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「集成材」と「無垢材」の違いとは?

2023.12.8

 

 

無垢材と木質系加工材、そして「集成材」

私ども家具蔵で扱う「無垢材」、これは言うまでもなく木をそのまま任意の形状に切り出して作られるものです。

いわば「木のかたまり」と言っても良いでしょう。

ベニヤ(木材から薄く剥かれた「単板」)を何枚か積層し、接着した後に化粧シートや突板を圧着した加工品=木質系加工材とは、同じ木の家具、木を使ったものでも、その中身は本質的に異なります。

このようなものには中身はいわゆる木屑で、表面のシートは印刷された木ですらないものもあります。

一方で「集成材」というものも存在します。

これは木質系加工材のように、表面にシートを貼付したようなものではなく、「木のかたまり」という意味では無垢材と同義です。

一見するとさほど変わらないようにも見える両者はじつは大きく異なるものです。

 

集成材とはどのような素材か


 

 

集成材は小さく切り分けた木の板や小角材を乾燥させたのちに、接着剤で接合して必要な形状やサイズに加工した木材を指します。

端的に言えば、様々な部分を寄せ集めて貼り合わせたもので、切り出したそのままのものを任意の形状に造形させていく無垢材とはこの部分で根本的に異なります。

なお、あくまで「かたまり」となっているものを縦横に繋いだものであるので合板などの木質系加工材とはまた異なるものになります。

 

建材・家具材で需要がある集成材


 

 

1950年代から日本でも使用が始まった集成材は、現代では多くのハウスメーカーで建材として使用されているのをよく目にします。

一本の木を加工しながら無駄なく使えるのでコストが低く済み、品質にばらつきが少ない点が評価されているためです。

強度やしなやかさが微妙に、あるいは大きく異なる木材を接着剤でつなぎ合わせていることは「含水率15%以下」という基準と併せて、いわゆる「狂い」が少なく比較的扱いが容易とします。

これはつまり、取り扱う人材を選ばないということにつながります。

このことから非常に多くの場で建材として集成材が使用されている他、家具材としても「様々な部分を組み合わせて接着する」という性質上から生まれる不揃いさをデザインや特徴に昇華させたものが一定の人気を得ています。

 

集成材を使用するうえで知っておくこととは?


 

 

こうして見ると集成材は「低コスト」「余すことなく資源を活用している」「扱いやすい」といったポジティブな面が多々あり、無垢材ではなく集成材を選択することは非常に良い選択に思えます。

一方でその「耐久性」についても知っておかなければいけません。

集成材は材料を接着させるために接着剤が使用されていることは先ほどご説明した通りです。

集成材は、じつはそれを構成する木材ひとつひとつに膨張や収縮は発生しています。

それを接着剤が繋ぎ止めている状態は見えない部分で大きな負荷が掛かっていると言ってよいでしょう。

経年の劣化によって接着剤の強度が衰え、負荷に耐え切れなくなって剝がれてしまうことが「無い話ではない」可能性があることは知っておかなければいけません。

あるいは、品質の向上により、その数こそ減っていますが集成材に使われている接着剤の成分からシックハウス症候群を引き起こす可能性も無くはありません。

 

無垢材の良さとは?


 

 

一方、原木(丸太)から切り出したままの自然な状態の木材を指したものである無垢材は木本来の良さを最も強く味わうことができる材料です。

無垢材は乾燥・加工に時間と手間がかかることから、木を知り尽くし、木を扱いきることのできる熟練の職人でなければ、木の動きを読むことができません。

従って、特に家具においては加工が非常に難しく、かつ現存する保有数からも極めて希少性の高い材料と言えます。

しかし、集成材のように接着剤を使用しないことは、材料そのものの剥離やシックハウス症候群の心配も少ないものとなります。

木の持つ様々な効能をそのまま享受できるのも大きなメリットです。

 

家具蔵の無垢材家具づくり


 

 

私ども家具蔵の無垢材家具製作は原木の状態のままでの買い付け、製材立ち会いから乾燥・管理・製作までをすべて自社で行います。

目利きの人間が現地まで赴いて細かな観点で原木を選定し、製材を経て、海外のものでも日本の気候に馴染むようにじっくりと一本ずつを自然乾燥させながら水分を抜いていきます。

含水率(木の中の水分の保有量)が12~13%までになるまで自然乾燥させ、さらに、現代の気密性の高い室内でエアコンや床暖房などにさらされる木にとっての過酷な使用状況を考慮して、含水率を6~7%になるまで機械乾燥及び養生を行い、家具となった後の環境に適応できるよう管理を徹底しています。

そこからパーツの切り出し、大まかな面取りなどの部分には機械加工も取り入れ効率を高めながら日本が誇る伝統の木造建築の工法を家具作りに活かしています。

「機械のスピードに頼るところ」と「手間をかけるところ」をバランス良く振り分けているのです。

そして、熟練の職人が木目の流れを活かしながら各パーツを木取りし、それぞれのパーツは絶妙で滑らかなラインへと削り込んでいきます。

曲木では実現できない個性豊か年輪の表情が美しく現れ、彫刻のような複雑な造形を可能にします。

木目もデザイン、と考えるが故の製法です。

そうして生まれた各パーツを日本が誇る伝統の「木は木で締める」木造建築技術を応用した木組みにより接合していきます。

安易に釘などの金物に頼らないことが強度を確保し、何世代にも渡って使い込むことのできる丈夫さに繋がるのです。

そのうえで、パーツ同士の接合に強度が必要な部分は材を厚くした「持ち出し」を用いて、そのお互いの接合部は手仕事による「さすり仕上げ」で有機的なアートラインを表現しています。

また、その仕上げ塗装もシックハウスの原因とされる物質を一切含んでいません。

健康や環境に配慮されているので、安心してお使いいただけます。

 

 

昔ながらの製法へのこだわり。

いくつもの道具を細かく使い分けること。

生産性の向上を理由に機械化が進む中、あえて手仕事を残そうとするのは機械では出せない滑らかで絶妙なラインや接合技術、また、木が本来持っている美しさを引き出せるからです。

原木仕入れを行うことから始まり、ひとつひとつが丁寧な作業でつくられる家具蔵の無垢材家具。

無垢材の良さを最大限に引き出した家具を実際に確かめに、ぜひ家具蔵各店へお立ち寄りください。

 

家具蔵の無垢材家具製作の詳細はこちらから

 

 

 


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