樹を見て木を知る
2013.4.21
私たちは、様々な木の家具に囲まれて生活しています。
しかし、目の前にいる家具たちが、山や森の中でどのように「樹」として生きていたのかを知る機会は、現代社会において非常に少なくなってきました。
でも、いつも使っている家具が、自然界の生存競争をいかに生き抜いてきたのかを知れば知るほど、「樹」にも「木」にも興味が湧き、家具にも愛着が深まってくるのです。
だから私たちも、その樹の良さを伝えられるようにと、近隣の直物公園などで樹の生き様を感じるようにしています。
この写真は、つい先日「神代植物公園」にて撮影したものですが、何の木だかお分かりになりますか?
ヒントにもう一枚写真をおみせします。
この二枚の写真でお分かりになった方は、とても樹の好きな方ですね。
この樹の名前は「ハリギリ」です。材にすると桐に似ていて写真のように針があるので「ハリギリ」と呼ばれていますが、その他にも葉が天狗の団扇に似ているから「テングウチワ」、若い芽がたらの芽に似て食用にもなるけれどあまりおいしくないので「イヌダラ」と呼ばれるなど、いろんな顔を持っています。
この樹が、板となって流通すると「セン」という名前で呼ばれるようになるのです。
一枚目の写真をご覧になってお気づきでしょうか。生長に陽光が欠かせないハリギリは、天狗の団扇のように葉を広げ、薄くすることで沢山の葉で陽の光を受け止める工夫をしています。
また、下の写真を見ると、針は幹よりも葉の多い枝のほうが、よく見られますね。特に幼木の頃には、痛そうな針がたくさんついているそうです。
芽がタラの芽のように食用になるということは、大型動物にも狙われやすいということになりますね。だから、芽を食べられないように針で自己防衛をしていると考えられます。
センは、実を鳥に食べてもらい他の樹の枝にとまってフンと一緒に種を蒔いてもらいます。
だから親元を離れても生きて行ける能力を授けて送り出しているのですね。
厳しい自然界の生存競争の中で生き残れるように、身を守り生長する術を持って、たくましく生きる姿って、それだけで美しいと思いませんか?
センに限らず、このような樹の生き様は、家具となっても随所からエネルギーのように感じることができますので、それを感じ取って癒しのひとときをお過ごし頂けたら幸いです。
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