デスクとチェアの使いやすい「高さの関係」とは
2021.4.12
依然続くコロナ禍。
昨年から「在宅ワーク」「テレワーク」といった言葉もよく聞かれるようになり、実際にそのような働き方を行っている方も多くいるのではないでしょうか。
自宅がオフィスになる、ということは自宅にあるテーブルやデスクが現場となり、周囲の収納家具が書類や使用するものの保管場所となります。
インテリア性と使いやすさを求めて、家具蔵でも多くの方からデスクやオーダー収納家具のご要望をいただいています。
そんな自宅での作業の効率化には様々なポイントがありますが、その一つが「デスクの高さ」と「チェアの座面高」の関係性。
これが適正であることで疲れにくく、作業もしやすい、そんな環境が生まれるのです。
今回は知っておくと必ず得をする「デスクとチェアの高さの良いバランス」についてお話していきます。
使いやすさと人間工学
「使いやすいデスクの高さは?」と聞かれてもあまりピンとこない人も多いでしょう。
そこにデスクがあるからそれを使う、お店で売っていたからそのまま使用する、というのはある意味当然のことです。
しかし、そんなデスクたちもある基準に基づいて、その高さを決めたうえでつくられています。
それが「人間工学」。
いわゆる、人の動きや身体を研究し、自然な動きや状態で使えるような設計とデザインを行う分野です。
これが活かされたものはそうでないものと較べ、操作や動作が格段に容易になります。
この人間工学からその人に適切な椅子の座面高を割り出すことができ、そこからそれに合ったデスクの高さを割り出すことができます。
椅子から決めるか、デスクから決めるか
ここまで読んで「では、椅子の高さが決まらないとデスクの高さは決まらないのか」と思ったあなた。
それはそのとおりでもあり、それに限ったものでもありません。
デスクやテーブルの天板高から椅子の座面高までの距離を「差尺」といいます。
着座時には自然な肩の高さを保つことができ、不自然に背中が丸まったりせず、つまり疲れにくい姿勢で食事や作業ができることが理想です。
通常、そのためのこの差尺は「28~30cm」がベスト、と言われます。
例えばデスクの高さが72cmであれば、合わせる椅子の座面高は42~44cmが妥当というわけです。
つまり、手持ちのデスクや購入を検討しているデスクから選ぶべき座面高の椅子を選べばいいわけで、そうするとデスクから決めても良いことになります。
椅子から決めるほうが良い理由
ですが、椅子は身体を預け、自重を支えるものです。
一般的な椅子では背もたれ(背中)、座面(お尻・太もも)で自重を支えます。
アーム(肘掛)があるものはそこでも身体を支えることが可能です。
そのうえで理想なのは自身の足裏が床に着くこと。
そうすることで足の裏へも体圧分散が可能になり、より疲れにくい作業が可能になります。
自身の足裏が床に着く椅子の座面高が38cmだったとしましょう。
これを先程の理論に当てはめると、最適なデスクの天板高は「66cm~68cm」となります。
反対に72cmのデスクでは椅子が低すぎて、不自然に肩が上がるような作業を強いられます。
また、椅子には当然「幅」があります。
この幅が予定していたデスクの脚間に入らないこともありえます。
そうしたことをふまえていくと「どちらが先か」という点では「椅子を先に決めた方が良い」となるのです。
家具蔵ではこうしている
その人が心地よく感じる椅子、疲れにくいと感じる椅子は様々です。
当然、そこにはいろいろな座面高があり、それに合うデスクの高さも存在します。
家具蔵がご案内する無垢材チェアについては受注生産であり、ご注文前に靴を脱いだ状態などで床に足裏が着く座面高を確認。
それに応じて脚のカットなどを行います。
デスクについても基本の高さは72cmとなりますが、合わせる椅子の座面高に応じて調整が可能です。
これはダイニングテーブルでも同様です。
このように、デスクとチェアどちらの高さも微調整が出来ますので、自分好みの使いやすいワークスペースを作る事ができます。
デスクを探しに、チェアを探しに行った際は、ついついそのアイテムだけの性能やデザインについて、意識が囚われがちになります。
しかし使いやすさという日々の暮らしの中での快適性のためには、今回記載したような高さと差尺の関係を押さえる必要があります。
自分の身長もふまえ、そして店頭で実際に試してみて、使いやすいか?をしっかり確認しましょう。
そして気に入ったデザインであっても、高さが気に入らない場合は高さ変更などの調整をしてくれるのか、長く使う家具の場合はその点もきちんと質問してクリアにしておきましょう。
せっかくの機会です。
しっかりとした予備知識を持って、快適なワークスペースになる様に自分のデスクとチェア探しに出かけてみましょう。
家具蔵でも豊富なデザインとサイズバリエーション、樹種を組み合わせる事でお客様のご要望に対して、細やかなご提案が可能です。
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