ダイニングテーブルの高さの「標準」と「適切な高さ」を知る
2021.2.23
目次
ダイニングテーブルは言わずと知れた食事をとる場所であり、最近は様々な作業を行う場所でもあります。
そんな時、どうも作業がし難い、または疲れやすいと感じているならそれはダイニングテーブルの「高さ」に問題があるかもしれません。
じつはこの「テーブルの高さ」の適正値についてはよく知らない方も多く、ネットなどで確認する人も多くいます。
今回は、そんなダイニングテーブルの高さの標準についてお話ししたいと思います。
ダイニングテーブルの高さの標準とは
国内で生産され流通しているダイニングテーブルの多くは天板の高さが床から「700~720ミリ」程のものが多くみられます。
これは後にお話するダイニングチェアの座面高と密接な関係があります。
一方で欧米メーカーのダイニングテーブルの天板高は720~750ミリ程のものが多くなります。
これもやはりダイニングチェアとの兼ね合いから生まれるものです。
何故このような違いが生まれるのでしょうか?
椅子の座面高でダイニングテーブルの丁度良い高さは決まる
それは体形と生活様式の違いにあります。
一般に日本人と欧米の人では標準的な身長に違いがあり、後者の方が高くなります。
また、日本人が室内で靴を脱ぐのに対し、欧米の人は靴を履いたまま室内でほとんどの時間を過ごします。
ここから生まれるのが「丁度良い座面高の違い」です。
足裏が床に着くのが適切な座り方の条件の一つですが、上記のような理由から国内のダイニングチェアの座面高はおよそ「410~420ミリ」で設計されています。
一方で欧米のそれは「430ミリ~450ミリ」となります。
この数十ミリの差が丁度よいテーブルの高さを決めることとなり、ひょっとしたら今あなたが悩んでいる「疲れやすさ」や「使いにくさ」を解消するカギになるかもしれません。
「差尺(さじゃく)」からダイニングテーブルの高さを考える
椅子の座面高に対して、作業するテーブルやデスクの天板の高さが高すぎると肩が不自然に上がり作業しにくくなります。
反対に低すぎても今度は背中を極端に丸めるような作業が続き、疲れやすくなってしまいます。
この「椅子の座面高」と「天板の高さ」の間隔を「差尺(さじゃく)」と呼び、この数値が適正であれば丁度良い作業性が確保されるのです。
この適正値はおおよそ「280ミリ~300ミリ」といわれます。
この値が守られていれば不自然な姿勢になることなく、食事や作業を行うことができるようになります。
この「280ミリ~300ミリ」という値に照らし合わせると、国内のテーブルの多くが700~720ミリの高さで作られ、ダイニングチェアの座面高が410~420ミリで作られている理由がわかります。
欧米のものも同様で720~750ミリの高さのテーブルには430~450ミリの座面高のチェアが丁度良いということがおわかりになるでしょう。
つまり、普段使っているテーブルやデスクが何か使いにくいな、と感じていたら、テーブルとチェアの差尺が合っていない可能性が大いにあります。
ダイニングテーブルの高さの決め方は?
この差尺を基準にしてテーブルの高さを決める際にはチェアを先に決めた方が得策です。
椅子の座り心地については足裏が床に着いた方が良いというのは先程述べたとおりです。
(その際は靴を脱いで試座することをおすすめします)
当然座面高が高くなれば小柄な方は足裏が床に着きにくくなり、この座面高を小柄な方に合わせる必要があります。
そこが差尺の基準です。
一方で身長が高い人は自分には合わないのでは、と考えることもあるでしょう。
この差尺は普遍的なものでよっぽどの身長差が無い限りはこの差尺が保たれていれば作業しにくくなることはありません。
テーブルの高さを決める際にはチェアの座面高を決めてから、つまりチェアから決めていくのが疲れにくさや作業のしやすさを担保する意味で良いのです。
テーブルのみを買い替える場合
チェアはそのまま愛用のものを使い続け、テーブルのみを変えるということもあるでしょう。
その際には家具店のスタッフにお持ちのチェアの座面高を伝えれば適正なテーブルの高さを教えてくれます。
また、使用中のチェアは足裏が床に着かない、という場合は差尺を優先してテーブルの高さを決定することで作業性は確保されます。
いずれにしてもチェアの高さありきで丁度良いテーブルの高さは決まるのです。
使い勝手の良い高さのバランスを重視することで、居心地の良い、長く過ごすことのできるダイニングができあがります。
たかがテーブルの高さ、と思ってはいけません。
使い勝手と毎日の暮らしのクオリティを左右する大事な要素です。
居心地の良いダイニングには人が自然と集まり、滞在します。
そうして、自然と視線が交わり、会話が生まれます。
テーブルやチェアを選ぶということは、今後そこで過ごす「暮らし」の選択をしようとしているのです。
家具蔵の無垢材テーブルはオーダーメイド。
高さも自由に設定でき、専門のスタッフが丁度良い高さを御提案します。
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