デスクワークに合うチェアの選び方
2020.7.17
最近では自宅で仕事を行うことも増えてきており、いわゆる「ホームオフィス」の見直しをした、または検討中という方も多いのではないでしょうか。
そんな中、家具蔵のお客様からよく聞く悩みは
「今使っている椅子の座り心地が悪い」
「家の椅子は長時間座ると体が痛くなる」
という、「椅子=チェア」に関してのお悩みです。
自宅のそれも改めて長時間座ってみると体に合っていなかったり、作業に向かない、と感じるものもあるでしょう。
では「デスクワークに合うチェア」とはどのようなものが良いのでしょうか。
体に合うものを選ぶ
椅子選び、チェア選びにおいてもっとも重要なポイントの1つが「使用シーンや場所をしっかりとイメージしておくこと」です。
どのようなときに、どのような用途で使うかによって、チェアの形状や使われている素材、サイズ、デザイン、機能など、さまざまな面で選択すべき商品が変わってきます。
主にパソコン作業や事務作業、勉強といったデスクワークを行うデスクに合わせるためのいわゆる「デスクチェア」の類を探しているなら、デザインにこだわったものや多機能なものよりも、シンプルで自分の体にフィットする座り心地の良いものを選ぶのがおすすめです。
仕事や勉強を行っているとつい作業に没頭してしまうことも少なくないので、座り心地のよさを追求することで、長時間座り続けても体への負担を軽減することができます。
体に合うチェアとは?
「人間工学」という言葉を一度は耳にした人も多いのではないでしょうか。
人間工学というのは、人間の体型や動きに合わせてモノをデザインすることで、より活動しやすい環境を作ることを目的とする学問分野のことを言います。
椅子、チェアについて言えば、単に座りやすいというのではなく、長時間座っても身体にかかる負担が少ない、もしくは着座姿勢を続けることによって発生する腰痛を防止したりすることを意味します。
とても幅広い分野の学問ですが、椅子やチェアの分野で言えば、人間の身体的な特性や、着座時の行動などを分析して、快適に使えるもの・健康の維持に役立つものをデザインすることと言えるでしょう。
こうしたことから人間工学に基づいてつくられたチェア=長い時間の快適な着座を約束し、座ることによる弊害(腰痛や血行不良など)が起こりにくいものがそれにあたるというわけです。
例えば身体のラインに沿ってサポートをしてくれるチェア。
立った状態の人間の背骨は独特のS字カーブを描いています。
これが自然な姿勢の状態です。
長時間着座する場合は、この背骨のカーブを保ってくれるチェアに座ると良いということになります。
チェアにおいてこのS字カーブをサポートしてくれるのは背もたれの部分です。
背もたれの下の方が前方に膨らんでいる形状のチェア、つまり背もたれがS字状になっているチェアなら背中のラインにフィットし、腰を支えてくれます。
また、人間の臀部から太腿にかけては曲線です。
平坦な座面に座った場合、出っ張っているお尻部分だけが体重を支えることになります。
そうするとその部分だけに負担がかかり、それが腰痛の原因となる可能性があります。
お尻や太腿の曲線に合わせた座面なら全体で体重を支えることができるので体圧が分散され疲れにくくなります。
さらに作業に没頭すると人間の体は前傾になりやすい傾向にあるため、その姿勢を長時間続けることは猫背の原因とも言えます。
座面後方に向け傾斜が深くなっていると、前傾姿勢になりにくいため、正しい自然な姿勢をたもつことができます。
更に、寝ている間に寝返りを打つように、作業をしている間も体の位置を変えるなど、動かせる面積があると血行が促進され疲れにくくなると言えます。
座面の幅は出来る限り広いものを選ぶと良いでしょう。
家具蔵の無垢材チェアの特徴のひとつにその座面の大きさと削り込みの深さがあります。
特にテーブルと同じ厚みを持つ板から削りだす、圧倒的に「深い」それは、臀部から太股にかけて着座時の体圧が分散されるようになっており、板の座面とは思えないほどの優しい座り心地です。
人間の体型を考えた曲線の数々で構成される家具蔵の無垢材チェアは美しさを持って「座り心地の究極」を表現しています。
素材で選ぶ
デスク用のチェアというと、オフィスでよく見かける金属製やキャスター付の椅子を思い浮かべる方が多いかもしれません。
キャスター付の椅子は座ったまま移動ができるので便利です。
金属製の椅子はオフィスに多いカーペットの上ではすべりがよく、使い勝手が良いのかもしれません。
ただし、金属は何年か使用すると金属疲労により、嫌な音が鳴ったり、キャスターの滑りが悪くなった、ネジが外れてしまったなど不具合が出てくるものです。
そうなると割と頻繁に買い替えが必要になります。
会社の備品として使うものなので消耗品として扱うという考え方=数年単位で買い換える前提なのはいかがなものでしょうか。
もし同じフロアに50人が働くとしたら、数年の間に50脚の椅子が処分されることになるのです。
それがビル1棟、日本全国、と考えていくと恐ろしいことですね。
自宅で使うのであれば、毎日身近な家具を消耗品と捉えるのはさみしい気もします。
無垢材のチェアなら使えば使うほど味わいが増し、マイチェアとして愛着が湧いてきます。
更になるべく金属を使わずに木と木でしっかり組んだ椅子であれば、手を入れながら次の世代に渡せるくらい長持ちします。
その為、最近ではオフィスでも人と環境に優しいチェアとして無垢材の椅子を取り入れる会社が増えてきています。
更に無垢材のデスクと合わせれば木目の揺らぎが目にも心地よく、疲れを癒してくれるでしょう。
自宅で使う場合高さを合わせておけば、来客時の補助椅子としても活躍してくれます。
自宅だからこそ、少し上質な気分を味わえる無垢材の椅子を取り入れてみてはいかがでしょうか。
あるお客様がこう言っていました。
「椅子にはこだわりたいんだ。この先どんなところに住むことになっても必ず持っていける家具だからね」
チェアは生涯のパートナー。
長くともに過ごす存在だからこそ居心地がよく、長く使うことのできる、あなたにぴったりのものを選びましょう。
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