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本革・合成皮革・ヌメ革でみる「革」の違い

2019.9.14

本革とは


本マグロ、本仕込み、本枯節など、「本〇〇」と名前が付くとその商品やカテゴリの中で高級なモノ、手間の掛かったモノというイメージが強くなります。

ちょっと贅沢をしたいなという時に同じ棚に、「本〇〇」と付くものと付かないものがあったら「本〇〇」を思わず手に取ってしまう方も多いでしょう。

翻って、本革です。

本革とは「天然皮革」のことを指し示す言葉です。

牛や羊、ワニやヘビなど、動物の皮から作られた革のこと全般を本革(天然皮革)といいます。

主なものには、牛・豚・馬・羊・山羊・鹿・ワニ・ダチョウ・カンガルー・ヘビなど様々なものが本革として使われています。

それぞれの動物やその部位によって、靴や鞄、財布やベルト、洋服やコートなど特性を活かしたものに生まれ変わっています。

例えば、本革でも一番ポピュラーな牛の革も月齢や性別によって名称が変わり、大きく分けると以下の4種類です。

●カーフスキン

生後6ケ月以内の仔牛の革で、現実的に入手できる牛革の中で最上級の素材です。

●キップスキン

生後6か月以上、1年以内の仔牛の革。

●カウハイド

生後2年以上ので、出産を経験したメスの成牛の革。

●ステアハイド

生後2年以上のオスで生後3ケ月から6ケ月の間に去勢された成牛。

一般にもっとも出まわっている牛革です。

 

革の柔らかさやきめ細かさ、耐久性などによって、適材適所とこだわりを持って、革製品が作られています。

私たちの身近にも本革で作られた革製品が沢山あります。

さきにあげたファッション用品のほかにも野球で使う牛革製のグローブ、カンガルー革のサッカー用スパイクシューズが憧れだったり、洗車の後に拭き上げるのはセーム革(鹿)にこだわる人がいたり。

家具蔵のダイニングチェアやソファに使用する張地の革もすべて本革。

丁寧に加工され、グレードの高い箇所を厳選した革は耐久性も発色も抜群です。

 

合成皮革とは


では、本革に対してよく耳にする「合成皮革(合皮)」とは、どのようなものなのでしょうか。

布地(織物)をベースに合成樹脂を塗布して、表面に天然皮革に似せる加工を施したものが合皮です。

合皮にも「PU」「PVC」の2種類あります。

●「PU(ポリウレタン樹脂)レザー」

PUとはポリウレタン(Polyurethane)の略で柔らかくもちっとした肌触りがあり、弾力性や柔軟性が高いのが特徴です。

PUレザーは、より本革に近い質感と見た目からフェイクレザーとも呼ばれています。

しかし、水に弱いので濡れたままにすると、加水分解を起こし表面がボロボロになってしまいます。

この加水分解は、空気中の水分でも発生する化学反応なので使っていない時でも少しずつ劣化してしまいます。

●「PVC(塩化ビニール樹脂)レザー」

PVCとはポリビニルクロライド(Polyvinylchloride)の略で、PUレザーと比べると若干硬くツルツルとした手触りです。

安価で手に入り、かつ耐久性が高く汚れにも強いことが特徴です。

ただ、経年劣化で表面が硬くなりコーティングが割れてしまうなど、傷みやすいところがります。

それぞれに、質感や耐久性など、特徴を活かした商品に使われています。

 

ヌメ革とは


本革と合皮はいわば原材料の違いによる分類で、それぞれ動物の違いや樹脂の違いで特徴が異なります。

本革の中には、さらに「なめし」という工程による違いで大きくその性質が異なる種類があります。

ちなみに「なめし」は漢字で「革」と「柔」という字を組み合わせて「鞣し」と書きます。まさにその漢字が表す通り、革を柔らかくする工程のことです。

動物の皮は、そのまま使っていると硬化などを起こし、使いにくいものになってしまいます。

それを、樹液や薬品を使って、劣化を抑えながら材料としての柔軟性や強度の高いものにするのです。

それを「なめし」といいます。

ちなみに、「皮」と「革」の違いは、なめしが行われる前までの原皮を「皮」とし、なめし工程を終えたものを「革」と呼んで明確に区別されています。

高度な技術と手間を必要とする現代のなめし技術、「タンニンなめし」と「クロムなめし」が主流となっています。

タンニンとは、直物由来の渋ともいわれる水溶性の化合物です。

一方のクロムとは、塩基性硫酸クロムという化学薬品です。

中でも、タンニンなめしでなめされ、型押しなどの表面加工を行わない革が「ヌメ革」と呼ばれています。

ヌメ革の良いところは、無垢材と同じで使い込むほどに柔らかくなったり、色艶が増してきたりするところです。

型押しなどがされないため、ナチュラルスタンプ(自然による刻印)と呼ばれる、動物たちが生きていた時の個性が現れることがあります。

それは、無垢材の木目や杢と同じで、唯一無二の表情であり、革の本来の魅力であり一番革らしい革と言われています。

家具蔵でも、「LDアームチェアデュオ」という椅子にヌメ革を採用しています。

無着色の無垢材フレームと、身体をしっかり包み込むヌメ革のコラボレーションが実現した逸品です。

この椅子で過ごす時間が長ければ長いほど、その人とともに革が馴染み、艶も増して成長していきます。

みなさんも、お気に入りの革製品を自分好みに育ててみてはいかがでしょうか。

家具蔵の無垢材チェアについてはこちらから

家具蔵の無垢材ソファについてはこちらから

 


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