことが決して「安物を選んだ」ことではなく、デザインや個性・好みを表現する手段となってきている今、いわゆる「節ありの(あるいは節が多い)一枚板」を選ぶことは、決して珍しいことではなく、スタンダードにもなってきています。
また、節ありの一枚板でもそれがデザインや個性となり、美しさを演出するものも数多くあるので、敢えてそうしたものを探す人も多くなっているほどです。
節の種類を知る
この節には大きく分けて「生節(いきぶし)」と「死節(しにぶし)」があります。
生節は成長し続けていた枝が幹に包まれているもの、死節は枝が枯れるなどの理由で成長が止まった状態で幹に包まれていた部分です。
他にも「抜け節」といって、死節の部分が抜けて穴が空いている節の跡を指します。
この抜け節には埋め木を入れたり、樹脂でその穴を埋めたりすることで、逆に装飾性を演出することもあります。
(樹脂埋めには割れている部分を埋めるものもあります)
また、「無節(むぶし)」は節が無いもの。
「葉節(はぶし)」は3mm以下、あるいは前後の小さな節で、小さなえくぼのような点が現れます。
一枚板を選ぶ際にはそのサイズや樹種、木目や形状など様々な要素が存在します。
しかし、節の有無、そしてその大小でもその表情は大きく変わり、その根拠を知ると節をデザインのひとつとして楽しむだけでなく、生きてきた環境や成長過程にも思いをはせることができ、より愛着を持てるものとなるはずです。
家具蔵各店では数多くの一枚板天板を常時展示しており、そのどれもが語るべき逸話や個性を持っています。
その中で自分とフィーリングの合う一枚に出会うために、家具蔵スタッフに声をかけてみてください。
一枚一枚にそれぞれの魅力が存在し、より一枚板天板選びが楽しくなるはずです。
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