ダイニングテーブルの奥行の基準はこう決める
2021.2.24
ダイニングテーブルの購入を検討する際に決めることは多々存在します。
デザイン、素材、そして大きさ。
そのなかで幅、いわゆる長さについてはよく大きさの基準として語られることも多く、どの程度の大きさが良いのかの検討はつきやすいかもしれません。
しかし、その奥行についてはどうでしょうか。
じつはこの奥行もテーブルを決定し、そのテーブルでの過ごし方や周囲の回遊性も左右する大事な要素です。
今回は、テーブルの奥行の決め方の基準についてお話ししていきましょう。
一般的なテーブルの奥行サイズとは
テーブルサイズの奥行とは、長方形の短い辺のことで、「妻手」や「短手」などと呼ぶこともあります。
これは基本的には「長方形として美しいサイズ」が基準になっていることが多いようです。
例えば幅1400ミリのテーブルなら奥行は800ミリ、幅1800ミリのテーブルなら奥行は900ミリ、幅2400ミリなら奥行1000ミリ…。
これらはすべて「長方形として美しいバランス」から導き出されています。
例えば2メートルを超えるテーブルの奥行が700ミリ程度のものだった場合、だいぶ細長く見えてしまいます。
また、幅1400ミリ程度のテーブルの奥行が1000ミリを超えるものであった場合、そのテーブルは実寸よりも大ぶりなものに映るでしょう。
テーブルはインテリアであり、毎日見るものでもありますからやはり見た目の美しさは重要です。
この美しさを作り上げる要素の一つがこの「縦横のバランス」でもあります。
そして、見た目のバランスだけではないもうひとつの要素。
それは「使いやすい奥行」であること。
では、その使いやすさの基準とはなんでしょうか?
パーソナルスペースという「基準」
人が食事や作業をするのに最低限必要なスペースと言われているのが幅600ミリ・奥行400ミリという寸法です。
カウンターではなくテーブルですから向い合う人がいます。
つまり400ミリ×2=800ミリが向い合う人がいる際のテーブルの基本的に必要な奥行です。
奥行の狭いテーブルはこの向かい合う人同士の距離感が近くなります。
近くなることで作業性を損なうことと互いの圧迫感を引き出すことにつながります。
せっかく食事を楽しみ、皆で囲むはずの場所が狭苦しく居心地の悪い場所になるのは避けたいもの。
テーブルの幅・長さもダイニングでの居心地の良さを作るにはたいへん重要ですが、この奥行も居心地の良さを決定づける大切な部分です。
そして、ここから先程の「長方形としての美しさ」を鑑みて奥行は決まっていくものと考えてよいでしょう。
奥行900ミリであればお互いに必要なスペースにプラスアルファが生まれ余裕が出ますよね。
中央に大きめのお皿を置くことも可能です。
見た目も美しく、使い勝手良く、居心地が良い。
これはテーブルに限らず住空間に必要な要素ですが、一日の多くをダイニングテーブルで過ごすという人こそ忘れてはいけない要素です。
「引きしろ」と「回遊動線」という基準
テーブルには必ずチェアが付いてきます。
そしてそのチェアに座る際、または立ち上がる際にはテーブル下から出したり引いたり、という作業を要します。
このチェアの出し引きに必要なスペースを「引きしろ」と呼びます。
この引きしろ、テーブル後方の壁・窓・収納などから60センチ程が最低基準となります。
これ以下ですと椅子からの出入りそのものが窮屈になります。
肘掛付きの椅子、つまりアームチェアの場合は引きしろが90センチとれるのが理想です。
これだけあれば椅子の出し引きや出入りだけでなく、着座している人の後ろを他の人が通る、といったことも余裕を持って行うことが可能になります。
これはテーブル側面にチェアが無い場合でも同様です。
60センチが人ひとりが回遊できる最低限のスペース、90センチ~100センチが余裕を持って、もしくは一人ひとりがすれ違うことも可能なスペースであることを覚えておくと良いでしょう。
ここを基準にした場合、テーブルの奥行が400×2=800ミリ確保できない場合もありえます。
その時にはどちらを優先するのかをしっかり考え、家具店で相談しましょう。
様々な事例を知るプロであれば、どちらを優先すべきかについて的確な回答を出してくれるはずです。
住まいのかたちはそれぞれ異なり、周囲に置いてあるモノや空間の使い方も千差万別です。
既製品のテーブルでは、そのような空間や個々に異なる希望を交えてサイズを決めるといったことはなかなか難しいもの。
であれば、オーダーメイドで使いやすいサイズのものを手に入れるという選択肢はどうでしょうか?
洋服などは自身が求めたスタイルや目的によって変えることが可能です。
であれば家具にもそのような選択肢があってしかるべきでしょう。
家具蔵ではお客様の住まいや暮らしの状況を細かく伺いながら最適なサイズのテーブルをオーダーメイドでご提案します。
人それぞれの生活スタイルによってモノを選ぶ。
それこそが快適な「居心地と眺めの良い暮らし」を作ることになるのです。
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