「無垢材」でおすすめの樹種は何?
2021.6.2
広葉樹は家具に適している
木には針葉樹と広葉樹の2種類が存在します。
無垢材とは原木(丸太)から切り出したままの自然な状態の木材をさしたものですので、無垢材にも広葉樹からできたものと針葉樹からできたものとがあります。
針葉樹はきわめて原始的な構造をしている木で、木部のほとんどが仮導管とよばれる組織で成り立っています。
針葉樹は一般的に軽くて柔らかいという性質があります。
代表的な針葉樹としてよく挙げられるのは、スギやヒノキ、マツなどです。
日本には、近隣の山々で多く存在するので馴染みのある木ともいえるでしょう。
これらの木が製材され家具材となった際に、実際に手に持ってみると分かりますが比較的軽いのが特徴です。
ホームセンターなどでも手軽に見かけることが出来ますが、大人であれば比較的大きい板でも容易に持ち上げることができる程です。
表面の柔らかさがどのくらいかというと、爪を立てて押すと簡単に跡がついてしまうほど。
一方、広葉樹の場合は針葉樹より複雑な組織構成をしています。
木部の他に導管と呼ばれる水分や養分を運ぶ管が通っていたりもします。
人間でいう血管のようなものと言えば、想像がつきやすいかもしれません。
複雑な組織構成であるがため、製材した板は針葉樹に比べて硬いのが特徴です。
同じように爪をたてて押してみてもすぐに傷や凹みが出来ることはありません。
つまり、家具材として使う場合、広葉樹をオススメする理由はずばり表面の硬さとその複雑な構造にあります。
家具に使われる代表的な木材は、ケヤキ・ナラ・タモ・ウォールナット・チェリー・メープルといったものです。
広葉樹の中でも樹種によって重さや硬さに違いはありますが、家具材として使う分には、そこまで影響がでる差ではなく、樹としての優劣もありません。
樹が持つ色合いや経年変化(エイジング)により、選ぶことが主流となっています。
今回はインテリアコーディネートの観点で、代表的な樹種を紹介していきましょう。
世界三大銘木のひとつ「アメリカンブラックウォールナット」
家具、建材に使用される「アメリカンブラックウォールナット」といえば、クルミ科の植物で、家具や床材の他、楽器の素材としても幅広く使用されています。
色合いとしては、辺材と心材の相接する部分は明瞭で、辺材は灰白色、心材は濃い茶色、黒紫色、赤紫色、紫色を帯びた灰色があります。
「七色の色を持つ樹」とも言われています。
青紫色を帯びた色彩のグラデーションの模様は、芳醇な味わいと豊かな表情を楽しめるのが特徴です。
「アメリカンブラックウォールナット」の特徴は、「耐衝撃性に強い」「木肌の美しさ」「狂いが少なく加工性に良い」といった家具づくりに不可欠な要素を兼ね備えています。
その為、高級家具や嗜好品の材料に使用される特徴を有しています。
適度の油分を含んでいるので、ツヤ感もあり、人が触れて使い込んでいくことで味のある風合いになっていき経年変化(エイジング)を堪能できる素材です。
このアメリカンブラックウォールナットいう材料は、例えばオークなどに比べ樹径が小さく、表面に近いところは白い為、濃い茶色の部分が限られている事から高級な家具工芸材として使用されています。
かつては適度な粘りからくる耐久性の高さや、軽めで狂いの少ない硬質感という利点を最大に活かし、飛行機のプロペラ等にも使用されていました。
インテリアにおいては、「シックでモダン」「大人の空間「落ち着いた空間」というキーワードで空間づくりをしたい方にお勧めの樹種です。
「経年変化」で色彩の変化を楽しめる「アメリカンブラックチェリー」
どんな空間にも美しく調和するアメリカンブラックチェリー。
使い込むほどに光沢を放ち、くつろぎの空間に華やかさと温もりを演出してくれます。
北米大陸には約30種のサクラ類があり、その中でも絶大な人気で最高の木材のひとつとして数えられるのが、アメリカンブラックチェリーです。
この種は、日本のヤマザクラなどと同じくバラ科に属しています。
最近人気のアウトドアでは、木片は燻製の時にチップとして使うと、料理をほのかな香りと味に仕上げることができます。
また、日本のサクランボより黒みの強い赤黒い「アメリカンチェリー」が実ります。
経年変化により、劇的に変色しやすい木肌の色が特徴。
淡い薄桃色が飴色風の濃い赤褐色になり、無垢材ならではの特性を実感することができます。
材面は緻密で滑らかな木肌を持ち、磨くだけで美しい光沢が増し、水に強く耐久性にも優れています。
また、生長の過程や気候の変化で起こる、「さざなみ紋(リップルマーク)」と呼ばれる独特の紋様が表れることもあり、美しい表情が多くの人を魅了しています。
樹液を多く含んでいるため、生命力の強い木ほど黒い斑点「ガムポケット」が見られるのも特徴です。
生き様を木目に残すことで、チェリー独特の存在感を強調し、時を重ねじっくりと楽しめる木材として、世界的に高い人気を集めています。
インテリアとしては、「暖かみのある空間」「安らぎや寛ぎ」「優しい空間」というキーワードがあれば、お勧めです。
今回は、有色素を持つ世界的に有名な2つの樹種のご案内しました。
無垢材ならではの色調の変化を楽しみことが出来、空間に程よいアクセントをもたらすことができます。
家具蔵では、アメリカンブラックウォールナット(通称:ウォールナット)、アメリカンブラックチェリー(通称:チェリー)はほぼすべてのラインナップで製作でき、店舗にも多くのサンプルを用意しています。
もちろん、それ以外の特徴が異なる全8樹種で家具の製作が可能です。
本物の家具を是非ご体感頂けると嬉しいです。
家具蔵の無垢材ウォールナット家具のある暮らしの事例はこちらから
関連する記事
最近の投稿
- 対面式キッチンが主流になった時期と理由は 2024年12月11日
- 「カバとサクラ」~なぜカバがサクラと呼ばれるのか~ 2024年12月9日
- 【吉祥寺店臨時休業のお知らせ】 2024年12月7日
- 環孔材・散孔材の違いとは 2024年12月6日
- ラウンドテーブルのサイズ選びの正解は? 2024年12月4日
- 作業しやすい無垢材デスクのサイズとは? 2024年12月2日
- 現代のキッチン事情はどう変わった? 2024年11月30日
- ソファ選びはクッションの内部材を知ることから始める 2024年11月28日
- 後悔しないオーダー家具の選び方 2024年11月26日
- ダイニングテーブルを選ぶ際の「5つ」のポイント 2024年11月24日
カテゴリー
- 家具の選び方・置き方 (1,573)
- インテリア&住宅情報 (639)
- 人と木と文化 (397)
- ニュース&インフォメーション (441)
- オーダーキッチン関連 (406)
- 一枚板関連 (635)
- オーダー収納関連 (616)