「座る時間」でチェア選びは変わる
2020.4.6
畳、床の生活をしていた日本人も現代では、チェアは暮らしの中であらゆるシーン、場所において使われるようになりました。
デザインだけでも、多くの建築家によって設計され「小さな建築」ともいわれるほど、美しいシルエットのチェアも無数に存在します。
「チェアの選び方」とインターネットでちょっと調べただけでも、デザインで選ぶ、素材で選ぶ、座面で選ぶ、色で選ぶ、サイズで選ぶ、肘掛けの有無で選ぶ、軽さで選ぶ、座り心地で選ぶ、価格で選ぶ、評価で選ぶ…、とたくさんの項目が出てきます。
インテリアに関する情報が多く出回りやすくなった為、何が正しいのか、自分に合っているのか判断する事が逆に困難な状況となってしまっている方も多いのではないでしょうか。
毎日使用していく「チェア」。
「落ち着かないなぁ」「長く座っているとお尻が痛いな」
など、ストレスを感じることは避けたいものです。
今回はそんな「チェア選び」について「座る時間」からのアプローチでお話しをします。
座る時間が「15~30分」の場合のチェアの選び方
短時間の使用を目的とした場合、「スツール」や「サイドチェア」がいいと言われています。
お化粧、ヘアセットなど身支度をする時間などになるでしょうか。
短時間の為、座り方もダラッとくつろぐことは少なく、ビシッと比較的緊張状態を保ち座っているため、あまり背もたれを意識的に使用していることが無いのです。
その為、チェアに優先的に求められる条件としては「テーブルや机の下に納まりスペースを取らない」ことや「立ち座りがしやすい」などと「使い勝手」になってくるのです。
スツールやサイドチェアはコンパクトなデザインが多くスペースをとらない為、置く場所を選ばず、肘掛けが無いことで椅子を軽く引くだけで立ち上がりがしやすいというメリットもあります。
また、サイドチェアなどは市場にも非常に多くのデザインがありますので、使用していない時にインテリアとして楽しめるよう、デザイン重視で選べることもメリットといえるのではないでしょうか。
座る時間が「30~60分」の場合のチェアの選び方
同じ場所に30分以上座り続ける、そんな人は腕が置ける「アーム(肘掛)付の椅子がいい」といわれています。
長い時間座っていると、自然にテーブルや椅子の背に腕を乗せていた経験があるのではないでしょうか。
人の腕の重さは体重の約10%~12%あり、60キログラムの体重の方で約7キログラム、女性でも5キログラム程の重さがあります。
その為、アームの無い椅子に座っていると徐々に腕の重さで肩や腰、首に負担がかかり、無理な姿勢になってしまうのです。
アームが付いている椅子に座ると、自然と置くことが出来、腕の重さから解放されるのです。
前傾を避けることができ、楽でありながらも正しい姿勢で長時間チェアに座ることができるのです。
座る時間が「60分以上」の場合のチェアの選び方
一般的に1時間以上座り続ける場合は、腕が支えられるだけでなく「姿勢を変えることのできるアームチェアがいい」と言われています。
食事後そのままテレビも見たり、晩酌したり、ご家族、ご友人とご歓談したり、お仕事したり、ご趣味をされたりしているとあっという間に1時間経ってしまいますね。
人は、1時間以上座っていると身体を動かしたくなるといわれております。
寝返りと一緒で、同じ姿勢でいる事で滞留してしまう血行を改善しようとする自然行動なのです。
その為、長時間座る際は体をストレスなく動かすことの出来るチェアが良いとされています。
背の高いチェアは肩を逃がすことができない為、脚を前に投げ出して体制を崩した特に圧迫され窮屈さを感じる場合があるのです。
「姿勢を変えることの出来るアームチェア」とは背もたれが低く、体の動きにもフィットしやすい座面の大きなラウンドバックチェアを選ぶと良いでしょう。
日本人の1日に椅子に座る平均時間は約7時間と世界一長いといわれています。
各国の平均が5時間程に対して、日本人は平均7時間というデータがあるほどなのです。
畳、座卓での生活のイメージが強い為、意外と思われる方も多いのではないでしょうか。
パソコンを使用したデスクワークが増えてきていることも要因ともいわれております。
また、生活のスタイルも変化してきており、「ダイニングは食事をするためだけの場所」という認識は減ってきており、チェア、テーブルに居心地の良さと寛ぎを重視し、家族や友人とのコミュニケーションの場として捉えられることが多くなりました。
そしてチェアはただ腰をかける道具でなく、シーンに合わせてより快適に、作業性に富んだものや、ゆっくりリラックスできるチェアを求める方が増えてきていることも要因の一つといえるでしょう。
つまり、1日の約1/3の時間を椅子に座って過ごしている我々にとって、「チェア選び」はとても重要なことなのです。
家具蔵は創業よりチェアづくりには特に力を入れてきた会社です。
人体工学に基づいたモノづくりは、きっと皆様にとっての「マイチェア(MY CHAIR)」を見つけ出すことが出来ると思います。
関連する記事
最近の投稿
- リビング学習の整備には部屋の環境の整理から! 2024年10月15日
- 「庭木」はどう選ぶ? 2024年10月13日
- 椅子は「座面に角度があるもの」を選ぶ理由とは? 2024年10月11日
- なぜ家具のサイズ選びは失敗が多いのか? 2024年10月9日
- 一枚板テーブルが「住まいの顔」となる理由は? 2024年10月7日
- 「椅子から決めれば」テーブルの高さで失敗しない! 2024年10月5日
- ダイニングテーブルは食事以外の活用法も含め考える理由とは 2024年10月3日
- 「一枚板」テーブルと「ブックマッチ」テーブルの違いとは? 2024年10月1日
- ウォールナット材がコーディネート性抜群な理由とは? 2024年9月29日
- 家具の素材は床と同じものを選んでよいのか? 2024年9月27日
カテゴリー
- 家具の選び方・置き方 (1,559)
- インテリア&住宅情報 (633)
- 人と木と文化 (396)
- ニュース&インフォメーション (438)
- オーダーキッチン関連 (403)
- 一枚板関連 (631)
- オーダー収納関連 (610)