無垢材チェア、比較するならここを見る
2019.4.17
無垢材はいわずとしれた、原木(丸太)から切り出したままの自然な状態の木材をさしたものです。
それを使用して製作した家具は「無垢材家具」とカテゴライズされ、なかでも椅子は「無垢材椅子」「無垢材チェア」と呼ばれています。
世界中の様々なメーカーから出ている無垢材チェアですが、その製法や定義づけなども多種多様です。
今回はその「無垢材チェア」の特徴と魅力、どんなものを選ぶべきかをお話しします。
無垢材チェアの素材の選び方と家具材にするまで
無垢材チェアは言うまでもなく「木の椅子」ですが、木には「広葉樹」と「針葉樹」という違いがあります。
「広葉樹」はわかりやすく言うと「平たくて幅の広い葉を持つ木」のことで、街中でよく見ることができるのはケヤキ、ポプラ、サクラ、ブナ、カシなどがそれにあたります。
一方「針葉樹」は「針のように細長い葉を持つ木」で代表的なものはマツやスギなどがすぐに思い当たります。
どちらが家具に適しているかというのは家具の種類によっても変わってきますが、無垢材チェアに使用するなら広葉樹が断然有能です。
針葉樹の特徴のひとつに「柔らかく軽量」というものがありますが、無垢材チェアは人の身体を支え、暮らしに必要な作業を支えるもの。
そこに必要なのは「強度があり傷がつきにくい」ことであり「揺れに強い」ことです。
広葉樹は強度があるので重量のあるものを収める可能性のある収納家具や長期に渡って使用することになり、そのなかで傷などがつく可能性も高い(つまり傷がつきにくいものが良い)ダイニングテーブルにも向いています。
そして、中身の組織の密度の濃い広葉樹は揺れにも強いので、ソファーや椅子のフレームに最適です。
世界中の名作椅子の素材は広葉樹であることがほとんどです。
広葉樹である「ウォールナット」「チーク」「マホガニー」が「世界三大銘木」と呼ばれているのはその美しい色味や木目の表情、加工性や剛性も勿論ですが、そうした理由もあります。
そんな広葉樹を家具材にするには大きく分けて、材木業者から板材や角材になっているものなど「ひと山いくら」で仕入れる方法と、原木の状態のままで入手し、製材立ち会いから乾燥・管理までを一括で自社で行うものとがあります。
家具蔵は後者です。
目利きの人間が現地まで赴いて細かな観点で原木を選定し、製材を経てそれぞれを一本ずつ天日の下で自然乾燥させながら海外のものでも日本の気候に馴染むようにじっくりと水分を抜いていきます。
含水率(木の中の水分の保有量)が12~13%までになるまで自然乾燥しながら、その間は風通しを良くするための桟棒を挟み、積み重ねて保管。
さらに、現代の気密性の高い室内でエアコンや床暖房などにさらされる木にとっての過酷な使用状況を考慮して、含水率を6~7%になるまで機械乾燥及び養生を行うのです。
家具となった後の環境に適応できるよう管理を徹底しています。
板座チェアのつくり
そもそも「板座」つまり、木の座面の椅子は世界的にも圧倒的に少なく、それは製作が難しいからに他なりません。
板座チェアはそもそも張地の張替えなども不要で、ランニングコストの面でも非常に有益です。
では何故そんな椅子が少ないのでしょうか?
実際に高耐久で長期の使用に耐えるものをつくろうとするとき、さきの乾燥を含め、ここまでの手間と技術を持って椅子づくりを行うことができる、というのが非常に少ないからです
家具蔵の無垢材チェアはパーツの切り出し、大まかな面取りなどの部分には機械加工も取り入れ加工効率をアップさせながら日本が誇る伝統の木造建築の工法を家具作りに活かしています。
「機械のスピードに頼るところ」と「手間をかけるところ」をバランス良く振り分けることで長く使うことのできる高品質な製品のコストダウンを図っているのです。
木目の流れを活かしながら各パーツを木取りし、それぞれのパーツは絶妙で滑らかなラインへと削り込んでいきます。
曲木では実現できない個性豊か年輪の表情が美しく現れ、彫刻のような複雑な造形を可能にします。
木目もデザイン、と考えるが故の製法です。
そして日本が誇る伝統の「木は木で締める」木造建築技術を応用した木組みにより接合していきます。
安易に釘などの金物に頼らないことが強度を確保し、何世代にも渡って使い込むことのできる丈夫さに繋がるのです。
そのうえで、パーツ同士の接合に強度が必要な部分は材を厚くした「持ち出し」を用いて、そのお互いの接合部は手仕事による「さすり仕上げ」で有機的なアートラインを描きます。
また、何といっても大きな特徴はその座面の削り込みの深さ。
圧倒的に「深い」それは、臀部から太股にかけて着座時の体圧が分散されるようになっており、板の座面とは思えないほどの優しい座り心地です。
それを含めた人間の体型を考えた曲線の数々は美しさを持って「座り心地の究極」を表現しています。
昔ながらの製法へのこだわり。
いくつもの道具を細かく使い分けること。
生産性の向上を理由に機械化が進む中、あえて手仕事を残そうとするのは機械では出せない滑らかで絶妙なラインや接合技術、また、木が本来持っている美しさを引き出せるからです。
原木仕入れを行うことから始まり、ひとつひとつが丁寧な作業でつくられる家具蔵の無垢材チェア。
木目もデザインとするようなこだわりの製法と手間を持って長く使用することのできる無垢材チェアづくりを行っているのです。
また、家具蔵の無垢材チェアは「無着色」で仕上げます。
無着色、つまり素材の色そのままでつくられるチェアは傷が目立ちません。
いわゆる「着色もの」は傷がつくと下地が露出し、その風合いを損ないます。
木目の美しさを活かし、傷も目立たなくすることでインテリアとしても道具としても長く愛してもらうことのできる無垢材チェアとなるのです。
家具蔵の無垢材チェアは種類もたいへん豊富。
これは多様化する日本の住まいと暮らしのスタイルに合わせて選んでいただけるように、ということと選ぶ視点が多様化していることに適合した結果です。
これだけのタイプの異なるチェアがあれば家族それぞれの好みをひとつのダイニングに反映させることもできれば、シーンによって使い分けることも可能です。
そうして生まれた椅子はデザイン性も兼ね備えた優美な曲線がありながら、長く使用することのできる耐久性と、ずっと愛用したいと思わせる使い心地を持ったものとなります。
だから家具蔵の無垢材チェア
こうしたぱっと見の情報だけではわからない、多くの秘密をその躯体に収めながら家具蔵のチェアはこれまでも20年以上の間、日本中の多くの方に愛用されています。
また、家具蔵の無垢材チェアは年々そのデザインの種類を増やし、また、取り扱う広葉樹の種類も当初の3種から今では8種の広葉樹を扱うまでになりました。
メンテナンス体制も工場直営ですから、しっかりと体制を整えています。
そんな家具蔵の無垢材チェア、豊富なラインナップからきっとあなたにぴったりの一脚が見つかるはずです。
無垢材チェアは「見て美しいこと」「座り心地が良いもの」「それでいて丈夫であり、メンテナンスも可能なもの」から選ぶのが正解です。
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