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「表参道店から~国産材希少天板入荷のご案内~ ①」

2019.9.30

無垢材のテーブルを検討する方、使用している方が急増しています。

木目の雄大さや、装飾的な杢目、樹形を活かした「耳」の揺らぎ…。

見ているだけでホッコリしたり、味わいがどんどん増していくといった魅力に溢れています。

しかし、無垢材テーブル作りの選択肢として輸入材も多くなってきており、日本の樹を使う傾向は年々減少しています。

せっかく無垢材のテーブルを使うのであれば、国産材に限る‼、という一時代があったのは事実です。

しかし、輸入材の圧倒的な物量やインテリア作りのイメージの多様性から海外の暮らし作りを参考にすることも多く、国産材の素晴らしさが心持ち忘れられている感も否めません。

そこで、今回は我が国が世界に誇る国産材の魅力を再認識して頂きながら、どういう視点で本当に良いものを見極めるかを解説致します。

今回ご紹介する樹は板屋槭(イタヤカエデ)について。

 

イタヤカエデとはどんな樹?


名前のイタヤは、葉が大きく天を覆い尽くすほど茂っていることから、雨が降っても雨宿りできる屋根に見立てて「板屋槭」と呼ばれます。

ちなみに、楓という漢字は誰が読んでも「かえで」となりますが、実際は中国では楓と言えばマンサク科フウ属を指します。

フウ属とカエデ属は、タネの形や実、葉の付き方が大きく異なる縁故の遠い植物なのですが、両種の葉が似ていて共に美しく紅葉することから混同されているようです。

タイワンフウ、アメリカフウ(モミジバフウ)などは、街路樹にも盛んに植えられているので、ご存知の方も多いと思います。

尚、日本のカエデは、楓ではなく「槭」の字が相応しいので、雑学としてお知り置きください。

板屋槭は北海道を中心とした太古の時代から、人の暮らしの中で家づくり・武器・農工具など生きる為の道具作りに欠かせない樹木でした。

薪材としても最上級の部類に入り、一年を通して人の暮らしを支える存在でもあります。

材が緻密で硬いので、火持ちが良く高品質の木炭の原料でもあるのがイタヤカエデ。

かなり硬い樹ですが、幹は真っ直ぐ伸びるものが多く薪割りは比較的楽であったようです。

ただ乾き過ぎると釘が曲がるぐらい硬くなるので、なまくら鋸では歯が立たない程でもありました。

北海道以外でも板屋槭は重要な産業を生み出してきましたが、秋田あたりでも大切な樹木として人々の暮らしに重要な役割を担っていきます。

寛政年間(1789~1801年)に始まったとされる角館のイタヤ細工は、発祥の文献などが残ってはいませんが、竹の自生がなかった角館ではイタヤカエデを用いて独自に発展して行った産業と言われています。

イタヤ細工のお陰で農家の人たちは農閑期に出稼ぎに行かなくて済んだという話もあり、伝統的な民族工芸の一つとなっています。

どうでしょう。

板屋槭は、色が白い分、大人しくてちょっとひ弱な性質と謳われがちですが、実は正反対の強靭さと逞しさを誇る樹なのです。

そうした板屋槭の性格をそのまま表現したテーブル天板がこちら。

他の樹木が生えづらい場所をあえて自身の生育地として選び、厳しい環境下で逞しく育った事が一目で分かります。

杢目は、バール杢(こぶ杢)といわれるもので、木の根元などに出来た心材組織とは異なる瘤(こぶ)部分を指します。

これが発生する要因についてはまだまだ解明されていない点が多いのが実情です。

幹についた傷を癒す為のかさぶたのようなものだという説もあれば、バクテリアの仕業という説もあります。

またそれらが複雑に絡み合った要因もあるそうです。

この天板は、表参道本店の一枚板ギャラリーで見ていただくことができます。

優しさ、逞しさ、品の良さ、強靭な生命力等々が、混然一体となったこの貴重な板屋槭のブックマッチテーブル。

その他にも様々な国産材を多数展示しています。

 

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