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木の家具と暮らす ~私たちのKAGURA STYLE~ #11

2022.7.19

 

 

建築家 × KAGURA コラボレーション実例 【その8】


 

 

建築家の作る空間。それは閃きやセンスだけではなく、膨大に積み重ねられた個人的な体験や、ノウハウに裏付けられた手作りの作業によって生まれるものづくりに他なりません。

同様に、丁寧な手作業による上質なものづくりを目指す家具蔵の仕事が建築家、その空間と響き合い、見事に形となった個性豊かなインテリア実例を、建築家へのインタビューと共にご紹介します。

 

一級建築士事務所 黒田潤三アトリエ


 

黒田 潤三さんは武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業後、東京工業大学坂本一成研究室を経て黒田潤三アトリエを主宰。建築、ランドスケープ、インテリアデザインなどを手がけ、第22回茨城県建築文化賞入選など受賞歴が多数あります。

 

「またここで産みたい」と思える空間づくり


 

 

-なないろレディースクリニックの設計にあたり、お兄様である院長からはどんなご要望があったのでしょうか。

院長の希望は、一人ひとりに寄り添えるような、「患者にやさしいクリニック」でした。

お産という人生でとても大切なステージを迎え、単に出産の場というだけでなく、母子にとって心の拠りどころとなる場所であってほしい。

お母さんたちに「またここで産みたい」と思ってもらえるクリニックにしたいということでした。

お産では大きな喜びはもちろんですが、不安もありますし、ときにはつらいことや悲しいことも起こりえます。

それらをすべて包み込むようなあたたかみを備えた空間にしたいという希望もあり、素材はそこにいるだけで自然とやさしい気持ちに包まれる無垢の木材を選びました。

 

-「なないろ」の名前にもあるように、木材にさまざまな色を合わせたデザインもとても印象的です。

クリニックでは、できるだけ患者さんの要望に則したお産を行っています。

たとえば家族皆で立ち会いがしたい、リラックスのために好きなアロマを焚いてほしい、BGMはこれがいいなど、患者が十人いたら、お産も十通りあるのです。

現在の多様性の時代に、多様な家族に則したお産ができる場所として、院長と相談して決めたテーマが七色でした。

色味は明るく、しかし落ち着きのある色を厳選し、色があることで入院生活がより楽しく豊かなものになるような使い方を工夫しています。

ラウンジなどのパブリックスペースだけでなく、病室にも壁の一面には必ず色が使われているので、ご自分が出産をした部屋の色も、よい想い出の一つになるのではないかと思っています。

 

-無垢の木材と色。そして、自然豊かな周辺環境も大きな魅力ですね。

この場所は院長と私が下見をして、ひと目で気に入って決めました。

特に、ラウンジの窓の外に広がる田園風景はすばらしい。

一面が黄金色になる秋も美しいですよ。クリニックのもうひとつのコンセプトに、家族や患者同士のコミュニケーションが生まれる空間づくりがあるのですが、この風景と木の空間が自然と皆さんの心を和ませ、会話を生んでいるようです。

季節だけでなく、年月を経ても患者さん家族とともに美しく成長し、お母さんがお子さんを連れてきたときに「ここであなたが生まれたのよ」と誇らしく思ってもらえるような空間でありたい。

開業してまだ5年ですが、実際にお子さんを連れて戻ってこられるお母様がたくさんいらっしゃるのは、とてもうれしいことですね。

 

周囲を緑で囲まれた、産婦人科のクリニックとは思えない洗練された外観。窓にも虹色があしらわれています。

 

廊下のつきあたりの空間を利用して無垢のテーブルセットを置き、患者同士や家族のコミュニケーションの場所とした「森のホール」は病室のすぐ外にあり、見舞客が訪れたときなどにも気軽に利用することができます。

「森のホール」にはトップライトが設けられ、天井から抑制された自然光が静かに降り注ぐ演出もあり、壁の色合いの効果も伴って、本当に深い森の中に迷い込んだような気持ちになります。

 

ラウンジから一望する田んぼと住宅の入り混じる風景が「筑波らしくて大好き」と院長が嬉しそうにお話されました。ガラスはマジックミラーになっていて、授乳していても外からは見えないようになっています。

 

同じ無垢材でも雰囲気を変えるため、窓に面したラウンジでは赤い壁の前に明るい色のメープル材、シックな緑色の壁の「森のホール」には落ち着きのあるウォールナット材が選ばれるなど、空間の性格に合わせて丁寧に樹種が選ばれました。

 

なないろレディースクリニックの黒田勇二院長「ぬくもりのある質感が家族同士はもちろん、患者同士の自然なコミュニケーションを育み、心豊かな出産へとつながっていると思います」

 

人が集うあたたかい場所(なないろレディースクリニック/茨城県)


 

 

上質な木の質感と、空に架かる虹のような、希望あふれる未来を思わせる七色の色遣いが印象的なレディースクリニック。

トップライトや照明で、壁の色や空間が効果的に演出されています。

病室のベッドや家具もやさしい木材にこだわり、特にラウンジやホールなど人が集まる場所には無垢のテーブルセットを配置して、そこで過ごす時間を優しく豊かなものして欲しい、という願いが感じられます。

患者さんの中には家具やインテリアデザインに詳しい人もいて、家具蔵の話で盛り上がることもあるそうです。

これまでの産婦人科にはないサービスと空間を求めて、数多くの患者と家族に選ばれてきた類稀なクリニックとして支持を集めています。

 

 

 

 

 


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